High Caliberは2013年に出たジョンバノンの作品集で、レクチャーノートや雑誌投稿ものなどをまとめて1冊にした鬼大作です。
その完全日本語版がついに出ました出てしまいました。
翻訳は日本一信頼できる手品本翻訳者の富山達也さん。この組み合わせが決まった時点で勝利を確信しましたが、予想以上に良かったです。ぶっ飛ばされました。名著。以上。他になんも言うことないです。
現象は非常にわかりやすく意外性があり、終始観客の意識をコントロールする巧みな構成で固めて、動きは必要最低限。
この本読んでると忘れるぐらいですが、わかりやすくて意外なトリックって結構難しいことで、そこをすんなりやってんのが凄いです。
表は意外性が目的化しすぎてない感じで進んでいくから見やすいですし、裏は賢いだけではなくズルくて大胆というのが全編に展開されています。
合本であるのは面白いところで、その本によってテーマや方向性が違ったりしてますし、似たような現象を扱っていても印象がコロッと変わるのを1冊で楽しめて良いです。
例えば4カードブレインウェーブや、パケットトリックでツイストからの裏表変化オチみたいなのは複数解説されてますが、微妙な変数の違いでイメージはかなり異なり、何をどう見せるのかってとこを比べて読むことでより明確に意図を汲めるのですね。
難易度的にも練習が必要なものからセルフワーキングまで幅広くあるのでカードマジック好きなら誰でも楽しめる一冊だと思います。
バノンはこの後Destination Zero、Mentalissimoとノースライト方向の作品集が続くので、なんでもありのバノンが拝める本は今のところこれが一番新しいです。
なんでもありと言っても極端に不自然なことをすることはなく、単純なカウントの繰り返しや必要悪的な素早い動きもありません。
セリフや状況説明もミニマムで、現象が起こる中でそれとなく全体像が示され意外なクライマックスに向かいます。
全部見たわけじゃないのにそう思ってしまう視覚的な説得力はバノンの得意技ですが、パケットトリックだと特にその効果も強いです。
セリフに紛れる嘘の使い方も非常に巧妙で、技法の強さで誤魔化せる部分は核心に触れず、そこで嘘ついてもしゃあないやろみたいなタイミングでギョッとするような一言が飛び出しそれも流れます。
あらゆる状況において動作や言葉の意味が複数あり、ネタは追いやすくタネは追えない理想的な作りの中でエンディングの伏線が張られていくのは気持ち良いもんです。
観客の想像を逆手に取る件を「柔道のマジック版」と表現されていましたが、相手の力を利用することよりも実際に食らったらめっちゃ痛いってあたりがとてつもなく柔道的だと思いました。
色んな要素で成り立っているトリックばかりなので、本で学ぶ意味がめっちゃあるってとこは特筆しておきたいです。
ダウンロードなんかもあって今や圧倒的に映像が主流な手品界ですが、そんな時代だからこそ細部にまで踏み込んだ本を読んで気付くことも多いです。
バノンの本は細部の重要性そのものにハッとさせられますし、狙いや意図についてもねっとり語られるので良い感じに脳汁出ます。
割とバノンの作る手品には賛否両論あるものも多いので、そういう引っかかりを楽しむのも良いですね。
それはさすがにあかんやろみたいなものは実際に試してみて、なんでこれが成立してしまうのかという手品の本質的な部分を考えると、矛盾がないことや見えないように何かをすることだけが正しいわけじゃないことがわかります。
ガスタフェローのOne Degreeの序文をバノンが書いているのですが、そこで映画評論の話と絡めてマジックも総合芸術であると言っていました。
バノンはそれを体現している人で、トリックから演出まで全ての要素に妥協がなく、何かを変えてどこかに支障が出てもそれを補う過程でより強い化学反応を起こしてしまいます。
別に小難しい内容ではなく、変な現象を愉快に起こしていく中で手品の根源的な何かを体感させてくれるのがまた凄いところで。
日本人の読者としては富山達也さんの翻訳の最高っぷりにも言及しておかないといけません。
いつも通り翻訳であることを感じない自然な文章で作品に没入することができ、親切な注釈もありがたく、重要なセリフの日本語への置き換えも的確で、小説風パートの雰囲気なんかも見事に捉えられていて、これ以上はちょっと考えられない感じです。
