by jun | 2019/02/05

来日イベントに向けて引き続きダニダオルティスばっか見てます。
Utopiaは2011年リリースのEMCシリーズの4枚組DVDで、これで本格的にダオルティスやべえとなった人も多いんじゃないでしょうか。
とにかく不思議で不思議っていうより気持ち悪くて、解説見るとそんな一言で何が変わるねんと思うところでまんまとやられてたことに気付いたりします。
スペインの人の理論を日本語字幕付きで学べるのがEMCの良さだったりしますが、その中でも重要作の一つでしょう。
そういえばこの頃って日本語字幕の特定の文字が抜ける問題まだなかったですね。

DISC 1 – 100% Daortiz

最初のディスクはサロンサイズのショーとそこで演じてるマジックの解説。
サロンにしてはがっつりテーブル使うマジックも多いですが、体の動かし方とか示し方とか参考になります。
トラバハンドエンカサではこのDVDを例に語られてることも多いですし、読んでから見ると納得度高いです。
観客参加型のも多くて面白く、不思議さも必殺級のが8手順。

Numerical Match

観客が選んだ4枚を出して、その4枚が別の観客がストップをかけた枚数の数字のフォーオブアカインドになってます。
その中から減らしていくように数えていってまたストップをかけてもらうと、4枚がその枚数と同じ数字のフォーオブアカインドに変化します。

だいたいどのDVDにも入ってるストップかけた枚数とフォーオブアカインドのネタ。
2回あれする必要があって、2回目は失敗できないですが比較的精神的負担は少ない方です。
その時には仕事が終わってるから気持ち的に楽なのと、観客にある程度制限をかけるからだいたいうまくいきます。
制限がかかっても変化というあり得ない現象に繋がるのでインパクトが小さくならないのが素敵。

I Don’t Remember

General CardとかEverywhere and Nowhere的なあれ。
サインカードが何回も出てきて、最後は箱の中から出てきます。

箱の中から出てくるオチは最初に言っちゃうタイプで、出し方もそれだけだとクリーンとは言えませんがエンディングのインパクトに繋がっていく中盤がとても良いです。
ちょっとダニダオルティスタッチじゃないときついんですけど構成の作り方は見事。
サインカードでどこどこ的な現象やるにあたって、手順のやり方を忘れたという演出も的確です。

Mathmagic

観客を4人舞台にあげて、それぞれにパケットを渡し、数学的なマジックであることと間違えたらうまくいかないことを伝えますが、途中からカオスになって観客がついてこれなくなります。
それでもそれぞれのトップから選ばれたカードが出るという面白現象。

ランダム性を出すのにパケットの操作だけでなく、外部からの声が入るあたりが秀逸ですね。
だんだんズレていく感じを演出するのもまあ上手いです。

Mini Oil and Water

水油ルーティン。
演技と解説でやってることがかなり違ってて、ファットブラザーズで解説されてるMiniパートは演技のみ。

解説されてるのは観客がシャッフルしたデックからの数枚での水油、フルデック分かれるという流れです。

パケットでやる方も観客がシャッフルしてから分かれるんですが、何もしてないのに分かれたように見えるようなやつじゃないので好き嫌いあるでしょう。
ただデックの方は触らずに分かれるので、パケットでも観客にシャッフルしてもらうのは流れ的に綺麗だと思います。
6-6のやつはかなりフェアに見えるし、フルデックオチの考え方としてはこういう感じの方がええ気がしますね。

Why Aces?

A以外のフォーオブアカインドを出すと言って観客にカードを選んでもらって数字を決めます(6)。6を4枚出そうとしますがQが出てしまいテーブルに置きます。次は6が出てテーブルのQを見ると6に変わってます。2枚の6をテーブルに置いて次に出したカードがまたQ、テーブルの6がQに変わり、みたいなことをやって4枚の6を出して最後は4枚ともAに変わります。

原案はガビパレラス。ジョンバノンの”Ace Man Cometh”とかも近いですかね。変化する枚数が変わっていくやつ。
ダニダオルティスは豪快目にやってますが、これはセットがしっかりしてるので比較的穏便なハンドリングでも大丈夫なやつです。
あちこち変化するのに混乱しすぎない手順で、最初の数字を決めるのに観客を参加させるのも効いていますね。

