マジックマーケット2020で発売された長谷和幸さんの作品集。
5つのトリックが解説されていて、どれも独創的で遊び心に溢れており、もちろん不思議に仕上がっています。
裏表紙にはマリオバーヴァの言葉が引用されていて、その言葉通りシンプルで効果的なトリック揃いです。
ビジブル・ホール
ペンでお札を突き刺すも、穴は空いていないトリック。
使うのは封筒、ペン、お札のみ。
お札は封筒で包んで突き刺すけど封筒にだけ穴が空いてるという見せ方で、とても強い錯覚を使います。
ペン界隈は色々と進化しておりますが、こっちは破れてるけどこっちは破れてないという見せ方は説得力ありますし、全て手渡せるのもやっぱり強い。
ステージの切断的な面白さもあって、なんかこういうのを探していた気がします。
冷たい方程式
10枚のカードそれぞれに別の単語が書かれており、観客が選ぶカードが予言されています。
使うカードは本当に10枚、予言は1つ。すり替えもなし。
使われてる手法の最適解なのではと思える鮮やかさです。
これトリックの成り立ちがめっちゃ面白くて、いやまあそうかもしれんけど普通は手品に使えると思わんやろという感じの話で、発想の柔軟さといかに自分の知識と結びつけるかという姿勢が学べます。
2分の1の魔法
赤と青のデックと片方を観客のポケットに入れてもらい、どっちを入れたかを当てます。
デックはレギュラーなのでオープニングトリックとしてめっちゃ良いですねこれ。
赤青使う手品の前哨戦としても繋ぎやすい現象ですし、2デック使う現象によって当て方の演出も工夫すれば綺麗な手順を作れそうな気がします。
ラ・ヴァルス
ジャンボカードを使うフォースの話。
カードがでかいと技法に制約が出ますが、これはそういう心配がなく見た目的にも技法感のない方法です。
都合上どんな手品にも使えるわけではありませんが、セリフや錯覚を上手く使うカードの動きにも工夫があり、サロン手品では大いに役立ちそうです。
リアル・スティール
安全ピンとクリップの貫通現象で、とにかく楽しいです。
指の動き的には貫通したようにしか見えないし、もしかしたらこうなってるのかなという可能性もうまいことあらためられるようになってます。
全体通して本当にシンプルでそんな方法があったのかというトリックが使われていて、手品覚えたての時みたいなワクワク感があり大変楽しかったです。
不勉強にも今まで長谷さんの作品に触れてこなかったのでこれから色々と追っかけようと思ってます。
この本はマジックマーケット後まだ買えるとこないみたいですけど、長谷さんの作品集ならたぶん何買っても間違いないんじゃないかという感じがしました。
追記
こちらで取り扱いがあるようです。
Five Easy Pieces | TozakiMagicSchoolStore
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