何度でも読み返したくなる本ですし、これ級の名著になると何十年後とかにも読まれるわけですから、この安定感(作品チョイスも含めて)は日本手品界が讃えていく必要があります。
そんなわけでとても良い本で、世間的にも良いとされていて、たぶん誰が読んでも良いと思う本について良い良いとだけ言うあほに思われることを恐れず、軽くではありますが各パートごとに紹介していきます。
Fractal Card Magic
フラクタルはエンドクリーンで改め可能というバノン用語で、ここではそんなパケットトリック二作品が解説されています。
“The Royal Scam”は何枚もの同じスペードのAを使ってツイスト現象を起こしたあと、4枚は裏の色が変わって残りは表が変化してロイヤルフラッシュになる現象です。
非常にリズミカルで無駄な動作がなく、最初にカウントで裏の色を示さなくても全部同じ色に見えるのが素敵です。
「裏の色なんて見せなくても同じ色だと思ってもらえる」という話とはちょっと違って、現象が起きてる中で確実に全部の裏と表を見た気になります。
一部技法に好みは分かれると思いますが、同一カードを使う場合であればさほど気になりません。
売りネタにもなってる”Duplicity”は”Twisted Sisters”のエンドクリーン版。
本人もどっちが良いとか悪いとかいう話じゃないと言ってますが、確かにどこに魅力を感じるかの話です。
エキヴォックやこの現象の見せ方については非常に読み応えがあり、DuplicityもTwisted Sistersも知ってる気でいましたけど何もわかってませんでした。
また、この手のネタで度々議論になる最初にカウントをして見せるべきか問題についてもバノンの解釈が書かれていたり、テーブルを使わないストリート版のハンドリングなどにも触れられていて、手法だけ知ってる人の方が目から鱗がボロボロ落ちるかと思います。
Six. Impossible. Things.
2009年のレクチャーノートで、一風変わったカードマジックが解説されていてどれも面白いです。
複数のトリックをルーティンとして繋げて演じられるようになっていて、終了時の状態を活かしたリンクのさせ方はもちろん、ある形に目を慣れさせておいてそれを伏線にしれっと誤魔化したりと悪巧みの限りを尽くします。
“Watching the Detectives”、”New Jax”、”Full Circle”は4Aとサンドイッチカードの流れでこれがまあ見事です。
サッカートリック風の演出が続きますが、「失敗したとおもわせてー?」みたいなやらしさがなく、予定調和感もないのに意外なオチに持っていけてとても好みでした。
Searcher型のサンドイッチカードと思いきや…のWatching the Detectivesとかマジ最高です。
Dear Mr. Fantasyでも展開された原理を使う”Origami Poker Revisited”もめちゃくちゃ良くて、観客が自由に決める部分が大半なのでかなり不思議に見えます。
ノーセットからスタートしてメモ通りに積み込みしてどんでん返しのある”Riverboat Poker”というポーカーデモンストレーションも変わってて好み。
“The Einstein Overkill”はめっちゃ不思議なストップトリック的な何かで、これはビジュアルにはほとんど頼らず言い張る勝負なので演じるのは結構難しそう。
Open and Notorious
これも2009年に発売されたレクチャーノート。
オープンプレディクション2作とバノン風ミラスキルの3作品が解説されています。
オープンプレディクション2作は大きく分けて2つある解法をそれぞれやっていて、”Fifty-One Fat Chances”はノーセットで予言の紙やカードも要らず、演者はデックに触りません。
その分やや抵抗のある手法を使うことになるのですが、前半については演出上特に問題なし、後半はそれでもちょっと拭いきれない何かがあります。
ここは小説風の書き口で、「私」も大半の読者が感じるであろう不満を口にしてバノンさんに説得されるんですけども、個人的にはまだ納得しきってはいません。
しかし演者がデックに触らず現象起こせるのは非常に魅力的であり、試してみたいとは思います。
あれは割と食わず嫌いだったりするので、食べようという気にさせてくれるだけで嬉しいものですね。