Horizontal Open Triumph

有名なオープントライアンフ。

ぐちゃぐちゃに見せてからノーアクションで揃うのは何回見ても圧巻すね。
サロンで見せるならではの最後の処理も良いですし、テーブルに広げないのも自然なのでそこそこの人数いる方が綺麗に見せられるかと。

The One

3人にカードを覚えてもらってカードを当てていきますが、1枚のカードが3人のカードに変わるという演出。

元ネタからこういう改案を思いつくのかという賢さもあって、カードの状態を目に見える状態で変化させることによる不可能性の活かし方が素晴らしいです。
当てたカードの表を見せないことの正当性もあるし、最後の観客のカードは「思い浮かべただけのカード」なので非常に強烈。思い浮かべただけのカードの使い方は、前段階にこういうインパクトある現象で畳むとより効果的という好例かと思います。

Triple Intuition

3人にカードを選んでもらって、それをそれぞれの直感で探してもらうというもの。
基本的にはストップトリック的な見せ方で、3人目は本当に直感としか思えない状況まで追い込み死ぬほど不思議。
異常な作品数を誇るダニダオルティスの中でも突出した傑作です。

エッセンス自体は他のトリックにも活かされていますが、色んな手品的要素の組み合わせは完璧と言って良いんじゃないでしょうか。

後にいくつかバージョンが出てて、2とかも盛り上がって面白いんですけど、同じような選択を繰り返すものだとどうやってもそうなる感が出てしまいますし、直感というテーマからは少しズレてくる気がします。

DISC 2 – Fascinations

トーンアンドレストアカードとかホフジンザー周りとか認知の話とかダニダオルティスのライフワーク的な作品テーマを解説するディスク。

Time Travel

L&Dでも解説があったエニーナンバー的なものとT&Rを組み合わせたような手順。
ここで解説されてるのはサインカードで行う手順で、個人的にはL&Dでやってたサインさせないバージョンで十分かと思いました。
ダニダオルティスの作品でたまに出てくるこの手のサインカードの使い方はちょっと合わないってのもありますし、サインさせても完全復活じゃないのがあんま好きじゃないのもあります。

T and R Chink-a-Chink

カードを破ってチンカチンクしてその後に復活。
これもサインカードです。

集まりながら繋がっていくタイプではなく、集まった後に一気に復活するパターン。
サインのある破れた表面をずっと見せられるのが強みではありますが、現象的には繋がりながら集まってほしいっすね。

Flash Restoration

非常にシンプルで負担の少ないカードの復活。
ポケット使うやつよりバリエーションで解説されてるカード後ろに投げるやつが好き。

Aces on the Deck

デックのトップにある表向きの4枚のエースが消えて、ポーカーデモンストレーション的に観客が指定した人にAが配られるように積まれています。

最初に表向き4枚を見せるとこが肝で色々と応用出来そうな面白いディスプレイです。

Imaginary Pendrum

1枚だけ色が違うカードがあるのを見せてから観客に好きなカードを聞いて、色違いのカードを見ると観客のカードと一致。
めっちゃ怖いけど徐々に認知をずらしていく構成は面白い。
これやるなら最初しかないと思うんで、演技中に刷り込んでいくのが楽しそうではあります。
態度こそ大事であるというダニダオルティスらしさが出てる作品。

Concepts

認知を騙す一例として、カードをランダムに抜き出してテーブルに置きながら一個のマークのカードを集める方法を解説。

シャッフルした状態からできるし、ここをワンクッションになんかやってそのあとスートを活かした手品、とかできます。
スート揃うのは見せなくてもシークレットに使えば不思議なカード当てとかいけますね。
クリスケナーのあれとかどうでしょう。

Twice Ahead

3人を相手にするオープンプレディクション。
演者がカードを言って好きなところでストップするとそのカード、みたいなのを3人にやる感じ。

最初はバシっと決めてからずるいことする流れがいいっすね。
これ最近だとハラパンさんのやつがすげえ面白かったですが、ノーセットでできるこれも割と強いです。

Mentalism by Elimination

ダイヤの1〜5までを出して、1枚をデックに戻し、観客に1〜5までの数字を言ってもらいます。
言ってもらってからパケットを見るとその数字のカードはなくて、予言が当たってることを示す、というのを5枚なくなるまで続けます。

こういう残り物のカードでちょっと遠回りで示す予言は演じるのが難しいあたりではありますね。

Four Fly

スリーフライを4枚のエースでやります。
コインより隠すのが簡単そうに見えるので、原理どうこうより不思議そうに見せるのが難しいところを見事に成立させている手順です。

