2000年にリリースされたセミオートマチックなカードマジックが解説されてるシリーズ第三弾。
Gambling Tricks
ギャンブルを扱ったチャプター。
Done Deal
表裏に混ぜる作業があり、観客がシャッフルした感の強いポーカーの手順。
これ自体は良いのですが、手順の後はただただぐちゃぐちゃのデックが残るので何かしらルーティン化したいところではあります。
House Rules
上のやつとほとんど同じですが、別の色のデックも使います。
カジノがイカサマをさせないために、というプレゼンテーションがこのぐちゃぐちゃデックと観客の選択にとても効果的です。
Strout Fellow (Allan Slaight)
カード当てたりロイヤルフラッシュが出たりと色んなことが起こります。
手頃なセットで段階的に現象を見せられるのは魅力です。
「普通のマジシャンはこうするけど…」というセリフで謎の手続きを正当化していたり、意外な現象を見せたりしているのは参考になりました。
Give Me Five (Lewis Jones)
10カードポーカーディールです。
観客に全て選択させることができるのが売りです。
見た目は地味な役しかできないけど、即興の状態から適当に10枚選んだように見せる方法など参考になる点多し。
You Bet (Lewis Jones)
演者が考えたカードと観客が考えたカードの間にあるカードの枚数によってお金あげましょうって言うけど観客は儲からない手品。
バーベット的に見せるのが推されてますが、原理的には間のカードの枚数や何のカードかを予言できたりもできます。
Five Card Stud
スペリングとダウンアンダーを使うテレフォントリック。
まあそうなるんやろなという感じがちょっと強い。
Seven Card Stud
これも似たようなやつですが、手続きにポーカーの筋に沿った演出を加えていてなんぼか良い感じになってます。
Up & Over the Down & Under
これはダウンアンダーしなくて良いバージョン。
Automatic Ace Cutting (Tom Gagnon)
マルローのミラクルエースの改案。
より安全に行うためのアイデアで、全部をカットの動きでやっても安定して決めれるのが強み。
Discard Poker (John Moran)
Done Deal と手続きは似てますが、少し巧妙な部分があり、4つ全ての手札をコントロール出来るようになったバージョン。
ディスカードのプレゼンテーションもええんとちゃいますやろか。
Monte 101 (Joel Givens)
3カードモンテの手順です。
4フェイズでテーブルを使わないルーティンなので使い勝手はかなり良い。
オチは角折るやつで、基礎的な動き+αでかなり低負担。
The Deck Will Tell (Gary Plants)
ブラックジャックをモチーフにしたカード当てです。
ダニダオルティスとかがやってそうなナンバー系のトリックで、演者は観客の数字を知らなくても数えればそっから出てくるような仕組み。
演出も合ってるし現象もギャンブルとの親和性高くて面白いトリックでした。
The Macho Magician Versus Wussy Gambler (Steve Beam)
マジシャン vs ギャンブラーのトリックではなく、スペリングを使ったA出し。
スペリングの恣意的な感じが消えておらず、これはイマイチ。
Locating a Deal (Joshua Jay)
複数の観客に手札から1枚覚えてもらって、それをまた観客の手札に配るという手品。オチは演者の手札がロイヤルフラッシュになってます。
原理は定番のものです。
ロイヤルフラッシュ出す時のセリフが至高。
Impossible Locations
カード当てのチャプター。
The Of-Age Card Trick
21カードトリックに釣りとかを絡めた方法。
観客が21カードトリックを知ってる前提の引っかけみたいなやつで、そうでないならわざわざこの手順でなくてもという感じですが、この釣りは割と汎用性高め。
Pile Driver
セレクトカード3枚でやる21カードトリックっぽいやつ。
見た目だけで全く別の原理を使うので21知ってる人には特に効果ありそう。
観客がバラバラにシャッフルしたように見えて3枚の位置をコントロール出来る方法なので便利。
Turning 21
21カードトリックの手続きを取るリバース現象。
さすがにここまで来るとフリをする手続きがやらしすぎる気がする。
The New Math
ブラウエリバーサルを使ったトリックに一演出加えた一作。
技法の動きもカバーできていて、現象も盛られてる感じでなかなか良い。
The Peewee Card Trick
やや作業感はあるものの、セリフによってその感じをやわらげつつ、カードの枚数目を把握する方法。
途中でブレイクを作るので回りくどいと言えばそう。
Double Down
自由にカードを思い浮かべてもらって、ルール通りに配ってもらうやつ。
