1996年に出たPeter Duffieの作品集。
何かで引用されてて買ったけど寝かせすぎて誰の何だったか忘れました。
でも他のDuffie作品集と比べても良さげなトリック多かったように思います。
リフルフォースしてコントロールしてこうしてこうしてという淡白な解説が多いのですが、原理やその使い方が面白いやつもなんか好みに演じれそーってのも結構ありました。
Two’s Company
4枚のKを出して、カードを2枚選んでもらいます。
赤のKはテーブルに置いておき、黒のKをデックの上でひっくり返すと1枚はさまります。黒のKと挟まったカードはテーブルに置いて、赤のKをデックに載せてカットすると真ん中で2枚のカードを挟んでいて、黒のカードの間のカードは消えていて、という現象です。
何かの改案なのですが、元も消失と移動を見せる手品で、手続きがすっきりしてるとも言えず、何をやりたいのかはちょっとよくわからない感じです。
Diploid
2枚のカードで行うナンバートリック系の現象。
パケットを3つに分けて2つを2人の観客に渡し、シャッフルしてもらってボトムを覚えてもらって返してもらう。これで正しいナンバーカードを取り出せる位置にあるというなかなか良い感じの原理です。
そこから先の演じ方も解説されてるけどまあ好みの感じでなんとでもできそう。
セットはいるけどこれ系のトリックならこの枚数は許容範囲。
Amalga-Mate
予言のトリック。2枚のカードからマークと数字を合体させるタイプのもの。
予言をポケットに入れたりちょっと予言としてはあれなところもありますが、原理は良いものです。
たしかジョンハーマンの本に似たような感じでうまいことやってるのがあった気がします。
Jagged Edge
カードスタブ的にカードを探そうとするのですが、差し込んで抜くとカードが半分ギザギザに切れてしまい、残りの半分が観客のサインカードにホッチキスで止まった状態で見つかります。
面白いビジュアルです。
また、演じやすくカードをセットする工夫があって気に入りました。
いきなりホッチキスでとまるのはちょっとよくわかんない気もするので、ホッチキスを用意しておいてちぎれた半分の方にカシャっとやるともう半分にもホッチキスが…という見せ方とかどうでしょう。
The 25% Solution
上のやつのカードの破れ目1/4で行うバージョン。
こっちは手法的にもそんなに面白いところはなく、絵面も地味。
Procuring the Aces
観客に4つのパケットに分けてもらって、そのトップを好きな順番で演者の手に重ねてもらい、ある手続きで1枚まで減らす。これを同じ手続きで4回繰り返すと残った4枚がAになってるという手順。
どういう順番で重ねてもらっても同じように減らしていけるというのが肝。
すっきりしてるとは言い難いけど、うまいこと減らしていくところで緊張感を高めるように演じられたら結構不思議に見えると思います。
割と好き。
Metathesis
赤4枚黒4枚のパケットの中からそれぞれ1枚見て覚えてもらって、それぞれのカードが入れ替わるというトリック。
途中でちょっとした操作はあるけど、スライトも組み合わせるし入れ替わりは不思議に見えます。
Gala Show
4枚のKを出しておき、観客が選んだKをデックに載せてカットすると同じマークのQが隣に現れます。
エルムズレイのJubileeの改案で、原案との違いはカットをフェアにやるかスプレッドをフェアにやるかの違い。
これは原案でいいかなーという感じですね。負担のポイントの好みにもよりますけど。
あと後半の面白いところがなくなってるのでやや単調。
この方向で改案するなら観客のフリーチョイスを2枚2枚じゃなく4枚から自由にできるようにとかそういうのかなーと。
Forced Entry
1枚覚えてもらって戻したあとに、もう1枚選んでもらってシャッフル。
表向きにした隣のカードとの合計数の枚数目からセレクトカードが出てきます。
フルセットとファローを使った原理で、自由度も高くてなかなか。
セット壊れるトリックですが、元のセットに別の特性がついてるので続けて色々出来るのはいいかも。
Imogenetic
3枚のカードを選んでもらってそのうち2枚を使ってマークと数字を合体させて1枚のカードを決め、スペリングすると出てきます。
原理は面白いとは思うものの、これどうせならフルセットでフリーチョイスにできないかなーという感じ。
Simplaces
クライストフォースとスペリングを使った4枚のAのプロダクション。
まあ実質1枚なんですが、あのフォースを使いつつちょっと自由なところもあって悪くないんじゃないかと思います。
Succubi
25枚のESPデックを使った手順。
観客に1枚のカードを表向きにしてもらい、あれやこれやした後にポーカーハンドを配ると、表向きのカードがある場所だけが同じシンボルが集まってるという現象。
面白い原理です。
表向きにしてもらうところが演者にも見えるところと、あれやこれやがあるのでちょっと後出し感は出てしまうけどそこさえさらっと演じれば良い感じのトリックだと思います。
Chambre Ardente
これも25枚のESPを使った手順で、観客が選んだシンボルと同じシンボルを出す手順です。
ちょっと後半ぐだるけど、ラッキーナンバーを使ってパケットを分けてコインシデンスするところはよかった。
Aradia
5枚の中から1枚覚えたESPと、観客がポケットに入れた誰も見てないESPを当てる手順。
これも25枚のデックからスタートするものて、ちょっとマニアも煙にまけそうな原理が使われてます。
使う5枚はカードをトップから配ったりボトムから配ったりしてもらうようにして、覚えたらすぐ混ぜてもらえるというのが良いところ。
レギュラーデックだと抜けたカード当てるの手間取るけど、この手順だと堂々と演技できるから普通に受けそう。
Medvegia
ESPカードを2種類並べて、観客がコインを置いた2箇所が一致するというトリック。
ESPカードものはどれも良かったけどこれもなかなか。
本格風のと比べるとちょっと作業多いかなと思うところもあるけど、別にこういうのもなしじゃない。
The Supernal Datebook
手帳と封筒を出しておいて、日付けが書いた数字のカードと、月が書いたカードの中から1枚選んでもらい、決まった月と日付けを手帳で確認すると、封筒の中身が予言されているという現象です。
フリーチョイス感が強く、覚えることも少なくてカレンダートリックとしてはなかなか良いんじゃないでしょうか。
カードでなく、封筒の中身という見せ方も色々面白いことができそう。
カードの名前じゃなければデジタルも対応しやすいですし。
The Second Hand Gambler
ロイヤルフラッシュディールからエニーコールポーカーハンドの流れ。
これ系の中ではセットが簡単で覚えやすいようになってます。
Blakjak
リフルシャッフルしてもらって半分ずつに分けてお互いにカット。
その後トップカードとボトムカードを交換するときれいにブラック・ジャックができます。
ちょっと交換する意味とかよくわからんかったりもしますが、傑作Ilusion vs Rearityの片鱗がちょっと見えるトリック。
Blade Runner
ナイフにつきさすカードスタブで、サカートリックになってて刺した状態のカードが変わります。
ナイフに刺すところ自体は不思議に見せるものではないから、派手な現象からのサカートリックとしてありな手順だと思います。
ハンドリングも悪くありません。
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