ベリーベリーイージーらしいカードの扱いも面白く、4枚移動の壁もカードならではの方法で解決。

Aces Production

4つのパケットにカットしてトップカードを見るとバラバラのカード、指を鳴らすとエースに変わります。

だいたいご想像の通りかと思いますが、えってなるとこがあって魔法感強いです。
他のSpectator Cut The Acesの手順と組み合わせたら観客にカットしてもらうことも可能。

Chink-a-Chink Cards

4枚のカードで行うチンカチンク。
これはFour Flyより隠してただけやろ感が出そうな気もしますし、コインより枚数の変化がわかりにくいのでどうかと思うところはあります。
コインよりでかいから隠せなさそうと思わせられるかどうかが勝負でしょうか。

Number Problem

予言で出してる2枚のカードの合計数と観客が取り上げた枚数が一致するやつ。
後半は予言のカードも観客に選んでもらえる不思議エンド。

この原理すごい面白くて、ダニダオルティスが取り込むとこうなるかという気持ち悪さも出てて良いです。

I.E.N

Everywhere and Nowhere的なやつで、サカートリック風に3回間違えてAを出してしまいますが、その3枚が選んだカード3枚に変わり、デックの中も全部選んだカードに見えます。
しかし3枚を見るとAで、デックもバラバラ。
ノーデュプリケート完全レギュラーで行う手順です。

最後に3枚しかAが出ないのはちょっとあれですが、すごくうまくデック全体が同じカードに見えるような構成だと思います。

Chosen Suit

フリーチョイスでマークを選んでもらって、デックから適当に何枚か抜き出してもらうと、それが全部選ばれたマーク的な手品。
実際には少し段階がありますがだいたいそう見えます。

フリーチョイス感が強く実際にフリーチョイスなのでちゃんと見せればかなり心理的な不思議さが出るんじゃないでしょうか。
段階のとこはほぼマジシャン都合ですが演出的にそこまで作業って感じもないですし、1対1とかだとかなり良さそう。

2 Deck Trick

赤青2つデックを使って青の方から2枚カードを選んでもらい、赤をポケットに入れて手探りで2枚のカードを探します。

これ最新のHere & Nowでもやってましたね。
あんまりバージョンの差はなさそう。
字幕付きで見るとちょっとデックを2つ使う意味が見え辛いあたりではありますが、サトルティは十分なのでそこ頼り。

Remember and Forget

3枚のカードを抜き出してもらって、そこから1枚覚えてもらってそれを当て、そのあと1枚が覚えてない方の2枚に変わるというネタ。

これもホフジンザーなんですね。
マルチエンドですが一応それが気にならないようになってます。
でもまあバッドエンドにはなりたくない感じ。
当たると後半も含めてかなり不思議。

DISC 3 – Psychology

ダニダオルティスのトリックの核になってるサイコロジカルフォースを丸々扱ったディスク。
クラシックフォースから数字のフォース、思ったカードの当て方や記憶をすり替えていく方法、見えないデックを使うフォースまで解説されてます。
イントロで自分流にアレンジしてくださいと言ってる通り、肝を抑えればそれなりに取り込みやすい話が多いです。
ちょっと厳しいと思われるものもいくつか含まれるので、ショーの映像がもう少し欲しかったあたり。

I Second for Magic

予言が書いた紙を出して、5連続でストップしてもらい、5枚のカードを見ると紙に書いてる数字と一致。
ストップしてからこっちでもこっちでもいいよとかなり自由度が高いトリックです。
この自由度の高さであまり怖くないので練習用にはぴったりな手順。

ACAAN

「良い数字」についての話がメイン。
数字は完全にフォースできるわけではないのでゴニョゴニョする必要も出てきますが、ゴニョゴニョから数え始めるまでの流れが綺麗。
観客に配ってもらえるカードアットエニーナンバーとしてはかなりバランス良いと思います。

エニエニの方は手順じゃなくてアイデアだと言っていたぐらいでかなり厳しめ。
こういう時にこそ態度が大事なのでしょうけども。
Reroadedではちゃんと演技して手順として解説してますが、それもちょっと難しさはありました。

