by jun | 2018/05/30

ダニダオルティスとクリスチャンイングブルムがきゃいきゃい言いながら手品を見せ合って解説してくれるセッション形式のDVDです。


ダニダオルティスとイングブルムがお互いに見せ合うのに普通の手品をやるはずがなく、現象自体も裏での仕事もマニアックなものばかりです。
「Que raro」は「変なの!」という字幕がついておりましたが、ケラロとしか言いようがない、変で不思議な手品が解説されています。

10年ぐらい前のDVDですがダニさんめっちゃ痩せてますね。
めっちゃ痩せてはないけど今よりかなり細い。

5,4,3 and more

最初はダニダオルティス。

選ばれたダイヤのエースをデックに戻し、ダイヤの5、から4、3、2と出していきますがエースは出てきません。
ダイヤの5の上に4枚のカードをかぶせ、エースであるように見せ、カードをどかすと5がエースに変わってます。

いきなりケラロすぎるやつがきました。
イングブルムをまんまとフォースにかけるのもやばいし、この感触のカラーチェンジって他にないです。
アルリーチの「Ace,Three,Five」的なやつですが、サッカートリックで外したカードをカバーに使うのがとてもスマート。
サッカートリックもどうせ当たるんやろからもう一捻りあってだるくないですし、淡々と演技するダニダオルティス

難易度的にも比較的易しい方です。

Cascade Control

イングブルムのターン。

カードを真ん中に戻し、カスケードする動きでトップにコントロールします。
角度さえ気をつければカードの動きは完全にカバーされますし、1枚をシフトするだけなので他の順番は狂いません。
InstagramとかYouTube見てるとよく使ってる人いますね。

カスケード自体が怪しいっちゃ怪しいですが、ぱっと見コントロールできるようには見えないのでそういう意味では強いです。
カードマジックにフラリッシュ入れんな派の人には確実に怒られます。

個人的には似たような原理だとWow Controlの方が好きですが、Cascade Controlは4枚バラバラに入れたのをトップにできたりして便利です。

Magic Nine

ダニダオルティスらしい連続変化手品。

赤い9の上でデックを広げると赤いカードだけになり、別の場所で広げると普通のデックに。
その後9の上で黒のカードを振ると次々と赤いカードになり、赤になったカードを別の場所でめくると黒に戻ります。

鬼手順です。
序盤は割と普通の流れですが、普通に追ってると枚数が合わなくなってきて、最後の連続変化で死にます。

現象的にもわかりやすく、カードの上意外でめくると黒というのも非常に面白いです。

難易度的にはかなりハードモードで、ダニダオルティスもNG連発するほど覚えにくい感じもあります。

Anti-Faro

イングブルムの代表作。
スプリングするだけでパーフェクトアンチファローをやっちゃいます。

本人はさらりとやってますがかなり難しい技法です。
ただし、最近流行りのリッピングやワンハンドアンチファローより確実なのはこれだと思いますし、テーブル使わなくてできるのも強いです。

表裏混ぜたやつでも普通にやってたけど、あれカードがくっついてなかなかパーフェクトにならないのですよね。
うーん。

The Lost Coner

イングブルムのスリーカードモンテ。

序盤は普通のモンテですが、途中でカードの角を折ります。それでも当たりません。
角を折るのは間違いなく当たりのカードで、表向けて折ってるのに折れてるのは別のカードです。
最後は当たりのカードの角をを破り、破ったインデックスも見せますが、破れてるのは別のカードで、破ったカードを見るとそれも別のインデックスに変わってます。

カードを折るのも破るのもモンテではよく使われる手法ですけども、折ったり破ったりするとこのクリーンさでは最強の部類です。
ちなみにちょっとした工作は必要ですがギャフカードは使っていません。

Another torn and restored

ダニダオルティスのトーンアンドレストアカード。

カードの表にサインをしてもらってビリビリに破り、破片を1つテーブルの上に残しておきます。
破片の束に息を吹きかけると消えて、演者のサイフの中で復活し、もちろんサインが書かれていて破片とぴったり一致します。

サインをさせるタイプのトーンアンドレストアの色々な問題を解決しています。
財布使いますが、ルーティンの流れ的に消える前に財布出しておけるので移動現象が増えたと思わせることができたら強烈です。

The End

ダンハーランの輪ゴムの段をお札が移動するやつ。
ラストに輪ゴムからお札が抜けるところがイングブルムのアイデア。

19号とかでも厳しく、かなり大きい輪ゴムじゃないとできないんですが、ラストに完全に外れるのは知らない人多いと思うのでマニア相手にはかなり良いです。

こういう、マニアからすると有名なトリックに意味わからんオチがついてたりするやつかなり好きです。

Twin Souls

ラストはダニダオルティス。
カードスプレッドして、1枚ずつ送っていってストップをかけてもらいます。
10のカードのところでストップされ、その10を表向きでデックに戻すと他の10も全部表向きになります。

結構色んなとこで解説してるやつですね。
最近は10の出し方が少し違いますが、こっちの方が事故起きなくて良いです。

こっちのバージョンは人前でセットするが結構めんどくさく、それについてイングブルムがアイデアを出したりかなり面白いセッションになっていました。
ダニダオルティスのフォースの理論だけでもかなり勉強になるトリックです。

そんなわけでミゲルアンヘルヘアがいなくてもファットブラザーズやべえって感じの濃い内容です。
ダニダオルティスのネタの中でも比較的他の人がやって大丈夫な感じのが多いですし、イングブルムの秘技も解説されてるしお得だと思います。
個人的ベストはMagic Nineあたりです。

ところでこのDVDにはNG集がついていて、それが爆笑ものでとにかくおすすめです。
ダニダオルティスはいつ何をリクエストしても意味不明なやつをさらっとやってくれるという幻想も持っていたかったですが、何回も繰り返し失敗したり並びを忘れたりする姿を見てダニダオルティスもまた人間であると逆に元気が出ました。
あとさらっとイングブルムがめっちゃ不思議なポーカーデモンストレーションやってたりします。

なんにしても手品好きが手品見せ合ってはしゃいでるDVDは良いものです。
二人ともこんな嬉しそうな顔するかって勢いではしゃいでます。
「おしえてよ〜」とか言い合ってチップせがんだり、このあたりの化け物クラスが仲良しだと神々の遊び感がえぐい。

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