大人気ドラマ「ブレイキングバッド」とUSPCがコラボしたトランプです。
ドラマの放送が終了した翌年の2014年に発売されました。
テレビドラマ「Breaking Bad」のレビュー
このデックをレビューするにあたって、まずこれ書いてる人間とブレイキングバッドの距離感を明らかにしないといけないと思うので軽く感想を書いておきます。
結論から書くと、もうこの箱の絵見ただけでうるっときちゃってる状態です。
世評通りの大傑作だと思ってます。
いきなり泣かれても困ると思うのでざっくりした概要からいきますと、ブレイキングバッドは2008年から2013年まで5シーズン、全62話のテレビシリーズです。
日本ではスカパーで放送されていたのと、huluで配信があったのでそれで見ていた人も多いかもしれません。
僕はとにかくhuluで見始めてマジはまりして通しで5周、好きな回は更に何度も何度も繰り返し見ています。
このドラマはアメリカのテレビシリーズにしては珍しく、最初から5シーズン構成で作られているので無駄な引き伸ばしがなく見やすいのも特徴です。
ストーリーはシンプルで、ガンで余命宣告された化学教師が家族に遺産を残すため化学の知識で麻薬(メス)を作り始めて一儲けを企むというものです。
当然やばい世界なのでチンピラやら麻薬カルテルやらとの戦いがあるのですが、それを化学と頭脳で乗り切っていくというのが見所だったりします。
大筋は家族ドラマで、イカれていく主人公と協力者の生徒、その他ファミリー達との関係がこじれたり謎の絆が生まれたりするのが楽しいです。
このトランプ絵札が全部主要登場人物になってるのでざっくりと登場人物説明ついでに紹介します。
ウォルター・ホワイト
主人公の高校教師。
ノーベル賞に貢献する級の化学パワーがあります。
そのためメスも非常にクウォリティの高いものができちゃって、闇の世界にズブズブになっちゃうわけです。
この見た目の普通のおっさん感がたまらんですね。
ガンなのに裏仕事絡みになるとなんか溌剌としてるように見えるあたりの表情の些細な変化も見ものです。
ジェシー・ピンクマン
ウォルターの生徒で薬作りの協力者。
ヤンチャもするけど根は普通にいいやつっていうめちゃくちゃどこにでもいるような若者です。
若者にしてはありえない大金が目の前にあるので自己中行動起こしがち。
ウォルターとジェシーの関係性がとにかく面白く、金の繋がりから心の繋がりへ、そして決定的な人間性の違いから生まれる確執までダイナミックでいながら繊細に描写されていきます。
スカイラー・ホワイト
ウォルターの奥さん。
ネットではウザイラーだのブタイラーだのと散々な言われようですが、ブタイラーからしたらそうするでしょってことも多いのでかわいそうではあります。ブタイラー言いましたけども。
途中でしょうもない浮気とかするあたりはマジでクズイラーなんですが、ウォルター目線で見なければまあ普通の奥さんではないでしょうか。
途中から怖くなりますが。
ウォルター・”フリン”・ホワイト・Jr.
ウォルターとスカイラーの息子。
脳性麻痺の影響で体と言葉にハンデがあるのですが、非常に親思いの良いやつです。
障害という設定がただそのキャラクターの無垢っぽさのために使われてないのがポイントで、この少年の成長も熱いものがあります。
ハンク・シュレイダー
スカイラーの妹の旦那、ウォルターとは義理の弟ということになります。
わりと頻繁に交流するファミリーなのですが、ハンクはDEAで働く麻薬捜査班。
ウォルターはハンクから薬絡みの話を聞いてこりゃ儲かるとメスを作り始めた経緯があるので仕方ない部分はあるものの、バレたらマジやべえやつが身内にいるわけです。
中盤でガチ疑われする場面は何度見てもハラハラします。5回目見た時も汗びっしょりでした。
なんといってもぱっと見でDEAっぽい顔が素敵です。
マリー・シュレイダー
ハンクの奥さんでスカイラーの妹。
この女性もなかなかのあれで、うるせえとしか言いようのない主張の数々をかましてくれます。
スティーブン・ゴメス
ハンクの同僚でDEA捜査官。
どう見てもチンピラにしか見えませんが、この人がなかなか味があってハンクの細かいキャラを立たせる役としても非常に有能です。
ソウル・グッドマン
「ソウルに電話しよう!」のテレビコマーシャルで人気の弁護士。
やばい仕事もやってくれる弁護士で、ウォルターのヘルパー役でもあります。
たぶんウザさはこのドラマシリーズの中でもトップクラスで、本人が笑わせようとしてくればくるほどイラつきます。
ただトータルでは愛されキャラで、彼の前日譚である「Better Call Soul」というスピンオフドラマまで作られていて、これはこれでマジ傑作なのでおすすめです。
グスタボ・”ガス”・フリング
