by jun | 2019/06/17

82年出版のThe Complete Works of Derek Dingleの日本語版。
リチャードカウフマン著、東京堂出版、角矢幸繁さん翻訳という座組みです。
コインとかタバコとか輪ゴムの手品も載ってますが大半がカードマジック。

全体的な特徴としては現象のインパクトを重視したものが多くクラシックにもう一オチあったりしますが、それが蛇足なことも少なくありません。
たぶん見たらおーおーってなるんでしょうけど、後を引くような不思議さは後退する気がします。
これってあんまり他のカード見えないじゃん?ということは?カラーチェンジングデックがー?できー?るーーー!イェーイ!ぐらいのノリのやつはまだ楽しいのですけど、2回カラーチェンジするよ!デックスイッチして最後は余計なのをラッピングすれば手渡しできるよ!みたいなやつは謎プロットに取り憑かれすぎててちょっと怖いです。

マジシャンに見せることを想定して作られてる作品も多いので、どうすれば皆さんご存知のテーマで皆さんを驚かせることができるかという執念のようなものは読んでて面白いあたりではあります。
100個ぐらい解説されてるんで全部読めば誰かの何かの参考になるはずですという適当な勧め方をするしかありませんが、当たりは結構でかいし総合的には微妙でも手法や考え方自体は今読んでも斬新に感じるとこも多いです。

たぶん買って全部は読んでないって人も多いと思いますけど、まあとにかく読み辛い本ではありますよね。
リチャードカウフマンらしく先に現象を書かないスタイルで、せっかくおもろい現象なのにそこでワクワクさせず淡々と手順が書かれています。

「デレックが○○年に発表した◻︎◻︎は多くの改良がされてきました。
デレックお気に入りのこの手順は今まで発表されたことがありません。お読みいただければその素晴らしさをわかってもらえると思います。
デックをトップから裏向きのなんとか、表向きのなんとか・・・・・・とセットして…」

みたいな感じで、何のための何なのかが分からずセットしたりカード動かしたりするの大変辛いです。
手順の中で使う技法の詳細が丁寧に書かれていて参考になる部分も多いのですが、目的が先に書かれてないことが多くて寝ます。
まあ映画ベストキッドでも無意味に思えた運動の一つ一つが実践向きのトレーニングになっていたりしたし頑張りましょう。

タネがさっぱり分からないカードの飛行! (Card Across – Licked at Last! )

愉快な日本語タイトルについては突っ込んでたらキリがないのでスルーの方向でいきたいと思いますが、最初は封筒を使ったカードアクロスです。
2つの封筒に10枚ずつカード入れて13枚と7枚になります。
移動するカードはサイン可。
準備は必要ですが封筒もカードもレギュラーで手渡し可能。
ディングルはカードより大きいものの下でコソコソするのが好きらしく、これは現象的にもわかりやすくワンクッションあるので巧妙です。

気賀康夫風カードマジック (a la Kiga)

4枚のJを使うと言って3枚まで見せるけど4枚目は2のカード。他の3枚を見ると2に変わってるという現象です。
立って演じる方法はかなり微妙で、この手のパケットトリックで全く観客に見せないカードをパケットに入れないといけないのは分厚く見えるだけでかなり辛いですね。
座って演じる方法は処理できる分カード構成もハンドリングもすっきりしてて、パケットならではの4枚しかなかったのに感がよく出てると思います。
座ってやるパケットは最近興味あるのでちょっと練習中。
気賀康夫さんの何なのかが詳しく書かれてないのがアレ。気賀さんが1970年代に演じられてたそう。

DDダブル・リフト (The DD Double Lift)

クルンと回してパチンするやつ。
不自然がどうというより、なんか変にデックからカードが離れるのがあんまり。
この本これ以降は「DDダブルリフトを行なって」と書かれてますが、パケットとかだと特に流れ的におかしいのも結構あります。

2次元の多面体 (Quick D-way)

3枚とも観客のカードになって、その後全部裏になって、観客のカードがなくなるというやつ。
ディングルの技法を使うことでクリーンで最高の手順になってるとカウフマンさんは言ってますがどないでしょうか。
まず最初に3枚のカードを出す時にデックを後ろ手に持って抜き出すという時点でクリーンさは大幅減だし、パケット内でいちいちDDDするのも結構アレな気が。

銀貨の飛行 (Silver Quick)

4枚のコインの移動。
観客の手に移動するやつで、最後の1枚の前に観客に枚数を数えられそうになった時の対処が書かれていて、あれの扱いもよくわかってなかったし、すっきり手順なので今読んでも参考になる部分ありました。

立って行うテーブルを貫通するコイン (Standup Coin Through Table)

銀貨の飛行の応用というか、立って行う分フェアに示すところができないしこれならわざわざスルーザテーブルやらないかなーという印象。

ホフジンサーのボトップ・チェンジ (Hofzinser BoTop Change)

できると便利な右手のカードとデックのボトムカードをスイッチする技法。
マルロー流と違って注視されてもできる!が売りですがその分動きは大きく、何もしてないように見せるには向きません。
箱動かしたり観客の手をどうにかする動きの流れならこれでいいかもです。

変幻自在なカード (The Universal Card)

ジョーカーが3人の観客のカードに変化するユニバーサルカード。
たまにこういう同じ技法を繰り返すだけのがあって、さすがにこれはきついと思います。
面白いのはギミックバージョン。
手順はちょっとややこいけど作ってみればだいたいどういうことをすればいいかわかります。
ただまあ同じカードがガチで同時に見えるアレ感というのはあって、おもろいけど普通のトランプではないわなと思われて萎えさせてしまうのは避けれんかなと。

