どうもあけましておめでとうございます。
今年も大いに手品を楽しみましょうということで、お屠蘇テンションのままおせち料理っぽいものを緩く紹介したいと思います。
これは昨年Vanishing Incが出したギフトパックのボックスセットです。ギフトつってもお金払ってるしなんならブラックフライデーまで売れ残ってて値引きまでされて泣いたわけですが正月だし許しました。
この中には5つの冊子が入ってまして、そのメンバーがJoshua Jay、Andi Gladwinの役員枠に加えて、Dani DaOrtiz、Paul Vigil、Benjamin Earlと大変豪華です。
このメンツが同じ箱に入ってるってめっちゃ興奮しないですか。
内容は再収録のものが多かったりするんですが、それはおせち料理だって昔からある料理を詰めるわけですから全然大丈夫です。
おせち料理の場合は見た目の割におかずとしての戦力が雑魚すぎて「豆はマメになるんやでぇ」とかつまらん上に頭使ってなさすぎて全く縁起になりそうにないダジャレを聞かされて騙し騙し食べてましたが、ここに入ってる冊子は強力で再収録ものでも元のは入手困難だったりするので普通にありがたいです。
豆を食べたおかげでマメに手品ブログを更新するおじさんになれたわけですからおせち料理にも頭下げておきますが、Paul Vigilのノートなんかは電子版が絶版というどうやっても手に入らない状態だったのでこれは本当に感謝です。
箱を開けるとこんなことになってます。
5つのノートが入ってるのですが、惜しむらくはEarlとDaniはページ数が少なくホッチキス止めの冊子になっていて、そこはなんか頑張れなかったのかしらと。
どうしたらいいのか悩むオブジェ。
あとVanishing Incが去年出したDapper DeckのUSPC版が2つ入ってます。
このデックあれになっていて、わかりにくさとわかりやすさのバランスがまあまあ良いです。視力が2.0あるとテーブル挟んで観客が持っててもわかります。
表はちょっといらんことすなって感じがあるにはあるのですが、質は良くてトラディショナルカットでファローも入りやすいです。
Triptych (Joshua Jay)
カードマジックの手順を3つ解説しています。
たぶん全部未発表、どれも怪我以降のジョシュアジェイという感じで低負担なセミオートものです。
この中では”Total Recall”という即興でやるShuffle Boardの手順が気に入りました。
予言の紙を使わない似たような見せ方のはいくつか知ってましたが、演出とセリフに面白いところがあって予言的な雰囲気も出していて見事。
複数の観客がいる時にこういう参加のさせ方が珍しいというのもあるし覚えておきたいトリックです。
なかなか大変なところもあるのですけど、良い感じで負担が分散していて解説で見るより大変じゃなく、かつガチとは思われない絶妙なバランスになってます。
他の2つのトリックもそうなのですが、さりげないセリフで説得力を積み重ねていく様が気持ちいいです。
Personal Revelations (Andi Gladwin)
マルチプルセレクションに焦点を当てたノートです。
アンディグラッドウィンが何故マルチプルセレクションを演じるのかという話と、その演技例などが紹介されてます。
確かにうまく演じれば統一感はありつつ見た目のバリエーションはつけやすく、レギュラーデック一つで出来て長さも手軽に調整できるし便利なのでしょう。
どういうプロダクションや技法を使ってるのかが多く紹介されていて、全部解説されてるわけじゃないんですが意外な名前が出てきたりして面白かったです。
あとマルチプルセレクションのトライアンフの手順が解説されてます。
もう少し数こなした人ならではのTips的なもんもあってもよかったんじゃないかと思ったりしましたけども、名人からの引用も多く参考になりました。Paul Vigilの名前もちらほら出てきて、そこクンクンするだけで満足。
Semi-Automatic (Dani DaOrtiz)
セミオートのカードマジック3種類。
最近出た新しい本のじゃなく前出てたやつからの再録です。
DVDでも解説されてるものばかりで、それめっちゃ気に入ってるんやなという何回目かの解説のもあります。
ダニダオルティスのマジックは映像でもどうせ全ては体感できないし本から入るの結構ありかなーと最近思ってるんですが、DVDの解説と比べるとそこ割と重要なのではという部分が書いてなかったり解説はかなりあっさりめです。
読みながら手を動かしてこれは良いという感触は得れますが、観客に何かの印象を与えていくところは少し抜けてて、文章だけで汲むのはちょっと難しい感じ。
まあダニダオルティスは日本語化率も高いしDVDも買ったら良いと思います。
お年玉もらった人はそのお年玉を使って、あげる立場の人は「お年玉はあげるだけだけどマジックショップはお金払えば手品をもらえる!」の精神で買いましょう。
正月って良いもんですね。
Icons (Paul Vigil)
コインを使った鬼のようなメンタル手順。
鬼のようなっていうか鬼。
Real Magic (Benjamin Earl)
2つのノートからの再収録。1つは絶版、もう1つは入手困難なもので、ある本で紹介されていたのを見て非常に気になっており、今回収録されてたのが該当箇所だったので超助かりました。読み比べるととても興味深く感じる内容だったんでここだけでも十分という感じです。
もう1つの方は既読だったのですが、The Shift以降も重要になりそうなコラムが入ってるので再読のタイミングとしては良かったですね。
マジックの中で人は何にリアルを感じるのかという話で、要は見せ方なんですけども、そこら辺の話が小難しく書いてます。
このページ数では語りきらんやろというのと、このテンションが長く続いたら正直ちょっとしんどいというのとあるので、まあそれなら短く特に言いたいことだけ言ってくれてるのは助かります。
トリックは1つだけなんですが、1つ例として挙げるならこれという良い感じのものが収録されてまして、Real Magicの肝であるところの嘘のつき所とその嘘を信じさせるために何が必要かというのがわかりやすく、リアルっていうかガチやんそれって感じでもないです。
まあ手品ってそういうもんやろという話ではあるんですが、マジで壮大な嘘を信じさせようとしてます。だから演じるにはかなり敷居の高さがあるわけですけどもThe Shift2巻も早速出たようですしこれから追っかける人も一読の価値はあるんじゃないでしょうか。
というかこれってまだ在庫あるんですね。
150セット限定でブラックフライデーも乗り切ってしまったのでしょうか。
Vanishing IncはIn Stockになっていても在庫がないという事が結構あるので、買う前に確認した方が良いかもしれません。
The Retreat Gift Pack (Costa Rica) – Vanishing Inc. Magic shop
というわけで、大人達も手品ブログをマメに書く人間になってほしくてしょうもないダジャレで無理矢理甘い豆を食べさせてたわけではないと思いますし、マメに手品ブログを書く大人という豆効果の結果が良い事なのかはよくわかりませんが、本年もどうぞよろしくお願いします。
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