by jun | 2018/08/23

ジョセフバリーさんのインスクリュータブルシリーズ最新巻。
元のは赤と青はセットで販売されてるものなので、このグリーンの洋盤のタイトルはINSCRUTABLE CHAPTER 2ということになってます。

赤と青ほど話題にならなかった気がしますが、内容は悪くありません。
ちょっとあれなのがギャンブル手順が多く、赤青のそれと比べてストレートにギャンブル演出をしてるところですが、手法的にはうまく観客の隙を突くようなバリーイズムが炸裂していて、赤青楽しめた人ならこれもいけんじゃないですかね。

10 cards for Levante

シャッフルしてからスタートする2人のポーカー。
相手と同じ枚数をチェンジすると、演者はロイヤルフラッシュになります。

手法的には面白い箇所があるのですが、チェンジが入る手順ってポーカーポーカーしすぎて演じにくさが。
あと、結構なアンラッキーパターンがあってそうなるとこの手法の良さも半減しますし、ポーカーに馴染みがないと悪意なしにアンラッキーパターンを誘発します。
一応それなりのリカバリーはあるのですけども、あんまりよくない感じでポーカーと手品が混ざってしまう魅せ方になってしまう感じです。

Thanks to Vernon

カッティングエースですが、エースをバラバラに戻すところから見せるパターン。
例によってお好きなように出してくださいみたいな感じで、実演ではフォースも織り交ぜていました。
解説ではジャスティンハイアムやベンジャミンアールの手順にも触れています。
イギリスの人がこれ好きなのはジャスティンハイアムの影響なんでしょうか。どの手順にも一長一短ありますが、エースを戻していくパートはジョセフバリー版が優れています。

ピーク使えばシャッフルのとこはお客さんにやってもらえますが、クリンプ使わずにちょっと変えた感じでやってみました。
普通にやるなら混ぜさせてピークか記憶かやったほうが不思議度は上がりそう。

Simple Card at Number

ちょっと変則的なエニエニ。
カードと数字を聞いて、配ってる間に好きなところでストップをかけてもらうと残りのカードが数字と一致していて、カードもそこから出てきます。

ジョセフバリー的な位置関係のちょろまかしを使った解決法。
演者がずっとカード持ってるけど、観客の自由意志のところ一点で全部一致したように見せるのもらしい感じですね。

一応エニーナンバーで行ける方法も解説されてますが、基本的には範囲限定エニエニで、ノーセットでできることがメリットになります。
カード聞いてからごにょごにょするとこのトーク力勝負です。

Eighth Son

これ

別の観客と一緒に予言するというスタイルで、最後はフォーオブアカインドが揃います。

お得意のフォースが使われていますが、これは比較的成功率高めになるようになっていて、シリーズ通して一番コツ的なことを詳しく解説していました。
4枚目のあれは確かに理屈は通っていて、アウトも色々紹介されています。
説明できないカードトリックを例に出しましたが、これは場の状況的に色々アドリブが効く手順じゃないでしょうか。

Think

これです。

セットしてやる方法も解説されていますが、どちらもポーカー演出で思ったカードが当たるという現象がぼやけてる感じがします。
観客と一緒にやる部分や、技法の使い所など勉強になるとこは多いです。

Pseudo Hold’em

一番演じる機会の少ないテキサスホールデム方式のポーカー。
客には2枚ずつ配って場の3枚のカードと合わせて戦うあれです。
確かに見た目は不可能っぽいですがやはり演じにくいですね。
シャッフルさせた状態からリフルシャッフルを繰り返して積み込む手法は応用範囲広いのでがんばりましょう。
できるようになるとかなり便利です。

End play

今度はブラックジャックです。
観客がシャッフルしながら配って、一人だけブラックジャックの役ができて、それが予言されてるというもの。

予言のカードは2枚なので、2枚エース予言置いて2枚のエースを出すとかでも良さそうですね。
馴染みないとブラックジャックは絵面が地味すぎます。

これもシャッフルした状態からの積み込みで、フォールスディール使わずに観客に配ってもらえるのがポイント。
観客の参加させ方の構成もうまいです。

Freedom stacking

観客にシャッフルさせた状態からのポーカー。
またかよと思うかもしれませんが、この積み込み方は面白いです。
勝つのも観客で観客がイカサマしないかどうかというテーマに合った手法で、演出が色々と勝ってます。
この人全部シャッフルしたつもりにさせるテク好きですが、この中でもそれがうまく使われています。

Psychic spectator

観客が超能力を使うという面白い演出で、面白いだけでなく後半のエニエニ的な現象の伏線として機能するという作品。
めっちゃ好きです。
前半のくだりをうまく思い出させる演技力は要りますが、うまくできればかなり不思議。

Intuitive selection

背中に回してひっくり返してもらうやつにちょっと捻りを効かせたもの。
ぶっちゃけこの人ならフリーチョイス感出すのにこの方法でなくてもって感じはありますが、徐々にカードが絞られていくのは楽しいです。
テーブルの下だとちょっとあれなのがあれ。
背中に回すの普通にしんどいのであんまりやらせたくないんで、しんどさ利用するのもちょっと抵抗ありますね。

手順の他に簡単なフォースとラフなダブルリフトが解説されてます。
ダブルはかなり良いですね。
演技によるでしょうけど、1番上のカードを何気なく使うようなシチュエーションだと強そう。

んなわけで、赤青緑通して見ると、またサイコロジカルフォースかよとかまたポーカーかよみたいな印象なのですけども、演出や手法のバリエーションはとても豊かでクリエイターとしての凄さがよくわかります。

ざっくりまとめると、手順として面白いのは赤、技法は青、演技や考え方は緑みたいなイメージ。
ポケモンのように全部買わないと要素が揃いません。

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