カードの幻影 (Apparition Too)

白いカード→縁だけ書かれたカード→ちょっと色がついたカード→選ばれたカードと徐々にカードが現れていく現象。
この3連続チェンジをどういう構成で見せるのかなーと思ったらこれも同じ技法の繰り返し。いや確かに便利やけど。
あのスイッチは確かにビジュアルなチェンジに使う方がおもろいのかもしれませんが、ギャフの絵面パワーに頼りすぎた手順ってどうもやりがいのなさを感じてしまいます。

魔法使いの巻きタバコ (The Sorceror Strickes)

紙からタバコを、空のマッチ箱からマッチをというよく出来た手順です。
タバコは消したり出したりよりもなんか上手い演出で出して終わるぐらいが丁度いいかなと思うこの頃。
タバコとマッチ出したら流れ的に火つけたいけどご時勢的にはマッチだけでも上手く消せると綺麗な流れができそう。

ギャンブラー対マジシャン (Cut Off)

いわゆるギャンブラーvsマジシャンの手順とはちょっと違ってて、マジシャンとギャンブラーが交互にカードを出していって、マジシャンはK、ギャンブラーはAを出すものの、ギャンブラーのカードは違うカードに変わっててAは別の場所から出てくるみたいな手順。
Aと変わるカードが適当なカードだからノーセットでスタートしやすいのがいいとこですかね。
話的にも結構おもろいと思いますし、別の場所からA出せるからマジシャンとギャンブラーの対比も綺麗かなと。

エレベーター・カード その1 (Elevator One)

A〜4を使うエレベーターカード。
ひっくり返ったりして楽しいけど、構造的にエンドクリーンにするために最後の4を繰り返さないといけないのでちょっと長く感じます。
1枚のカードで繰り返すなら最初から4枚も要らんやろという気が。

ネスト・ボックス その1 (Nest of Boxes 1)/ ネスト・ボックス その2 (Nest of Boxes 2)

DDペーパーフォールドという紙からコインを抜く方法とネストボックスの手順2つ。
最初から箱を出しておけるハンドリングです。
ポケットに手突っ込むタイミングにもう一工夫欲しいかなと思ったりしますが、まあ箱出しておけるのでそこはいいのですかね。

ワイルド・ムーブ (The Wild Move)

3枚のジョーカーの間に2枚の別のカードを挟むとジョーカーに変わります。
挟んだとこ見せたあとカウントするのがどうももっさり見えてしまいますが、カード構成とカウントの組み合わせでおーーという感じはあります。
しかしワイルドカードは長すぎてもダレるし、わざわざパケットケース出してきて短すぎても物足りない感じがしてしまいますね。

愉快なまやかし (Delightfully Deceptive)

これもワイルドカード。
レギュラーデックから抜き出してスタートするタイプですがギャフ使用。
最後は裏の色まで変わります。

DDのLJワイルド・カード (DD on LJ’s Wild Card)

ラリージェニングスのネタをディングルが改案したワイルドカード。
これは完全レギュラーで行うバージョンですが、ジョーカー8枚として見せるとこからスタートするので、デックに8枚ジョーカー入ってんのはおかしいということで、レギュラーからパームしてポケットから取り出すというそれなら最初からポケット入れとけよという感じの出だし。
いや即席でやりたいのはわかるけど…

即席版ワイルド・カード (Impromptu Wild Card)

これは8枚の赤いカードがKとQに変わる本当にレギュラーからレギュラーで終わるワイルドカードで、普通に良い手順だと思います。
一部ワイルドすぎる処理とかありますが、この手のって上手くやればかなり効果的でエンドクリーンの対価としてはコスパ悪くないんじゃないでしょうか。

ジプシーの呪い (The Gypsy Curse)

ジプシーカースの改案。
変化を一気に見せるんじゃなくモンテ風の手順の中で徐々に当たりのカードが増えていく見せ方にしています。
ちょっとジャズエーセス感がありますが、裏向きでカウントするとこがないのは好印象。

露見 (Outflushed)

ストーリー風のギャンブル手順。
相手のカードを1枚ずつ配る度に、こっちはもっと強い役じゃないとダメだ!とカードを変化させていきます。
面白いプロットで、もうちょいどうにかならんのかと思うようなとこもありますがまあそうするしかないよねという感じ。

ギャフ使ったバージョンは分厚さ問題は解消されててかなり良いと思います。
自分好みにいじり甲斐のある手順です。

超音速の「ポケットに通うカード」(Supersonic Spades to Pockets)

スペードのカード10枚が1枚ずつポケットに移動するカードアップザスリーブ。
途中で肩のとこで止まったりする楽しいあれもあります。
あんまりこのプロット知ってるわけじゃないんですがズルくて綺麗な解決じゃないでしょうか。
まあ10枚は多すぎとか最後の1枚がなーとか色々思うとこもありますが、普通に好きな手順です。

そんなに言うなら、ツイストしようか?(We’ll twist-If you Insist)

よくネタにされるこのタイトルですが、現象が積み重なっていく手順を考え直すいいきっかけだと思います。
実際問題として、ツイスト現象の後に裏の色が変わることに理屈つけんのはちょっと難しいですよね。ということでもう少し演出面の話があればなーと。
エンドクリーンじゃない件に関してはこれぐらいならという気はしますが、カウントの後に全く意味なくカード動かすのがちょっと。

パスについて (On the Pass)