いろんな会社の経営者で市民からの人望も厚いのですが、麻薬組織のボスでもあります。
こいつがマジ鬼畜な上に賢いのでウォルターの最大の敵の一人です。
ガスとウォルターの頭脳戦はめちゃくちゃ面白く、何話にもまたがって伏線が貼られ、それが回収された時には震えるような感動がありました。
マイク・エルマントラウト
ガスの1番の部下みたいな存在で、総合的な強さで言えばシリーズ中一番かもしれません。
とにかく頭も良いし武器の使いこなしもやばいし咄嗟の判断力にも長けています。
内面はほとんどよくわからんのですが、ちょっと気のいいとこ見せることもあったりしてほっこりするキャラクターです。
一番好きなキャラかもしれません。
リディア・ロダルテ・クエール
ガスの取引相手で、メスの材料を売ったりしてます。
見た目よりやばい女性で人を殺すことをなんとも思っていない感じがやばいです。
ジェーン・マーゴリス
ジェシーの恋人でドラッグ依存症。
登場時間は長くないですが、ジェシーとジェーンの物語もとても良いです。
以上登場人物紹介でございました。
まだまだいますが良い感じに絵札にまとまってると思います。
長期のドラマシリーズは人間関係とその変化が醍醐味だったりしますが、それぞれのキャラクターが抱える葛藤がリアルで、誇張されてるために変に共感に訴えかけてこないバランスも見事です。
このドラマの面白さの一つはジャンル幕の内弁当っぷりだと思います。
死体やドラッグに関するブラックコメディであり、若者のメロドラマであり、正体を隠すサスペンスであり、化学の力でチンピラをなぎ倒すサイエンス一休さんであり、その全てが一つの物語に収まっています。
わけても今アメリカのエンタメ界で大流行の麻薬カルテルものとしての面白さは群を抜いていて、メキシコ麻薬戦争の真実は誰も知らない闇っぷりがインサイド視点で堪能できます。
メキシコ麻薬戦争とアメリカのセーフティネット問題をミックスさせたのも成功の要因で、どちらもリアルな現実をフィクションの中で無理矢理くっつけたらもっとリアルな何かが生まれてしまいました。
“Breaking Bad”には権力に刃向かうとか騒ぎを起こすなど色んな意味があるスラングのようですが、劇中で一回だけセリフで使われる場面では「道を踏み外す」という意味で使われています。
主人公のウォルターは最終的にとんでもないところへ行ってしまうのですが、通しで見ると全く破綻がないあたり本当に脚本が素晴らしいです。
シーズンのスタートやエピソードのオープニングでも頻繁にフラッシュフォワードが使われるのですけども、一体なんでこんな状況にってとこにうまいこと視聴者を連れてってくれるのが気持ちいいのですね。
ウォルターが進むのは悪の道で、決して素直に応援できるようなキャラじゃないのに最後まで目が離せなくなるのは彼の環境の不遇さだけが理由ではないと思います。
アメリカが抱える問題はあるし、彼はずっと「家族のため」を言い訳に悪事を続けますが途中からそれが本音でないことは見てる側には明らかです。
ウォルターが何のためにこんなやばいことを続けたかってのは視聴者にはなんとなくわかってきて、それがついに本人のセリフで確認されてしまう時、なんとも言葉にできない感動がありました。
色んな要素はあるものの、やはり一人の人間の物語であり、5シーズン通して盛大にこっちに向かって語りかけてくるような話でありながら、説教臭くも感傷的でもなく、あくまでエンターテイメントしてるあたりがこの作品の魅力だと思います。
そういうドラマのトランプです。
外観
泣くやつです。
バックデザインはオープニングのあれ。
手品する時にいちいちブレイキングバッドが見たくなりそうで心配です。
広告カードは濃いおじさん達とジェシー。
スペードのエースとスペードのキングがウォルター。
ジョーカーはジェシーの仲間、バジャーとスキニー。
各マークはそれぞれドラマと関係あるものが象徴されていて、数札も化学的にバランスが良さそうな配置になってます。
全部のカードのフェイスにうっすら化学的な六角形が書かれてます。
使い心地
滑りは若干重ため。
フェイスがフルデザインされてるデックはそういうイメージありますね。
新品で使いやすいです。
ファローは裏から。
さすが理系デック、入りやすいです。
紙はバイシクルと同じで、Magic Finishが使われてるそうです。
手品に使おうとするとカードが読みにくく使い辛いと思います。
なんか絵札を人に見立ててストーリーつけて紙芝居みたいにやる手品って苦手なのですが、これはさすがにやりたくなりますね。
だいたいファミリーごとにスート分けされてるのでやりやすいです。
マグネティックカードをジェシーとウォルターでやるとかめっちゃ良くないですか。
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