THOUGHT COLLECTOR

コレクターなんですが、選ばれたカード3枚が消えて、真ん中で観客が思い浮かべた数字のフォーオブアカインドに挟まれてるという逆現象。

thought cardの応用例ですね。
ちゃんと解説されてませんが、記憶をうにゃうにゃさせる手順の流れのお手本としても良いトリックだと思います。

Imaginary Deck

レギュラーで行うインビジブルデック。
大筋を聴くと大胆な話ですが、インビジブルデックのストーリーからするとそこまで逸脱してませんし、こういう手法を使った演技例としてめちゃくちゃ参考になります。
これだけに限らずダニダオルティスは想像上の物を使う流れの引き込み力がすげえです。
ずっと観客の興味を惹きつけつつ、どこからがトリックに関係あってどこが重要なのかを曖昧にする高度なテク。
ゴーストの話のとことかめっちゃ笑うけど、あの話はトリックについてめっちゃ大事なセリフな気がします。

DISC 4 – Semi automatic

最後のディスクはセミオートマティック。
ダニダオルティスのセミオートはちょっとした技法に加えて大胆な気持ちが必要なものが多く、まあでもそれは手品全般そうだという感じなので演じてると不思議に見せる工夫が身につきます。
ちょっと理屈が謎とかいうのもありますが、サイコロジカルな工夫とかも組み合わされると簡単なのにキモい現象を達成できます。
演技で一番爆笑できるのはこのディスクかもしれません。

Twin Prediction

2つのデックを使って、1人の観客のカードの行方をもう片方の観客が探してしまう的な現象です。
具体的には片方のデックからカードを選んでもらって中に戻し、もう片方のデックを半分に分けてトップの2枚のカードの合計の枚数目から出てくるという感じ。

一つのデックでもできんことはないですが、2つで別の操作をすることで色々と隠蔽できる具合がよく出てます。

Imaginary Dice

想像上のダイスを使ったカードアットエニーナンバー。

ダイスの値を知ってから演者がカードを触ることもないし、カードを知ることもできないからコントロールも不能。
演技も面白くてダニダオルティスのエニーナンバー系の現象としてはかなり好きな方です。
見えないダイスの扱いがまあ見事ですね。
普通に数字言わすだけだとこの感じが出ない。
途中の操作のとこはちょっと前にダニダオルティスがよくやってたCAANのカードをバラバラに並べていくとこと組み合わせてやってます。

Business Card Collector

名刺を使った予言ですが、最初の数枚はギャグ的に観客のリアクションのセリフが書かれててそれが当たります。
ずっと失敗するかと思いきや、観客のカードが出たところではYESと書かれた名刺が。

このDVDにいくつかあるハンズフリーでのコントロール。
こういうサブアイテムが出てくる手品だとより効果的に使えそうです。
解説聞いたらそりゃそうなるやろってやつなんだけど、原理を全体の流れにどう組み込むかってのは大事っすね。

Missing Player

みんなでわちゃわちゃ混ぜてから演者がデックに触らないポーカーデモンストレーション。
ライアンシュルツのSSSSでも紹介されておりましたね。

ダニダオルティスがやると大元の原理をいかに誤魔化すかという徹底ぶりがやっぱすごいです。
カードの交換のとこのあの感じとか。

Card and Number

シャッフルしてもらって好きな枚数持ち上げてもらいテーブルの下で枚数を数えてもらいます。
カードを1枚ずつ見せていきその枚数目のとこのカードを覚えてもらいますが当たります。
繰り返し演じることができて、デマトスさんが素で驚いてました。

ABRACADABRA

シャッフルさせてからスタートできてカードを選ぶ時は後ろ向き、コントロールも不能っぽい状況でおまじないをスペリングするとカードが出てきます。
この組み合わせはやられる。

3 Opportunities

3回チャンスがあると言って3枚出すけど選ばれたカードと同ランクの3枚のカードを出して外し、選ばれたカードはデックの中で表向きになっています。
最近ちょっと流行りの某原理と演出の面白さで結構好きです。

ダニダオルティスは現象を先に言うのが好きですが、これはその効果がよく出てる手順かと思います。
リバースのワイルドさも好き。

Chaotic 21 Card Trick

めっちゃ笑うし不思議な21カードトリックです。
数理的なものとは乖離していく感じが面白い。
これ21カードトリックを知ってる一般の人にやると面白いんだろうけど日本にはなかなかいないのが残念。

EMCお馴染みのルイスデマトスさんによるインタビューは他のより短めな気がしますが、DISC3では心理学の話とかしてて内容は濃いです。
観客からすると自由なようで実はコントロール化にあるってのは完全にディストピアなのがまた。

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