パスについてです。
パスを行うデックのコンディションから語られていて、確かに最近あんまこういう話聞かんなっていうのもあって上手くなりたい人には参考になる部分多いんじゃないかと思います。
完全にカバーせずかつパケット移動を見え辛くする指の位置なども紹介されており、1日100回を1年以上という気合いでカバーする方法も解説されてます。

解説されてるのはリフルパス中心。
確かにディングルと言えばリフルパスの印象あります。
自分が見た映像の範囲だとシークレットコントロールというより弾くと移動するみたいな見せ方が多かったからかも知れませんが。
「静かなパス」として、角度やパス以前の両手の動きなどにも触れてるのでパッサーにはなんか参考になるはず。
「静かなハーフ・ジグルパス」というのが上手い人がよくやってる方法な気がします。

銅・銀・真鍮 (Copper Silver Brass)

CSBです。
銀と銅とチャイニーズが2枚と1枚で入れ替わるやつ。
「静かなスチール」というハンドリングが紹介されていたり、セリフのタイミングについての解説があったりと丁寧な解説。
ポケット使うのはなーというのはありますが、調べてもらってから始めて終わってから調べてもらえる構成は嬉しいですね。

ふるいにかけられたエース (Riddle’s Aces)

ギャンブラー vsマジシャン的な手順。
4枚のAを取り出してそれがKに変化、Aは財布の中から出てきます。
表向きのセットは不要ですが、ややリズムを欠く手順なのであれする時もさすがに3枚目ともなると違和感出そう。
あとギャンブル演出じゃないと裏向きに置く意味がそもそも弱いからその辺も辛いですね。

驚異の素早く見つけ出すエース (Ace Stounding)

日本語タイトルがバグってますが、トライアンフ的な現象でA出すTopsy Turvyです。
やや強引でイロジカルな方法が使われてますが、あれ系のトライアンフに使うのに結構良いサトルティで参考になりました。
特に素早く見つけ出すことはなく、表裏バラバラに見せながら出してくので錯覚も強いです。

ブラフ・シフト (Bluff Shift)

複数枚のコントロールです。
あんまり使う人いないかもしれませんがとても良い方法だと思います。
差し込んでからなんか抜いたような動きがないので上手くやればとても自然。
4Aのコントロールとして解説されてますが演者がカードを見ないようにもできます。

ひらけごま2 (Open Says Me II)

バラバラに入れたAを1枚ずつ取り出すやつ。
ちょっと観客も参加するし普通に楽しい手順ですね。
4枚目のデックで穴みたいなやつ作って片手で取り出すやつ好き。

フェクター・カミングス・ディングル・エーセス (Fechter/Cummings/Dingle Aces)

ファローで噛み合わせてから行う変なプロダクション。
ぴょんとカードが立ちます。
後のロールオーバーエーセスとかもそうですが、この手の動きのやつは知らないと結構オッてなりますね。
やってても気持ちいいですが、ぶっちゃけ普通に人差し指使って立てればいいよなという気も。

新・2回色変わりをするエース (New Double Color-Changing Aces)

カウフマンがこの本の中でも最高の手順の一つと言ってるエースの裏の色の変化。
2回ってのは変わって戻るってことです。
まず観客に4枚出してもらってそれをバラバラに戻し、プロダクションしてから裏の変化を見せて、元に戻すときはビジュアルという流れ。
確かにプロットもおもろくて、手順的にも無理がなく、最後のビジュアルなチェンジも良くちょっとやってみたくなる感じあります。
同じ原理で裏じゃなくてA→Kとかでもできそう。

エルムズレイ・カウント (Elmsley Count Technique)

変わったやり方。
左手に持ってスタートするという感じです。
良さは謎。

エースの幻影 (Illusion Aces)

10のカードにAを挟んでツイスト!Aを挟んでツイスト!Aを挟んでツイスト!Aを挟んでツイスト!Aを見るとKに!
「実用的な方法」と「細かなことが気になる方に向けた方法」の2種類解説されてるけどどっちも痛し痒し。
全部変わったよーをカウントでしか示せずその後の処理も特になんもないのでなんかなーという感じ。
原理はシンプルでいいのですけど、実用的で細かなことが気になる人の方法をお願いします。

一瞬にして行うカードのすり替え (Crack Card Switches)

カードというかデックの上でのパケットスイッチですね。マルチプルスイッチか。
観客に選んでもらった4枚がAでしたーとかの応用例も載ってます。
水油とかリセットとか、数枚だけスイッチするようなパケットものにも使えそう。
特にThe No Lap Switchの方は応用範囲広そうで頭の片隅に入れておきたいです。

飛翔するエース (Pegas Aces)

飛翔というか飛び出してくるというか。
ぴょーーん行くので面白いです。
4枚出す場合は1枚ずつリロードしなきゃいけないのはあれですが、慣れると楽しいやつ。
なんかこの手順もAの裏の色が違いましたというオチがあるのですけど、要りますかね?
なんか後のスーパーインターチェンジってやつの準備らしいけどそれなら1つの手順にして…

飛翔するエースを使ったコインの取り出し (Pegas Aces Coin Production)

飛翔するエースのハンドリングでなくても、楽にコインをロードする方法。
こういうのは結構好きですね。
エースプロダクションの制約もなくなるし本当に楽。

スーパー・インターチェンジ (Super Interchange)

赤裏のA4枚、赤裏のK4枚、青いデックを使って、Kはデックの中に入れて、アセンブリみたいにAの上に3枚ずつ乗せる。
AがKに変わって、デックの中に入れたはずのKはAになってます。
どうでしょうねこれは。
赤かったり青かったりするのは演者側都合の部分が多く、変化するのは表なんで現象のわかりやすさはそんなに変わってないような。
枷的な効果もどこまで伝わるか微妙。