“Que Sera Sera”の方はImpossibiliaとSmoke and Mirrorsの中でも使われた例の手法をオープンプレディクションに応用します。
読んでて「これってああした方が良いのでは?」みたいなこと考えてたのですが、補足であっさり論破されました。浅はかでしたすみません。
ここで書かれてるのはむっちゃ大事なことで、フェアに見せようとする時に整合性を取ることが全てではないというような話です。
ノーセットから連続で予言できるタイプのミラスキル”View to A ‘Skill”はかなり良いです。
予言はどの程度連続させるのが良いかとかどういう組み合わせがいいのかというあたりにまで触れられていて、確かに解説されてる流れはとても綺麗。
あの仕分けパートの見せ方も作業感をなくしていて、こっそりなんかしなくて良いほとんど完璧なミラスキルだと思います。
Mega‘Wave
2010年に発売されたレクチャーノートで、これは富山達也さんによる日本語版も出てます。
パケットトリックが7種類解説されていて、そのどれもがフラクタルです。
表題作の”Mega‘Wave”は2パケット使う4カードブレインウェーブで、片方のパケットはバンドで巻かれています。
この小道具一つが色んなところに効いていて、見た目的にもキャッチーだし不可能性も高まるしパケット同士の接近の気にならなさが凄いです。
これによって片方のパケットは最初に4枚のクイーンであることを示すことができ、フリーチョイス化にも成功しています。
プレゼンテーションも面白く、オチはブランクカードではなく文字を書き込むのですが、これもめっちゃ気が利いてます。
全部の仕事が完了してからの詰めっぷりはさすがって感じで、あっちを立てればこっちが立たずなプロットを演出含めて理想的に解決してるんじゃないでしょうか。
“Fractal Re-Call”はレギュラーデックだけで出来るギャンブラー vsマジシャンのパケット版みたいなやつ。
アッシャーツイストのこういう使い方あるのに気付くあたりがバノンですね。
動きとしては同じなのに全く別の意味を持たせるのマジすごいっす。
Slugというパケットスイッチの考え方もおもろいです。
The Royal Scamのセルフ改案である”Short Attention Scam”は元ネタからツイストパートをごっそり省いたもの。
「45秒間のお祭りみたいなマジック」という通りさくっと9枚のカードが変化します。
ツイストの中で行われていたサトルティの代用も鮮やかで、例のカウントが苦手ならこっちという感じです。
“Fractal Jacks”はフォールスディールを使わないフォージャックディール。
4枚のジャックを交互に配っても全部マジシャンの方に来るみたいな現象ですが、パケットにすることで観客がネタを「想像」しやすくなり、それを利用してオチに持っていける構成です。
フラクタルにこだわる意味のあるパケットトリックで、観客の思考をうまく誘導できれば途中の技法にも意識がいかないでしょうし素晴らしいですね。
赤のクイーンの間に挟んでたカードが黒のカードの間に移動する”Wicked”も、2段階目のフェアさから予想を覆すオチに持っていけて見事。
Bullet Party
2011年のレクチャーノートでDVDも出てますね。DVDの方は他の本のネタも入ってて2010年付近のベスト盤的な感じです。
表題作の”Bullet Party”はめちゃくちゃハマりました。
変化形のパケットトリックの中ではこの本の中で一番好きです。
ツイスト現象からの変化って意外と膨らませ方が難しかったりしますが、ちょっとの工夫でめっちゃ綺麗に仕上がってます。
エースアセンブリは3種類それぞれ違った志向のものが解説されていて、ブラウエアディションを使わないシンプルな”Four Shadow Aces”、枚数ごとトランスポジションするような”Flipside Assembly”、はったりゴリ押しでバックファイアする”Big Fat Bluff Aces”とどれも変で面白いです。
Four Shadow Acesで使われてる手法はめっちゃええですね。さりげない動機付けも自然でアセンブリにぴったり。色々これでなんとかなりそう。
