by jun | 2017/09/26

テンヨー2017年新商品としてドラえもんとのコラボマジックアイテムが2つ追加されました。

ドラえもんチャンネル


これまでは「タイムふろしき」「スモールライト」「どこでもドア」と、ドラえもんを知ってる人なら誰でもご存知のアイテムだったのですが、そういう意味ではコンピューターペンシルとN・Sワッペンはあまり知られていないかもしれません。
それぞれ1巻と2巻に収録されてるエピソードで、とても面白い話なので単行本を読んだ方なら印象に残ってる方も多いかもしれませんが、それでも道具の詳細から話まで覚えてる人は少ないでしょう。
名前と見た目でなんとなくわかるってあたりのチョイスはさすがテンヨーと言ったところでしょうか。

というわけでそれぞれの商品の原作について少し書きます。
オチまで書くのでこらからドラえもん読む予定の方はここから先は読まないように。

コンピューターペンシル

単行本1巻に収録されているエピソードです。
「一生に一度は百点を…」という切ないタイトルがついています。

のび太が百点をとってみんなからちやほやされるという夢シークエンスから、しずかちゃんの家に遊びに行く予定があるのに宿題が終わってない現実へ引き戻されるオープニング 。
んで、ドラえもんが仕方なくコンピューターペンシルを出して宿題を秒殺します。
この時点ではドラえもんもノリノリで、ジャイアンとスネ夫の宿題までコンピューターペンシルでやつける始末。

いきなり勉強できるようになったのび太を怪しむ、子供漫画としてはギリギリ(アウト)のセリフとかがありつつ

のび太が百点を取るためにコンピューターペンシルを使うことを決意。
これにはドラえもんも「それはあかんやろ」と猛反発。
のび太は親に「百点とったら旅行連れてってー」とか言います。
「ドラえもんも連れてってやるからね」と言うのび太にドラえもんはこの目。

さすがにのび太もやべーってなって、テストではコンピューターペンシルを使わず、ドラえもんに偉いと褒められます。
ただし、ドラえもんにコンピューターペンシルを返すと、それが偽物(レギュラーのペン)であることに気付きます。

ここからジャイアンの物語にシフト。
実はのび太を怪しんだジャイアンが、こっそり偽物を作って、すり替えてテストで使っていたのです。
ジャイアンの秒速工作スキルにうならされるのですが、彼は将来テンヨーの開発になってはいかがでしょうか。

で、難しいテストでジャイアンだけ百点という異常事態に。
小学生のテストで出木杉さえ百点取れない問題とは一体。
ジャイアンは喜んで親父にそれを報告。
親父は泣き出します。
泣くほど嬉しいのかと思ったら「出来が悪いのはしょうがないが不正だけはすんなと言ったはずだ!」と一括。
ここからウルトラバイオレンス展開に。ドラえもんはジャイアンの暴力性はよく描かれますが、大人による暴力はこの回が初めてです。
あのジャイアンがこんなことになってしまいました。

というわけでズルはしちゃダメということを体を持って体感させるというある意味藤子不二雄らしい話でした。
世に対して散々チートしてるドラえもんで何を言ってるんだという話ですが、超えちゃならん一線があります。
あと、ジャイアンも百点取りたかったんだっていう切ない余韻も残る本当に良い話だと思います。

N・Sワッペン

N・Sワッペンは単行本2巻に収録。

ジャイアンが磁石のNとSが反発したりくっついたりという話をそれこそ手品的に披露。
これから出てくる道具の説明にもなってて綺麗な導入ですね。
それを見たのび太が「そんなの誰でも知ってる」「おくれてるー」とジャイアンを馬鹿にします。
手品を披露してこれ言われたら地獄ですね。
とにかく馬鹿にされたジャイアンはブチキレて、会うたびにのび太をボコると脅迫。

しかしコンピューターペンシルのエピソードといい、ジャイアンの知的なことに対する自意識が描かれてるの本当に良いですね。
それを暴力でしか解決できないというなんともいえんキャラクターです。

ここでN・Sワッペン登場。
普通の磁石はNがあればSもあるもんですが、このワッペンは独立したNとSの磁石で、Nを貼ったらNを貼った人とは反発してしまい、NとSはくっつくという道具です。
のび太にSを貼ってドラえもんがジャイアンにもSを貼りにいく作戦。
序盤はこれがうまくいって、ジャイアンはのび太に近付けません。
ロープで捕まえようとしても強力な磁力で吹き飛ばされます。

ここでのび太はしずかちゃんにNを貼ってくっつく作戦を思いつきます。
ドラえもんは本当にのび太に貸す道具選んだ方がいいと思いますね。

で、頭が妄想でパンパンに膨らんだのび太は間違ってしずかちゃんにSをつけてしまいまさかのしずかちゃんと反発。
のび太はジャイアンのことなどすっかり忘れてしずかちゃんの事しか考えてませんから、「あ、Nにつけかえればいいんだ!」ということでSついた服を脱いでNを貼ります。
しずかちゃんは既に遠くに行ってたのでボロボロになったジャイアンを引き付けて終了。
このあとバーサーカー化したジャイアンからどんな暴力が起こるのかというやばい予感を残して終わります。

共通してジャイアンがボコボコになるという話ですが、テンヨーの人はあえてそうしたのでしょうか。

なんにせよ二つともとっても不思議な手品ですね。
個人的に今までのコラボ商品より良いと思います。

ドラえもんは秘密道具を使ったストーリーが本当に面白くて、使えそうな技法やギミックをいかに使うかというマジックの発想にも役立つ面白い漫画でオススメです。
たぶんテンヨーの人も読み込んでこれをどうマジックにしてやろうかって考えながら読まれてるでしょうし、単純に俺の考えた最強のドラえもんみたいな話作るの楽しいですね。

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