ゆっくり行う4枚のエースの手順 (Slow Motion McDonal’d Aces)

スローモーションマクドナルドで、マクドナルドエーセスとはカード構成が違い、1枚ずつリーダーパケットを見せれます。
このカード構成ならあれをやるタイミングの好き嫌い次第という感じですが、このディングル の手順は好みです。
序盤ちょっとうるせーってぐらいカウントすんのがあれですが、まあなんか適当に変えれる範囲。

ビジュアルな集合する4枚のエース (Optical Ace Assembly)

タイトルは原文ママ。
Aの裏を色違いにしたアセンブリ。
松田道弘さんが好きなやつですね。
ここに載ってるのはレギュラー解決法で、なんかやたらしんどい動きが多く、過度な縛りプレイ感がすんごいあります。
色違いをあんまりサトルティに活かせてないというか、悪い意味でマニアックな感じ。

スロットマシン (Slot Machine)

澤さんのスロットマシンの改案。
大幅に負担が減っています。
コインをジャラジャラ出す系の手順には結構使えるアイデアです。

サイド・スチール・プレイスメント (Side Steal Placement)

トップに戻すんじゃなく好きな枚数目とか、特定のカードとカードの間に戻す方法。
サンドイッチカードができるから出来たら超便利。
ただまあデックを揃えただけにはどうしても見えないとは思います。
あとデックのコンディションがバグる。

ピークから始めるダイアゴナル・パーム・シフト (The Peek Twist Diagonal Palm Shift)

デビッドウィリアムソンがやってるやつかなーと思ったら全く違う方法でした。
若干手数多めでデックが変な方向向いたりします。
ウィリアムソンのやつはピークからタンターンでデック置くだけなんであれがオススメです。
差し込んで抜くのより気配なくせます。

多すぎるカード (Too Many Cards)

ジェニングスのアンビシャスクラシックです。
元はバーノンとサーボンが未発表でやってて、発表順的にはディングルよりジェニングスが先ということみたいですがハンドリングはほとんど同じ。
ディングルのは人間の目は2つしかないのにカードが52枚あるからタネがわからないのである、みたいな感じでどんどんカードを減らしていく演出です。
カードの構成を活かしてマニアが見てもアレしてるはずなのになんで置けるのってなるとこがあるのがおもろいすね。

カードの貫通その2 (Through & Through Two)

ハガキがカードを貫通します。
にゅるーっと貫通するわけじゃなくて、ハガキの下にどんどんカードが移動するような感じ。コインマジックっぽいですね。
エレベーターカードっぽい原理でもありますが、こういう別のアイテム使うとなんか良い雰囲気が出ます。
ちょっと難しいのと最後にオチが欲しい気はします。
あんまオチオチ言うのもあれですが、デックが全部ハガキの下に行くとかそういう。

インフレ懸念 (Inflation)

コインが2段階で大きくなってジャンボコインになります。
やや雑な処理ではありますが、一応クリーンエンドに考えられていて音もしないようになってます。
インフレ云々はそういうストーリーに沿って演じられるからで、なんの脈絡もなくでかくなるより良いですね。

コレクターズ:ロイヤル版とその他の方法 (The Collectors : Royal and Otherwise)

3枚の絵札を使う方法と選んだカード3枚でやる方法がごちゃごちゃに書かれててクッソ読みにくいですが、ディングル版のコレクターです。
やり方はカードマジック事典に載ってるのとほとんど同じ。
A4枚を同時に広げて見せながらアトファすのと、アトファすタイミングが特徴的。
今だとあんまりこういう順番の見ない気がしますが、面白い仕組みです。
コレクター以外でも使える方法だし、絵札でやる方法だと特に効果的で、差し込んだ瞬間にどーんというのは気持ちいっすね。
絵札の方じゃなくても、1人1枚ずつ覚えてもらう方式なら普通に2枚目以降は表見えるように差し込めば良いですね。

エレベーターカード その2 (Elevator Two)

ゴリゴリに技法を使うエレベーターカード。
手順としてはあんまりだと思いますが、マルチプルシフト集的なものとして読めば実りの多い項目。

スーパー・ライジング・カード (Super Card Rise)

スーパーなライジングカードです。
何がスーパーかは読めばわかります。
これが結構楽しくて面白いせり上がり方をします。
ハンズオフじゃないし真ん中からはできないんですが、指は全部出しておけるのでゆっくりじっくり見せるには向いてて、最初から最後までずっと具を隠すハンドリングもおもろい。

スーパー・フローティング・カード (Super Floating Card)

スーパーなフローティングカードです。
何がスーパーなのかは読めばわかります。
これはちょっと難しくてなかなかうまくいきません。
あとカードにあの加工をすると、この中で使われる技法がやりにくくなるのでそれも辛い。
絵面も結構地味。
まあ地味な現象のために色々仕掛けと準備するのは嫌いじゃないんですけど、人に見せるのはちょっとハードルが多すぎて。

飛躍した「テーブルを貫通するコイン」
(Quantum Coins Through Table)

ノーギミックノーエキストラのスルーザテーブル。
飛躍っていうかなんというか、それ的なことはします。
こういうのは上手い人がやると魔法なのだろうなーという感じのやり方。

国際的な「テーブルを貫通するコイン」(International Coins through Table)

4種類のコインを使うスルーザテーブル。
コップをテーブルの下に持っていって音させる見せ方で、ちょっと直接的すぎるとこもありますがギミックは要らないし途中の出し方もおもろい。

