去年出たJeff Stoneのレクチャーノートで、完全にタイトル買いした一冊です。前書きによると著者の日記のメモを形にしたもののようで、このギミックをこういう使い方しましたとか、こういう演出どうですかとかいうのが多く、手法的な斬新さは控えめではあります。
ただ、素材の活かし方や組み合わせ方は賢く演出もしっかりしているのでマジック寄りのメンタル系レパートリーを増やしたい人には割とおすすめです。
本当にとりとめもないメモという感じではなく期待していたMadnessは控えめで残念ですが、お金払ってヤバいやつのの妄想手品メモを読んだらそれはそれでこっちの心がMadになるので、普通の本で良かったと思っています。
Over the Mountain
カード当てです。
基礎的な原理ちょい足しアプローチで、こういう手法が他にないわけではないですが、マインドリーディングとして見せる手順がしっかり書かれていて適切に使われてる印象はあります。
Flying High Again
現象としては紙に絵が書いてあってそこにサインしてもらって、なんやかんやあった後に絵が変わってるというものです。
この現象をやるためのギミックを上手いこと活かすためにもう一つのギミックを足してどっちの良さも引き出せてる良い感じの組み合わせ。
ユニークで説得力あるプレゼンテーションにもなっていて、お互いの手法を想像させにくくもしてると思います。
You Can’t Kill Rock and Roll
観客の質問にマジックを用意しておく件について。
ここでの例は日本のアマチュアには一切演じる機会のないようなものですが、考え方自体は応用させることができるもので、軽い準備で手軽に観客きっかけの導入できる例としてはわかりやすいです。
Believer
超低負担で出来るバンクナイト。
使うものも演出の筋が通った道具だし、普通に良い方法だと思いました。
道具も意外と持て余しがちなものなので、こういう使い方があるのは嬉しい。
Little Dolls
藁人形のどこかを刺してもらって、その場所が予言されてるという手品。
手法はいくつか紹介されていて、この現象だからいろんな可能性があるという感じは面白いです。現象も良いし、他にも色々やりようがあるので考えてみたい。
Tonight
星座のカードと振り子を使って、演者と観客がお互いの星座のカードを当て合いっこします。
演出も良く、原理もシンプルかつ星座でやる面白さもある良作。
S.A.T.O. / Strange Voyage
カードアクロスで、消えたカードが観客のお尻の下に移動するバージョン。
お尻の下に移動させる方法と、それに合ったカードアクロスの手法はこれだよという紹介があります。
Diary of a Madman
現象はサイコロの出目と選ぶポーカーチップとカードが全部予言されてるというもの。
手法はバラバラで綺麗な手順とは言い難いとこもありますが、それぞれの自由さを補強し合う感じはあって、ギャンブル狂いのストーリーも興味を引くし、バラバラの現象を足しただけに見えないよう上手くまとめています。
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