2018年にもなってようやくファローシャッフルができるようになって、今までスルーしていたファローシャッフルを使った手品を色々と見直していたところ、よく名前が出てくる本なので読んでみました。
読んでみましたってさらっと書きましたが、英語なので両手両足に辞書を持って読んでいたら「ここで4回ファローシャッフルをして」みたいなところでは一旦両手両足の辞書を置いてトランプを持ってファローシャッフル、あれ今何回やったっけ、またごにょごにょ戻して1からやり直しとかを繰り返して71ページの本を読むのに1ヶ月以上かかりました。
でもまあピットハートリングやデニスベアも引用してるし、これだけファローシャッフルのことがまとまった書籍も少ないので読んでよかったです。
目次はこんな感じになります。
Less Than 52
With Two Cards
For 2 Cards At Undetermined Positions
The Faro Calculator
The Chain Calculator
The Left Over Faro Shuffle
Shuffling The Aces
Placement Shuffle
Control Of The Aces
An Out Shuffle Effect
Progressive Miracle
New Deck P.M.
76 76 67 67
The Memorized Stack
Fingertip Miracle
Full Deck – Five Faro’s
The Reverse Or Backward Faro
A False Shuffle Combination
The Wrong Hand
It’s Mathematical
Alternative Procedures
Two Disclosures
Automatic Placement
Variants On Automatic Placement
Faro Foolers
Uses Of Partial Faro Check
Exact Placement
Instant 26th Location
The 17th Location
The 13th Location
Wrong To Right
原理と手順半々ぐらいの感じです。
何か原理を解説、それをこう使いますみたいな流れ。
基本的にはマジックに使うためのファローシャッフルということで、ややこしい数式は出てきません。
メインは何回インファロー/アウトファローすれば何枚目のカードが何枚目にくるとかそういう話ですが、頭の中でなんとかなる範囲のものばかりです。
ちなみに表や写真や図もないです。
1枚のカードのコントロール法や簡単な式は知っていたのですけど、”With Two Cards”、”For 2 Cards At Undetermined Positions”は2枚のカードをファローシャッフルでコントロールします。
“For 2 Cards At Undetermined Positions”は手順の中で枚数を把握する箇所があって面白いです。
ただ、さすがにこれはファローシャッフルだけでなんとかならなくて、途中でカット使って枚数調整が必要なのでそれやったらカットでコントロールしたらええやんという言葉が出かけつつも、面白く読みました。
まあでも結論してはコントロールに使う技法ではないなという感じです。
リフルシャッフルしてる動きでさーって見せるやつが出来ればいいんですが、コンコンしてにゅるんだとファローモンスター必至です。
マルローがファローシャッフルしてる映像をみてもコンコンしてにゅるんでしたし、本人もそんなに何回もかかるようなやつはショーでは使ってなかったんじゃないでしょうか。
この動画の2分ぐらいから。1回のファローに20秒ぐらいかかってます。
一方、セットや全体のコントロールにファローシャッフルの原理を使うものは実用的で不思議です。
“Progressive Miracle”はカードを選んでもらって好きなところに戻してもらってからそれを当てます。
ちょうど似たようなこと考えていたところなのでとても参考になりました。
“76-76-67-67″は確実に表裏混ぜたように見せれるトライアンフができますし、”Fingertip Miracle”は3人が覚えたカードの位置をシャッフル後に言い当てることができます。
“The Wrong Hand”はシンプルな即興ポーカーデモンストレーションで、Aだけをコントロールしてるかと思いきやストレートフラッシュも出てきたみたいな現象です。
こんな感じで、カード全体の並びをコントロールできる現象だとファローシャッフルのコストパフォーマンスも上がってくると思います。
“It’s Mathematical”というのも非常に面白い原理を使うカード当てで、知らなければかなり不思議に見えるはずです。
ファローシャッフルを繰り返して好きなタイミングでシャッフルを止めてもらって、そこから好きなカードを取るという手順なので、デックの並びを覚えてるという可能性は消せますし、観客が飽きたら止めれるわけでファローシャッフルの繰り返しも間延び回避できます。
本の後半は複数枚のカードのコントロールについて色々書かれていました。
このあたりもやはり実演向きではなく、こういうやり方があるというぐらいにしか読めませんでしたが、1回ファローやった時にカードがどう動くかというの複数枚でもイメージしやすくなりました。
クリンプやファローチェックを使う方法は結構何かに使えそう。
1958年の本ですが、知らない原理もたくさんあって面白かったです。
やはりファローシャッフルを複数回使う手順をやる気になれませんが、頭良い人はそれを退屈させずに見せます。
ガートナーの”Unshuffled”はわかりやすいですし、ピットハートリングやデニスベアの使い方もマジで賢いです。
シャッフルするごとになんか起こるか上手く分散させるか、それ自体が何かの演出になってるかって感じでしょうか。
ランダムに混ぜたように見せるならタマリッツのあれとか使うと良さそうな手順もありました。
ファローシャッフルってマニアからしたら原理!!!って感じが強すぎるので、こんなん何に使うねんみたいなこと色々覚えておきたいものです。
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