可哀想なチャーリー (Poor Charlie)

めっちゃ変化するポーカーハンド。
裏の色も変わるし、このしつこさに乗れるかどうかが勝負。
しかしこれは付属のギャフを使う必要があり、それがまあ東京堂クウォリティのパサパサカードでカウントとかもちょっとストレス。

カードをつかめ (Grabbed Again)

テーブルにスプレッドしたカードをシュー(あれなんていうの、波みたいに向きを変えるやつ)ってやりながらバーンて撒き散らして1枚を掴みます。
トップからでもボトムからでもないので本当に知らんところから掴んだ感があります。

53セント必要な集合するコイン (Fifty-Three Cent Assembly)

銅1枚と銀3枚、2種類のコインを使うアセンブリー。
銅のとこに銀が集まります。
まあ別に普通にやれば銀でも銅でも関係ないんですが、使うカードは1枚。
カードで手のコインを叩くと消えて、カードをテーブルの銅にかぶせると増えるという流れ。
途中カードの下にコインを隠してると思わせるというやらしい動きがあり、実は持ってませんでしたーをやりたいための手法という感じがあってかなり手が込んでます。

サイド・ファローを使ったスタック (Side-Cut Faro Stack)

カットする動きの中でシークレットにファローシャッフルをしてしまうというもの。
ポーカーデモに使える積み込みが解説されてます。
「何げなく行えば単に手の中でデックをカットしたとしか見えない」と書かれてますが、「何げなく行う」方法は「この操作を瞬間に出来るようになるまで練習して」だそう。
まあでも字で読んで思ってたよりは入る。
フルデックはきつくても部分的になら。
ただカットしただけに見えるかどうかは微妙なとこすね。
あのたまにカットしててボトムカードが変なとこ入っちゃうぐらいの引っかかりはできるので、そのフリをすればいいのではないでしょうか。

タバコの中に飛行するお札 (Bill in Cigarette)

お札を破って観客からタバコをもらうと、そのタバコの中から復活したお札が出てきます。
元ネタはバートラムらしい。
話もしっかりしててとても良いですね。
葉っぱを出す些細なリアリティ演出も好き。

3回連続で行うザロー・シャフル (Three Shuffle Zarrow Sequence)

カードマンなら3回続けてザローシャッフルをすることの難しさを知ってると思うがーとか書いててなんのことかよくわかんなかったのですが、スリップカットを使わない方法でした。
確かにこれはマニア相手にはいいかもしれません。
滑り込ませる上のカードが1枚じゃないから錯覚も強いし。

4重に納得がいくトライアンフ (Quadra Convincing Triumph)

ダローの6つに分けるディスプレイじゃなくて4つに表裏表裏と示す方法。
パケットが4つだからといって4重に納得がいくわけではないですね。

小さな奇跡 (Little Miracle)

「この手順もまたトライアンフなのですが」と書かれてますが表裏混ぜるわけではありません。
観客が言ったカードがひっくり返ってて、そのカードだけ色違いという現象。
デックは観客がシャッフルしてカードもフリーチョイス。
そうなるとまあ手法は限定されますが、普通に良いですこれは。ブレインウェーブ的なネタの中でも好きな方で、結構手品やり始めてすぐになんか練習した思い出があります。

メンタル・トライアンフ (Mental Triumph)

好きな数字を思い浮かべてその枚数目のカードを覚えてもらってからトライアンフというもの。2人の観客に覚えてもらえます。
ペネロペ系の話だと思うんですが2枚やるのはあんま見たことなくて面白い原理です。
ただ、コントロールはファローでトライアンフ部はザローというのがどうもあれなんでうまいことファローで出来るトライアンフだと嬉しかったですね。
あとカウフマンが「死ぬほど退屈な手品を最高の作品に変化させることができる例です」的なことを書いているんですが、トライアンフがあることでカード選ばすとこの長さはより際立つかなと思いました。そういう意味でもトライアンフのとこも原理でなんとかなればなーという気がします。

フォー・ポーカー・トライアンフ (Four Poker Triumph)

4人にポーカーハンドを配り、それぞれ中から1枚ずつ覚えてもらってデックに戻してトライアンフ。
手札は表向きに配り、なんのカードだったかは教えてもらうのですが、回収してからリフルシャッフルの動きだけで4枚のカードをコントロールする方法で、ポーカーデモンストレーションにも使えます。

プログレッシブ・トライアンフ (Progressive Triumph)

4人にカードを選んでもらい、表裏で混ぜる。
向きが揃ってKが出てくるけど誰のカードでもない。また混ぜると今度はKが2枚になるけど誰のカードでもない。これをKが4枚になるまでやって、Kが4人のカードに変わります。
元々トライアンフみたいな強い現象の後のサッカートリック的な流れはあんま好きじゃないんですが、この手順見終わって表裏バラバラに混ぜたのに向きが揃った!という感動を覚えてる人はいないんじゃないでしょうか。
表裏に混ぜずにリバース現象だったら普通におもろいと思いますが、表裏に混ぜないとそうならないので、なんかこう都合で表裏混ぜるのが結構辛い。

ロイヤル・トライアンフ (Royal Triumph)

プログレッシブトライアンフに色違いカードオチが加わった手品で、ここまでくると逆に清々しいというか、何に驚けばいいか誰もよくわからない状態で終わりそう。
一応それっぽいセリフは付いてるけどどうでしょう。どうなんでしょう。
向きが揃う→表向きのKが1枚ずつ増える→色違いが出てくる(デックのカラーチェンジではない)→色違いの表が変わるという流れなので、勢いで行っちゃえばそれっぽく見えるとは思いますがインパクトの波の作り方は難しい気がします。

