by jun | 2020/06/11

2018年に出たRyan Matneyの作品集。
カードマジックが5つ解説されています。
前のSpoiler Alertとは違って小ぶりな冊子です。
割と技法が偏ってる人なので全体通して見るとここはもう少しこうしたいというところも出てくるのですが、アイデア自体は各作品ごとに良い感じでした。

Renumber and Forget

カードを2枚選んでもらって、片方は覚えてもらい片方は忘れてもらいます。
1枚は観客がカットした場所から、もう1枚はカットした枚数を数えた場所から出てきたように見える手品。
要は両方出てくるのですが、ちょっと大胆なことをするので片方は忘れてもらうというのが効いてくる感じです。
この見せ方がメンタル風味をプラスしていて独特の感触になっており、ナンバートリックとの相性も良さげ。
結局両方出せるのではというのは観客にもわかってしまうことなので、セリフや態度には気を使う必要はありそう。

Slam Bang Universal

ジョーカーが変化することを示すために連続でメイトカードへの変化を見せ、その後観客のカードに変わります。
一応ユニバーサルカードという感じらしいです。
覚えてもらうカードは1枚でよく、セットも簡単で連続して変化させられる手軽さがあります。
一方でジョーカーが変化したという印象は薄れていくので、途中でジョーカーに戻るフェイズがあっていいような気もしました。特に使う技法は変わらず工夫できるポイントではあるので、演じ方によって微調整すると良さそうです。

Why So Serious?

ジョーカーがセレクトカード2枚に変化、最後にセレクトカードの裏を見ると・・・みたいな手品。
最初に4枚のジョーカーを見せるのですが、余分なカードは使わず最後は全部手渡し可能になる構成になってます。
裏を見せるオチは現象が起こることの説明にもなっていて、特に頑張って隠し続ける必要もなく綺麗に下げれて良いっすね。

The Long Way Home

ちょっと捻った予言トリック。
予言の仕方が全てという感じがあるので詳しくは書けませんが、何か道具を活かした予言をするのであればフォースの方法もそこに合わせたものにしたい感じはあります。
状況が予言されてる的なメッセージが表示されるので、オチの予言の示し方にもう一押し欲しいところでしょうか。

Psychic Rip-Off

観客に赤と黒を分けてもらう手品。
演者も観客も表を見ずに赤だと思ったらそっち、思わなかったらこっちみたいな感じで数枚やると綺麗に分かれてます。
手順的には最後にデックが全部赤と黒に分かれてるところを見せるもので、個人的にはここはなくて良い手品だと思いました。
まあ前半が上手くいきさえすればそこまでぶち壊すようなオチではないですし、演出も変わるのでありといえばありなのですが。それなら水油とか挟みたい感じはありますね。

タイトルのRip-OffはカーニーのTriumph Rip-Offからついてます。
ところでずっとカミングスーンだったカーニーのNew BookのページがApril 2020に更新されてますがこれは一体どないなったんでしょうか。

John’s New Book – In The Works ! | CarneyMagic

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