最近のこれ系の傑作に比べると演出がやや弱い。
Doubling Up on the Double Down
上のやつの完全即興版。
今流行りのスタイルですが、これはマークの当て方がちょっと違います。参考にはなりましたがこの方法をチョイスするかと言われるとうーーん。
V.D. (Marty Kane)
カットディーパーとかダウンアンダーとかにバレンタインデーの演出を持ち込んだトリックです。カットディーパーの正当化のセリフは面白く、バレンタインとかチョコとか統一感あるスペリングもなんとでも言えるやん感なくて良いのですが、全体としてやっぱり作業っぽく見えるので狙いほどは上手く行ってるようには思えない一作。
Revisiting the Dream (Jerry Mentzer)
こちらもドリーム系のトリック。
配ってもらった後にシャッフルしてもらうことができて良いですが、やっぱり最近の演出がちゃんとしてるやつと比較すると弱い。
Prime Location
後ろ向いてる間にカットシャッフルしてもらったりポケットにカード入れたりその枚数目のカード覚えてもらったりしますが当たります。
やや指示することが多いですが、シンプルなセットと手続きで色んなことを当てれたり偶然の一致も示せるのがおもろい。
Bulletproof
デックに触れずに観客がカットした位置のカードがわかります。
個人的にセミオート手品に求めるバランスで良いトリックだとは思うのですが、このトリックだとマークを特定する手続きがちょっと微妙で、これならシステムでええのではとなってしまいます。
Impossible Revelations
インポッシブルなリベレーションのチャプター。
The Birthday Card
ドリーム系トリックの原理で観客の誕生日と選んだカードを当てられます。
セリフも粋な感じで良かったし、他のスタックでも応用するのも面白そう。
Birthday Shuffle (Lewis Jones)
上のトリックの即興版。
即興版にありがちなちょっと手続きが変になってる版な気がします。
The Mind-Testing Deck
トップカードをフォースする方法。
観客にカードを2枚選んでもらって、その合計数がどうとかなんたらディールをするとどうとか、実践的かどうかはともかく数理的には面白い原理です。
Clearing the Deck
ドリーム系のLovickのアレ的な全部最後ブランクになるやつ。これはちょっと釣り的なことが必要なのですが、そこがブランクオチへちょっと機能していて、プレゼンテーションもお昼に食べた物によって操作が変わるとかちょっと面白い。
Symmetrick (Marty Kane)
ハートとスペードのカードをそれぞれ別の観客にもってもらい、思ったカードをスペリングして云々するのですが、最終的に同じ数字にいきつくというトリック。
原理だけだとまあどうやってもそうなるんやろな感は否めませんが、セリフの出来は良いです。
Name It (Doug Canning)
フィッシングを使ったトリックなのですが、外し続けた場合の処理がちゃんとしてあって良い塩梅でした。
Signature Card to Wallet
サインカードがデックから消えて財布から出て来た、と思いきやカードは合ってるけどサインがない、サインを復活させる、というトリック。
やや無理を感じなくもないぐらいの感じではあるけど、一応筋を通すセリフになってます。
終わってみればマジックとして成立するけど、途中でサインがないカードが出るとこの演技は難しそう。
The Checkout
小切手を使ったギャグ。
ギャグと書いてるけどちゃんと現象になっているし、見せ方も普通に面白い。
小切手でなく白紙がお札になるやつでも出来そう。とても良いアイデアでした。
Singularities
シンギュラリティー。
The Unselected
3つのサイコロを使ったカード当て。
3つ振ってもらって1つ好きなのを選んでもらい、その枚数目のカードを覚えて、使われなかった2つのサイコロの合計数の場所から出てくるというもの。
なんかややこしそうですが覚えることは意外と少なく、どのサイコロを選んだかは知らずに出来るので結構不思議。
The Bilton Diary (Tony Griffith)
日記帳バースデートリックです。
メモライズドデックを使わずそれっぽいことをする方法としてとてもわかりやすいものだと思います。
Killer Kombustion
ジョシュアジェイのインフェルノみたいなあれ。これのさらに元ネタがKenton Knepperのものらしいです。まあさすがにインフェルノが完成されすぎてはいるのですが、本作もまあミニマルにやってるように見せることに成功はしてるのではないでしょうか。
Mortality
観客の残りの人生の長さについてのギャグ。
現象にもなっていてなかなか手が込んでます。
Palindrome (Gary Plants)
4枚のAの中から観客が選んだのを当てる手品。