ロールオーバー・エーセス (Rollover Aces)

Aをバラバラに混ぜて表裏でぐちゃぐちゃに混ぜて、デックをテーブルの上でコロコロ転がすとAがコロコロ落ちるように出てきます。
デックを広げると向きが揃っていて、Aの下からそれぞれのマークのロイヤルフラッシュが出てきます。
コロコロ出てくるとこがおもろくて、その下にカード隠せるから色々と応用もできそう。
メイトルーティンにも使えそうですね。5枚だと明らかに分厚いし、2枚なら途中のややこいシャッフルもかなり楽になります。

スリップ・フォース (Slip Force Handling)

スリップフォースの自然な見せ方。
チャドロングとかデビッドウィリアムソンがこのやり方やってるの見て知りました。
音も減らせるしデックを変に動かさなくていいからかなり自然に見えます。
2枚目とかに見えちゃいけないものがある時にも使えるので覚えておくと便利。

共鳴するカード (The Sympathetic Cards)

目玉トリックの一つでフレンチのYouTubeに超良い動画があります。

いやー面白いですね。
Sympathetic Thirteen はハンカチ使ったビジュアルなやつもおもろいですけど、これはチーンした時に何かが起こったとしか思えんのが良いです。

デレック・ディングル・カード・マジック:マジックショップのフレンチドロップ。手品 用品(グッズ)の通販

ファン・フォースと逃げ道 (One- Hand fan Force Thechnique and Outs)

ファンにして観客に見せたカードを当てる手順。
原題にもフォースとついてますが、いわゆるファンフォースは使わず、エスティメーションとアウトで対処する手順です。
ファンフォースを使うとカードを見た観客には気付かれてしまうのではないかということからこういう手順にしたとのこと。
見させられたのではなく、より心に思ったカードを当てた印象を残すためらしいです。
ただまあアウトには移動や予言的な現象にシフトするものもあるので、そこらへんのセリフの話はもう少し詳しくお願いしたい。
貧乏性なのでサイコロジカルフォース的なものからの移動現象は結構もったいないと思ってしまうのですよね。

ゆっくり行うコインの隠見 (Slow Motion Coin Vanish)

ちぎって小さくして見えなくするという演出のバニッシュと検め。
比較的簡単に両手を空に見せれる方法だと思います。
どっちかってと出現のとこがいいですね。

どこにもあってどこにもないカード (Everywhere and Nowhere in the Air)

in the Airがついてるからこの日本語タイトルは問題な気が。
この本のノリだと「飛躍するどこにもあってどこにもないカード」とか「どこにもあったのに空を探してもどこにもないカード」とかそういう。

さておき手順は面白いです。
「○○(カードの名前)は取らないでください」と言うけどそのカードを引いてしまい、そのカードをテーブルに置いてもまたそのカードを引いてしまう。テーブルに置いたカードは全く別のカードで、何回も引いたカードが箱から出てくるという流れです。
この後の杜撰なロイヤル・フラッシュよりは綺麗さはないけど十分面白いかなーと。

壮麗なロイヤル・フラッシュ (Regal Royal Flush)

傑作の時間です。
ジョンカーニーの”Inscrutable”という手品があって、それがカードマジックの中でもトップクラスに好きなのですが、その元ネタがこの杜撰なロイヤルフラッシュになります。
現象は観客にカードを選んでもらい、中に戻しますが、一番上にも同じカードがあり、それをテーブルに置いても真ん中から同じカードが出てきて、またテーブルに置いても一番下から同じカードが出てきて、それをテーブルに置いても真ん中で表向きに現れて、テーブルに置いた4枚の他に、財布の中からも同じカードが出てきますが、4枚と合わせてロイヤルフラッシュになります。

新理論に基づく新・セカンド・ディール (New Theory on Vernon’s New Theory Second Deal)

バーノンがインナーシークレットで発表したセカンドディールの別解。
非常に楽にカードを抜ける方法で、基本的に片手で動作が完了します。
逆に右手使う方がタイミングとか合わなくて難しいかもしれません。
片手でやるカードアットエニーナンバーが解説されてますが、さすがにそれ系は怖い。1回トップチェンジに使うぐらいだとなんとかなりそうです。
乾燥肌すぎるとできません。

貼り付けろ (Post It!)

ポストイットを使ったトランスポジション。
AのカードにはA、BのカードにはBと書いたポストイットを貼りますが、カードが逆になります。
結構ゴリゴリの解決法で楽しいです。
もっと簡単にやろうと思えばできるけど、最初のフェアさを重視してその後すぐ頑張る系の手品は好き。
カード2枚じゃなくても、なんかに貼って、別のカードの名前言ってもらってそっちに移動とかもできそう。
ギャフ一枚入れるとかなり楽になるんですが、ディングル式だと観客にサイン書いてもらえるのが強いので。

バウンス・チェンジ (The Bounce Change)

軽いタッチのスペルバウンド。
両手でポンポン投げてると変わって完全手のひら検め可。
めっちゃむずいけどコインはこの手の変なやつ一個は習得したいもんですね。

油とお酢 (Oil and Vineger)

オイルアンドウォーターからのオイルアンドクイーンです。
途中でカードを公然と足すタイプ。
序盤は頑張ったセリフがついてるのに、最後黒と思われてるカードがJになるとこは「でも実際は、J、J、J、Jなんですよ!」で片付けられてて笑いました。
この本結構そういうのが多くて、気の利いたことも言いたいけどインパクトあるオチは勢いまかせというバランス。

