by jun | 2018/04/21

そんなこと言ったらなんでもそうだろうという気もしますが、 パーフェクトファローシャッフルに関しては特に敷居の高さを感じてる人も多いのではないかと思います。
自分もその一人で、普通に練習してれば普通に上達していくはずなんですけども、なんかどうせできないし実践で使うレベルにはならないという思い込みがあり、適当にやってても全然入らないからやる気失くしてどんどん練習しなくなって、本読んでてファロー使う手順が出てきたら飛ばして見なかったことにするぐらいの距離感でした。

それが今年の初めに上手い人にちょっと教えてもらったらスルスル入るようになったので偉そうなエントリーを書き始めた次第です。
ホァン・タマリッツのカードマジック「SONATA」にもこんなことが書かれています。

ファロー・シャッフルが難しいという思い込みについて

—あなたが思ってるよりも簡単です。

—もっとも難しい部分は、どんなコンディションのデックでも、どんな照明の状況でも、観客の前でこれをしっかり演じようとする折れない心です。

—自身を持って3回、4回、9回連続でファローシャッフルすることは、1回だけファロー・シャッフルをするのと同じくらい簡単です。

技法自体よりいつでもどこでもできるようにするのが難しいという話みたいです。
回数に関しても確かにその通りで、1回できたら何回でもできますし、むしろ後半の方がカードがばらけてやりやすいと感じます。
折れない心とか精神論みたいなこと書いてますが、この本はファローがズレた時の対処法についても書かれてて優しい心を感じるのでおすすめです。

とはいえファローシャッフルのやり方について詳しく解説されてるものって少ないので、最初どうやったらいいのって問題もあります。
個人的におすすめなのがポールガートナーの方法で、At The Table Live Lectureの中でファローシャッフルを解説してるパートがありました。DVDセットでいうとシーズン8、個別ダウンロードだと安くて良いです。
At the Table Live Lecture – Paul Gertner 01/07/2015 video DOWNLOAD – Murphy’s Magic Supplies, Inc. – Wholesale Magic

ポールガートナーはもちろんパーフェクトファローシャッフルの達人です。
確実にスムーズに連続してファローシャッフルする必要がある手品が代表作なのでスルスル入っていきます。
ファローシャッフルに関してはどういうやり方が一般的なのかよく知らないんですが、だいたい上手い人は同じ持ち方してるのでたぶんこれがベストなんじゃないでしょうか。

具体的にはカードが1枚ずつズレずに噛み合うようにする方法で、ガートナーと同じ指の位置にするだけで格段にやりやすくなります。
この押さえ方だとカードが開いてくるような反り方してても大丈夫です。

練習法としておすすめなのが、カードを表裏に噛ませてわざとカードを広げてやりにくくする方法です。

このバラバラを押さえないといけないわけですが、物理的にカードとカードの間がカード0.5枚分浮いてると一枚分ズレてしまうのでそのあたりの力加減が大事です。
この状態でパーフェクトにできれば整ったデックは余裕ですし、表裏でできるようになると良いこともたくさんあります。

あとやっぱり最初の1回はなんだかんだ難しいので、トランプ触ったら最初にファローシャッフルをするというルールを決めておくと良いです。
どんな技法でも反復してると出来るようになった気がしますが、チャンス一回だと割と成功率は低かったりしますので、実演通りの手順で全部うまくいくかどうかが大事になってきます。

自分の場合は一日で最初にトランプに触るときに「これ一発でファロー入らんかったら死ぬことな」と小学生のデスゲームロジックを使ってますが、ミスったら腹筋10回とかにすると体も鍛えられてファローシャッフルも上手くなって良いのではないでしょうか。

そういえばパーフェクトファローシャッフルのハードルの一つにぴっちり半分に分ける難しさというのもありました。
一発で半分に分けれないとその時点で萎えます。
これもやってるうちに慣れるのですがちょっとした例を。

上の写真はちょうど半分に分けていますが右のパケットの方が1枚ぐらい多く見えませんでしょうか。
角度の問題と、バックの白縁が少し見えるので白い部分が大きく見えてます。
カードを二つに割る時に片方を動かすとこの角度ができてしまって、一発で分けるのが難しいです。

分けたらちょうど真ん中に分け目が見えるように角度を調整するとわかりやすくなります。

ガートナーの方法でやると噛ませる前に枚数違いはすぐわかりますが、噛ませようとしてから調整してると原理感ビンビンになっちゃうので一発で分けたいところです。
ピットハートリングが言うところのFaro Monster (何だかよくわからないけど、ファローシャッフルをやりまくってる人)にならないためにはファローシャッフルを行うタイミングと、いかにそれがなんでもない動作に見せれるかが勝負なので、目線とか肩の力の入り具合とかも大事になってきます。
見えちゃいえない角度とか別にないですし見たまんまのことをやってるだけなのですが、動画撮ったりしながら練習するのが大事な技法だと思います。
ファローシャッフルってあんまり鏡見たり動画撮ったりして練習しないと思いますけど、この前手品したのを動画撮ってた人がいて見せてもらったら自分で思ってる以上にファローおじさんで泣きたくなりました。モンスターでもないただのおじさん。
入った後にほっとしたような顔をするのも要注意です。

ファローシャッフルを使った手順ってフルスタックなイメージがありますがノーセットでできるものもあります。
一例としてルイスオテロさんの”Re-Sandwiched”という時間差ダブルサンドイッチがあって、ファローと他の原理を組み合わせていて面白いです。
最初に噛み合わせるところと、ジョーカー置いてからカットするところはお客さんにやってもらえます。

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