レナートグリーンのエースが手元に残るあれを低負担で実現した”Drop Target Aces”、箱に入れたカードと選ばれたカードのトランスポジション”Box Jumper”は基本的な技法のみで行われますが、絵面的には非常に説得力があって、技法だけじゃなくいちいちディスプレイにこだわられてるのでそのあたりが読みどころ。
Benzais Spin Outの代用として紹介されているFallout Moveってのもよかったです。
Smoke and Mirrorsで異彩を放っていた”Fat City”にまさかの続編、”Fat City Revisited”は普通のサンドイッチカードから繋げられるようになっていて、ハンドリング的にも改善されました。
前半のサンドイッチパートも普通に良いですし、Fatフェイズも一工夫加わり意外性がプラスされてます。
シャッフルされたレギュラーカードで観客が見ただけのカードを質問せずに当てる”Question Zero”はこの種の現象ではバランスが良く、限定的にしか見てないことを曖昧にする作りはさすがという感じ。会話のステアリングスキルというか、無茶じゃない範囲で話逸らすのは日常生活でも役に立ちそうです。
自由に選んだ中から見て覚えて戻してその中から飛び出てくるんだから全部の中から覚えたも同然。
当てるんじゃなくてどこからか出てくるってのも質問しないスタイルともあってますし、メンタルに寄りすぎないことで逆に不思議さが上がってる気がします。
Triabolical
リアムモンティアーとの共著。2011年に出てます。
共作の”B’rainiac”は4カードブレインウェーブで、選ばれたマークが表向きなのを見せて他がブランクなのを見せた後、他のマークが選ばれたらどうだったかという感じで3枚のエースを見せ、それぞれ裏の色が違ってましたみたいなオチです。
さりげないあらためは効いてますがやや重たい印象はあり、前半のメンタル的な現象をボケさせないように見せるのも難しそう。
序盤とオチがあんまり食い合わせよくない気がして、それなら単純な変化として見せたい感じします。
そんなわけなのかなんなのかバノンの”Short Attention Spin”にはメンタル要素はなくすっきり仕上がってるように見えました。
カードは変化してるだけなんですけど色んな現象に仕立ててるのも楽しいあたりです。
「仕掛けのあるカード」という言葉の使い方についての話も面白いすね。やらしすぎない感じ。
モンティアー作の”Montinator 5.0″は裏にカードの名前を書いた状態での4カードモンテ的な何か。
クイーン1枚とジョーカー3枚でスタートしますが、裏に書いてる文字が3枚クイーンになって表もクイーン、ジョーカーって書いてるやつもクイーンになるみたいな現象です。
現象は魅力的なんですが、モンテであのディスプレイ使うのそんなに良くない気がします。
モンテだとバノンが言うところの間違った方向に誘導する以前にフェアさに欠けますし、なんかこう便利な技法が前に出すぎな感じが。
たぶん同じ手法を使う他のものと比べてしまうからそう思うってのもあるんですけど、手つきとプロットがマッチしてなくてオチのひっくり返しが前提になりすぎに見えます。
なんかミステリーで微妙に怪しいやつが実際に犯人で、その微妙な怪しさの答え合わせをしていくのがクライマックスみたいなあの感じ。
One Off
ピーターダッフィーのCard Magic USAで解説されてる”Aces Over Easy”は4エースの出現、また元に戻してリバースで出現という流れ。
ここまで来ると当然という感じがしますがリバースフェイズでハーフパスは使いません。
バノンお気に入りのグレーゾーンを白にしてしまうあれがよく染みてます。オフビートもあるしこれは強いですね。
“One of the Better Losers”はテキサスホールデムでとっつきにくさはありますが、シャッフル状態からの積み込みの過程が気持ちいいです。
Dear Mr. Fantasyで解説されてたスタック法も再喝されています。
All In
Magic Magazine 2012年2月号のバノン特集で解説されたトリック集。
クロックトリック的な”Chronic”はこの本の中でも屈指のやらしさで惑わしてくれます。
だってバノンさんSmoke and Mirrorsでえげつないクロックトリックやってたし、それはずるいですよ。
しかしこの品の良さを保ったままブラフかます塩梅は本当すごいですね。