ファロー・シャフルの方法 (Faro Shuffle Technique)

コンディション良いデックならこれでいけるけど、クリンプの跡が残ってたり角が折れたり逆向きのカードが混ざってたりするとちょっときついんじゃないでしょうか。
もうちょっと固定する箇所を増やしたい感じありますね。

奇跡のメンタル・スペラー (Miracle Mental Speller)

言ってもらったカードをスペリングするとカードが出てきます。
2人にやるとこが面白いのですけど、もう一工夫なかったのかという感じですね。
メモライズド覚えてなくてもできるのが良いとこではありますが、これならメモライズドでやるわという。

風船からカード (Card in Balloon)

風船を割るデックが出てきます。
カードにサインをしてもらってデックに戻し、デックを箱の中にしまってテーブルに置きます。
風船を膨らまして割ると中からサインカードが出てきます。
風船を出してからちょっとしたギャグパートがあってそこが大事だったりするんですが、観客にとってはギャグがギャグのためのギャグにしか見えないのはちょっとどうかという感じです。
特に観客の選択が大事じゃないならあんまり話しかけない方がいいんでは。

LJアングルパーム・スチール改良版 (Technical Refinement of LJ’s Angle Palm Steal)

サイドスチールより指を開いて自然な形でパームできるアングルパームスチール。
ディングルのこだわりは動きがカクカク段階的にならないようにすることで、差し込んでデックをテーブルに置く動作で抜けます。

クロースアップで風船からカード (Close-Up Card In Balloon)

クロースアップというかテーブルがある状態バージョン。
ちょっとしたアイテム一つでかなりカジュアルに演技できるようになってます。

グラスの下に通うカード (Card Under Glass)

カードアンダーザグラスですが、スプレッドに注目を集めるところに一工夫あり。
少人数だと特に効果的な感じです。
ただ、スプレッドするときのセリフとグラスの下にカードが移動するのが結びつかんのは面白みに欠ける気もします。

明瞭な「袖の中を通うコイン」 (Crystalized Coins Up Sleeve)

4枚のコインアップザスリーブ。
実際にはスリーブは使わないパターンです。

破っても完全に元通りになるカード (The Complete Torn and Restored Card)

復活後1/4を合わせて破ったカードが復活したことを確認したあと、1/4のも復活します。
くっついてる瞬間を見せたいとかサインをさせたいとかいうわがままプラン非対応ですが無理がなく、ちゃんと段階的にくっついてるように見えるので結構良いんじゃないかと思います。

脱出するキングたちの場合 (A Case of Kings)

デックにKを4枚バラバラに入れて箱に戻しますが、1枚ずつKが抜け出してきます。
観客の手の中、ハンカチも貫通、雑誌も貫通と次々に出てきて、ラストはデックバニッシュ落ちで楽しいです。
あんまり使われないけどケースに入れる時にケースの外にあれする方法が解説されていて便利でおすすめです。
変に飛び出させるやり方より入れたとこをちゃんと見せれて良いです。

燃え上がるコイン (Combustible Cash)

4枚のコインを封筒に入れます。
紙マッチが次々とコインに変わり、4枚出たところで封筒を見るとマッチの燃えかすに変わっています。
プロットは物凄く面白いのですが、めっちゃ火傷のリスクあります。確実に火傷回避しようとするとリズムが悪くなるし、なかなか演じるのは難しそう。

一風変わった「破っても元通りになるカード」 (Restoration Assembly)

カードを4つに破って行うマトリックス。
集まったと同時に2/4→3/4→完全復活と元に戻っていきます。
カードが復活していくので、覆うのはカードより一回り大きいナプキンを使います。
この本の中でも何回か出てきた便利グッズを使いますが、これが一番御誂え向きといった感じで無理プロットをかなり簡単に解決していました。

ピックアップ・ムーブ (The PickUp Move)

マトリックスで使うピックアップムーブ。
カードを弾いて音を立てるやり方。

フォーウェイ・バックファイア・アセンブリー (The Four-Way Backfire Coin Assembly)

4種類のコインを使うインターナショナルバックマトリックス。カードは2枚。
これもマジシャン専用手品らしく、ところどころやらしい動きが入ります。
なのでまあそこまでしなくてもという部分も多く、普通にやるだけなら検め減らせば普通にできます。
ギャフ使用ですが、結構気持ちよく使える感じがあって良いです。
てかこれってバックファイア??何回読んでも戻るとこの解説がないのですが。

ロス・バートラムの集合するコイン・別法 (Technical Variation of Bertram’s Coin Assembly )

ディングルが一番気に入ってるアセンブリはバートラムの手順らしく、ディングル流のハンドリングが解説されてます。
クォーターを移動させ、余分なコインを使ってたんですよーと最後にワンダラーを出す落ちがついてます。
ジャンボコインと違ってロードする必要はなく、演技中ずっとあれしておくので、ロードの方がよくねと思わんでもないですが、一応そんなに無理のないハンドリングです。

いつでも演じられるカラー・トライアンフ (Deluxe Anytime Color Triumphant)

カラーチェンジングトライアンフ。
ダローの6分割を使う方法で、トライアンフ時の色の説得力がとても高いですが、ゴミが残ります。
あと、いつでもは無理です。

両手を使ったデック・スイッチ (Two Fisted Deck Switch)

ゆっくり見せることもできるらしいデックスイッチ。

カラー・トライアンフ2 (Color Triumphant II )