ワンウェイを使った古典的な原理ですが、観客に操作させる手続きがなかなかいい感じです。
The Christmas Tree Trick (Marty Kane)
タンタライザー的手続きで選ばれたカード以外がブランクカードという見せ方。クリスマスツリーというタイトルですが、なかなか皮肉な演出でおもろいです。
また、手続きの最初がカットさせるもので、単純に配り分けるだけじゃないのが不思議ポイント。
Why 2K? (Marty Kane)
Yの形に配って2とKが出てきてY2Kですよという手順。
不思議かどうかは微妙で、プレゼンテーションもあんま笑えない感じの不謹慎さ。
Face Up / Face Down Shuffles
表裏混ぜるチャプター。
Simply Shuffled
GJディスプレイを使ったトライアンフ。
カードを表向きで選ばせ裏向きで戻させることで上手い事ディスプレイできるようになっていて、セリフも面白くて良い感じです。
(Joel Givens)
スタンディングでできてなかなか説得力の高いトライアンフです。
ややスライハンドが必要でこの本の中でも難しい目ですがだからこそ面白く感じました。
Reverso (Jack Avis)
7枚のパケットで行う表裏混ぜたのが揃う手品。
一度デモンストレーションで混ぜて見せて、それと同じ動きでフォールスができる優れた手順です。
The Fantasy
スロップシャッフルを使ったトライアンフの演出例。
原案に近い演出をいじった感じで、まあ特に言うことはないです。
The Match Game
カードがマッチする現象を集めたチャプター。
Stebbin Out
カードを選んでもらってから色、数字、などとスペリングしていくと観客のカードのメイトカードが見つかります。
スタックの特性の賢い使い方で感心しました。
スペリングは日本語でも工夫すればなんとかなりそう。
Matchmaker (Lewis Jones)
2人の観客が決めたカードを合体させたカードが予言されてる手品。
仲人というプレゼンテーションが上手く手続きにはまっていて、マルチプルアウトでなかなかうまいことやってるんじゃないでしょうか。
Card Craps (Marty Kane)
7が出たら良いサイコロのゲームを1〜6のカードを使ってやりますが、めっちゃ7が出ます。
普通にサイコロ振ったらすぐ終わる話なので、恣意的な操作がとても気になる。
Deal Stopper
2枚セレクトのセイムポジション系のトリックです。
選択部分もコントロールにも特に不自然さがなく、原理も面白かったです。
Applause Card
2人の観客に1〜10の間の数字を思い浮かべてもらい、それに倣って色々やると「拍手」と書かれたカードが出現します。
ランダムに決めた数字で色々他に現象が起こるので、このオチは盛り上がりそう。
セットも意外と少なく済むので、手軽にメッセージカードを出現させたい時に便利かも。
Cards of Color
色をテーマにした現象のチャプター。
The Pattern Principle (Lewis Jones)
赤黒パターンの記憶術について。
ピットハートリングのColor Senceで使われているあれです。
Red Alert (Lewis Jones)
Pattern Principleを使った手順で、シャッフルしたデックから配られた手札の赤黒を読み取ります。
手続きも演出も非常に良く、この手の現象の中でもかなり完成度高いです。
Red Alert Two (Lewis Jones)
デックを半分にわけて、上から1枚ずつめくっていき、色が一致するかどうかを当てるバリエーション。
Red Alert Three (Lewis Jones)
上のやつの別法。
2つに分けずに観客と演者が1枚ずつ交互にめくっていき、一致してるかどうかを当てていきます。
Red Alert Four (Lewis Jones)
Pattern Principleをカード当てに応用した作品。
なるほどそういう事も出来るのか便利。
手続きはやや長いですが、観客とのやりとりを楽しめる感じになってます。
Missed! (Joe Mogar)
赤のキングの間にセレクトカード2枚を挟みますが、セレクトカードが黒のキングに変わります。
見た目的には1回のカットだけで入れ替わりが達成され、イロジカルな感じもあっておもろいトリックでした。
Cardman’s Best Friend (Marty Kane)
犬の保護施設をストーリーにしたハートフルな予言風トリック。
Topological Effects
トポロジーを扱ったチャプター。
Joking Around (Lee Asher)
リーアッシャーのトリックで、ジョーカーを破って選ばれたカードを示す形にします。
ハサミを使わず出来るのがいいところ。ジョーカーを思わぬ形で変化させるプロットも面白い。
Joking in Three Dimensions (Mark Horowitz)
上のやつのちょっとしたバリエーション。