ニヤニヤせずにできるよう頑張りたい所存。
スーパー最高なのが2枚のトランスポジションである”Buf’d”で、元ネタはDan & Daveの”Hedbergs Peak”なんですが、それぞれの解法にお人柄が出すぎていてそれだけで面白いです。
セットも覚えやすく、ゴミのリサイクルの2段目もコンセプトをぶらさず綺麗に終わってて見事。
この本の中で唯一カードマジックではない”Ion Man”は名刺とコインを使った予言手品。
3枚のコインから1枚選んでもらって、その裏表まで予言されてるというものです。
極端なアンラッキーパターンもなく、色んなパターンを用意しているとは思われない道具立てが素晴らしいです。
“Origami Poker Revisited”はSix. Impossible. Things.のと同じですが、レギュラーだけでできるものをパケットトリック化することについて「私」に語っています。
小説風のとこでよく指摘されるであろうことをバノンが手ぐすね引いて待ってる感がとても楽しいです。
すっかり影響を受けてしまい、せっせとパケット作り始めました。
ちょうどいいのでここで触れておきますが、この本で解説されてるパケットはレギュラーデックとブランクフェイスがあれば作れます。ダブルフェイスもダブルバックもラフも必要ありません。
いくつか併用できるものもありますが、Aは裏の色違い含めて結構必要です。
レインボー作るのに他のデック崩したくない場合はエキストラでついてくるダブルバックとかをピーリングしてバイシクルの裏も剥がして貼るといいですね。
うちは足りてるのか足りてないのかよくわからないデックがたくさんあるので逆に困りませんでした。
あとMag-7用の同一カードがいるぐらいで、ブランクフェイスさえあればどうにかなります。
ノーセットのレギュラーだけで作れるやつ除いて全部作るとこんな感じです。
パケットケース的なもんが家になかったのでついでに作りました。
シングルパケットの場合は開くタイプじゃない方がええかなと思って2つ使うやつとは別にしましたがまあまあ便利。
知り合いにはお前はそんなもん作ってる暇があったらカウントの練習しろと言われそうですが。
–
Shufflin’
2012年のレクチャーノート。
バノンのサイト見るとレクチャーノートに分類されてるのはこれだけみたいですね。
“Spin Doctor”は裏色違いオチのツイスティングエーセス。
ハンドリング的にちょっと気にならないこともないですが、エンドクリーンでポケットも使わずこの現象は素敵すぎます。
途中の消失と移動のパートとか凄い好き。
なにそれそんなのあるのっていう”Bannon Triumph”は”Play it Straight”のことで、みんなあれのことはバノントライアンフと呼べということらしいです。
そんな言い方してる人が見たことない!
皆さん今後はちゃんとバノントライアンフと言いましょう。
バノントライアンフって意外とちゃんと解説読んでないって人も多いと思うので日本語で学べるのは嬉しいですね。
バノントライアンフバノントライアンフ。
“Fractal Recall (Remix)”はMega‘Waveのと同じですが少しセット法が違います。
ちょっと手間ですがどうせ手間なのでこうした方がいいかもしれません。
“Origami Prediction”はシャッフルさせたカードの状態を段階的に予言するやつ。
折った紙を広げていくのじゃなく別の方法で段階的に見せてるのですが、理屈も含めて納得度は高かったです。
終わりがはっきりするってのは大事なものですね。
例の原理の使い方としてもとても有効で、エースが出たりロイヤルフラッシュになるより「どうやってもそうなる」という感じが薄れる感じがします。
補足で解説されてる最初にリフルシャッフルさせるバージョンはかなりいかついです。
最初にリフルシャッフルしてもらって最後に折り紙してもらうわけですから、オセロだったら最初から最後まで観客の意思による状態になるわけで、オセロじゃなくても演者でもそう感じられると思います。
そんなわけで2回目になりますが名著、以上です。
今年新しく読んだ中ではぶっちぎりで一番おもろい本でした。
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