カラートライアンフの別解。
観客にシャッフルさせるところからスタートするので元の色の強調がマックスで、都合のいい状態のデックとあれするので裏表混ぜるところも説得力十分。
なので演技後のゴミも減らせると思うのですがそこはそのまま。
ここまで読んでるとディングルが何を気にして何を気にしないのかってのもわかってきますが、セットが大変なやつはそこの好みが合わないと全損ですね…。

色とりどりな「裏の裏」 (Technicolor All Backs)

オールバックですが、最後にカラーチェンジングデックします。
オールバックって結構どの手順も似てたりするんでもう色変えてしまえというのは良いかもしれません。
ディングル の場合はオチのカラーチェンジがやや目的化していますが、テーマ的には合ってます。
手法も面白いですが、これはさすがにエンドクリーンでいきたいかなーという感じはしますね。
変なトランプであることが現象なんだからやっぱ終わったら触りたくないですか。

3回色変わりをする「裏の裏」の4枚のA (riple Color-Changing All Backs Aces )

たとえ一般の観客の前で何度でも演じるような種類のマジックではないにしても、他のマジシャンを粉砕するための特別な手順として身につけておくと良いかもしれません

という力強い書き出しで解説が始まるこの手順もカラーチェンジングオールバックですが、両面青裏のデックにAだけ表があって、それをバラバラに入れてカットして取り出して言って、実はAが赤でしたとなって、他のカードの表が出現して、再び裏を見ると黄色裏でしたというてんこもり手順。
手法はなかなかワイルドなとこもありますけども、ここまでくると楽しいですね。
話は裏の模様の話で一貫してるからその筋の流れなら盛ってもそんなに変に見えないし。

選ばれたカードを使って行う「裏の裏」 (All Back with Selection)

タイトル通り、カードを選んでもらってオールバックしてカード当てもやります。
この流れで読むと地味に感じてしまいますが、普通にちょうど良いのはこんぐらいのバランスでしょう。
レギュラーでできるし、オーバーハンドシャッフルを使わずに見せる方法も解説されています。
表向きのセットなしでスタートしますが、途中で何の意味もなくカードをひっくり返して見せる場面があってそこがアレ。

名人によるポーカーの実演 (Master Poker Demonstration)

カラーチェンジングトライアンフ要素があるポーカーデモンストレーションです。
ギャンブラーはこう、マジシャンはこうみたいなストーリーで進みます。

2度色変わりをするデック (Double Color-Changing Deck)

2度変わるというか、変わって戻ります。
変えたら戻してって言われるからそういう使い方できるかなーと思いましたが、1回目の変化はかなり弱くて、たぶん戻してより先に全部見せてってなるので厳しそう。
解説されてるセリフは赤の状態はさっさと終わらせようとする感じで、たぶんそういう見せ方しか無理。

4枚のコインを数えてみれば (Four Coins and Counting)

コインアセンブリの最後にもう一枚使ってましたーつってサイズでかいのを出す手順。
プロットは「ロス・バートラムの集合するコイン・別法」と同じです。
こっちの方が移動に関してはスムーズ。
しかし途中で使うトランスファーが難しくて全くできません。別にそれじゃなきゃいけないってこともないんですが、マニア向けにやるならこういうの一つぐらい出来るようにしたいところ。

伸び伸びした現象 (Elastic Illusion)

1本の輪ゴムを捻って2本に見せ、手を離すと実際に2本になっていますが、これがまた1本に戻ります。
面白いけどめっちゃむずい。
2本になるとこまでのやつはジェイサンキーがざっくりしたやつをやっていましたが、これはちゃんと1本を2本に見せるのと同じ形で2本にするのがポイント。
自然に見せるのはちょっと難易度が高く、解説ももう少し詳しくてええんちゃうかと思いました。
消す方は意外とうまくいくけど人に見せるまではかなり練習要りそう。

DDの信じられないカードの飛行 (The Derek Dingle Fabulous Jumping Card Trick)

11枚のカードを使ってマジックをしまーすと言うけど、カードが足りなかったり足しても増えすぎたり、なかなか11枚にならず、マジックを始められないというマジック。
元のEleven Cardsより高度になってますが、演者がカウントしなきゃいけないとこはそうしないといけないので本質的に超フェアになってたりはしないです。
文字で読むと結構苦しく、そこで無意味にデック触っちゃうのかとか、そのカウント続くのかーとか思います。
まあこの手のは演技力コミュニケーション力勝負なので、そう数えればその枚数に見えればいいのかもしれません。
同じ現象の繰り返しの途中にもうやだ!って言って終わるだけなので、やはり面白演技パワーが必要。

以上です。
結構文句多めになってしまった気がしますが、好きなやつはめっちゃ好きです。
特に好きなの10個ぐらい選ぶと

杜撰なロイヤル・フラッシュ
露見
超音速の「ポケットに通うカード」
ひらけごま2
スーパーライジングカード
3回色変わりをする「裏の裏」の4枚のA
小さな奇跡
貼り付けろ!
一風変わった「破っても元に戻るカード」
共鳴するカード

この辺でしょうか。
ロールオーバーエーセスとか含めて今ではあんまやってる人見ないし、これだけやってみたいと思える手順が入ってる本は良い本だと思います。
読む際のアドバイスとしては一日一個ずつ読もうとか悠長なことは考えず、この解説スタイルと文体に慣れてる間にさっさと読んでしまうのが良いです。
20個ぐらい読めば慣れのボーナスステージに突入するので「この手順はデレックが一般の観客にいつも演じてるものです」などというぼんやりした書き出しからうっすら現象が見えてくるようになります。

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