Reconstruction
赤いカードと黒いカードをそれぞれ4つに破りバラバラに混ぜてから観客にピースを選択していってもらうと、赤4枚黒4枚ときっちり分けることができてしまうというトリックです。
破る理由もありそこでゴニョゴニョできるようになっていてとても賢い手順。
ポーカーディール的な手続きで観客の自由度も申し分なく、最後の一枚問題もこの手順ならではの方法でうまく解決していると思います。
Multiple Locations
カードをめっちゃ当てるチャプター。
Face Off
カットディーパーの手続きで複数枚カード覚えてもらって当てます。
あらかじめ複数枚選んでもらう事を言っておくから手続きにも正当性があるし、原理的にもそれで当てれるんやという学びがありました。
The Hallmark (Marty Kane)
複数人の観客に何枚ずつかカードを渡して色々やってもらう系。実は同じ枚数を渡すのですがスペリングでうまいこと誤魔化してるのが賢い。その後の手続きもそれぞれの観客の選択肢で結果が変わりそうなのにみんな選んだカードを手に残すことになります。
Hallmark Inventory (Marty Kane)
上のやつのバリエーション。
Marilyn, Carolyn, Timothy, & Sue
これも同じトリックのバリエーションで、時短&ノーセットで手軽にできるようにしたもの。
Think-King Out Loud (Marty Kane)
こちらも似たようなトリックですが、ニューデックオーダーになるオチがついていたり、観客同士がパケットを交換できたりしてマニアックな仕上がりになっています。
Going Down (Gary Plants)
みんなで楽しくダウンアンダー。
Future Foretold
簡単なセットでコントロール技法も使わず複数枚当てることができる手品。めっちゃシンプルな原理やけどうまくやればマニアにも効きそう。
Cheap Suits
スプレッドの中から4枚選んで4枚戻してリフルシャッフルして当てるというシンプル不思議な感じのやつ。
Hmmm…
少し勇気のいるフォースを使ってのマルチプルロケーション。
これやるならもう一工夫ほしいかなという感じではありますが、即興で出来てシャッフルも自由なのがメリット。
Demolition
パーシャルスタックを使ったシンプルな原理のカード当て。演出とパーシャルスタックについての考え方の部分に読みどころあり。
Three Names in the Counting (Al Smith)
タイトル通り、3人の観客に名前をスペリングして数えた分カードを持ってもらい、その中から1枚覚えてもらい当てます。
名前の分だけ数えるとこが大事なんですが、そこの演出が上手くいってるので通用しそう。
Bite Me
徹底的にシャッフルしたように見せられるマルチプルセレクション。
フルセットかつ破壊系で面倒ではありますが、セレクトカードがどこ行ったかわからないように混ぜて見せられる原理なのでマジシャン相手にもイケるやつです。
Strike Three
3人の観客のカードのメイトを出す手品。
観客のカードはシャッフルされて見つけられないからメイトを見つける的なプレゼンテーションですが、原理的には言い当てる事も可能で演じ方の幅は広そうです。
Underhand Location
Underhand Shuffleというフォールスシャッフル技法を使ったマルチプルセレクション。フォールスであればなんでも良いですが、良い技法なのでしゅうとくしておきましょう。
テーブルいらずで行える手順なので、このチャプターでは一番演じやすそう。わ
Plugging the Keyhole
2巻にBounce Controlという技法が紹介されていたのですが、それを使ったカード当てのプレゼンテーション例。
キーカードとかどんなカード当てにも応用できます。
カードを絞り込む過程で観客とのやりとりを楽しめてなかなか面白いと思いました。
Six Shooter
6枚のカードを当てる方法。
ノーセットで行える方法で、操作も変なことはさせずランダムな場所から選んでランダムな場所に戻したように見えます。良作。
Five Spot
上のやつの5枚バージョン。
そんなに大きくは変わりません。
トリックは以上。
全体的にプレゼンテーションはしっかりしているのですが、そこの好みで作品の好みも分かれる感じでした。
作品数は多いですが似たようなトリックや知らん人から見たらあんまり変わらんバリエーションもちらほらあり、もうちょいうまいことまとめてくれると嬉しい。
10作選ぶとしたらこんな感じです。
The Deck Will Tell
Prime Location
The Checkout
Palindrome
Handy Triumph Display
Reverso
Red Alert
Missed!
Reconstruction
Bite Me
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