by jun | 2020/03/27


ピーターダフィーが2010年に出した作品集。
Lybraly.comに電子版があります。
最近Conjuring Archiveでピーターダフィーの本が続々と追加されていて、なんとなく感化されたので積んでたものを読みました。
びっくりするぐらい多作な方で、小ネタやアイデアレベルのものも多いですが、逆にあっさりした良さもあるし汎用性の高そうな動きや原理もあったりするのでコンディションの良い時に読むと楽しいです。
それでいうとこの本は比較的ちゃんと手順になってる感じなので面白く読める方だと思います。

Return to Ipcress

セレクトカードのフォーオブアカインドがビジュアルに出現するトリックです。
選んでもらって、デックをにゅるんとすると変化したりして3枚出るみたいな感じ。
プロダクション自体はテーブルを使わずに行えて、動きもなかなか気持ちいいものです。
全体で見ると、フォースやコントロールに特に工夫がたく、もう少しセットを活かした何かが欲しかった印象。
選ばせるとこ飛ばして普通に4枚出しとして見せても良いかもしれません。

Flagmenred Thoughts

4分の1が残ったカード、半分残ったカード、4分の3残ったカード、普通のカードをテーブルに出し、観客が選ぶのが予言されてるというマジック。
見た目は面白いものの、フリーチョイス感にはやや欠ける感じはします。
いくらでも工夫できそうなものではあって面白いですけども。

Charcol – B

コンビンシングなトップコントロール。
いやまあ、別にそんなことする必要があるかどうかと言われたら別にないというか、手品知ってる人を完璧に欺けるものではないのでいつ誰にこれをするかというのはあるのですが、とりあえずトップには来ます。

Delivery Date

日付けを決めて、手帳のその日を見ると何かが予言されてるという手品。
予言の当て方の演出が面白く、日付けの決め方も良い感じにフリーチョイス感があって完成度高い手順です。
数字が書いたカードを使いますが、ちょっと頑張ればトランプでもできると思います。

Folder

4つ折り方法。
段階的な動きで行うものですが、綺麗な4つ折りになります。
意外とそこまでスピード求められるものでもないし、綺麗に折らないとどうしようもないシチュエーションも多いので覚えておくと良さそうです。

Jacks Blaks

4枚の両面黒いカードに、選んでもらったカードが印刷される的な手品です。
印刷されるのは1枚のカードですが、それをフリーチョイスっぽく選ばせるところと印刷のされ方が良い感じになってます。

Lie Witness 2

テーブルを使わないパケットを分けないビジター。
この手のビジターは賛否分かれる感じあるっぽいですけども、個人的には消失を綺麗に示せてサンドイッチの現象もさらっと見せれるし割と好きです。
この手順の流れも普通に良い感じだと思います。
ちょっとテクニック多めですけど、そこまで負担感じない構成にはなってます。

Witness in Your Pocket

カード2枚選んで、1枚は絵札にサンドイッチしてデックの中に、1枚はボトムに置いてピロンてやるとボトムが消えてサンドイッチの中へ。サンドイッチしてた方はポケットから出てきます。
ポケットじゃなくてもどこからでも出せるので、例えばテーブルに置いてた別の絵札の間から出たように見せるとかもできます。
特にもたもたせずスッキリしたハンドリングで良い感じです。

Book Test 1 / Book Test 2

大枠の手法が同じブックテストが2種類解説されてます。
1の方は現象的には普通のブックテストで、こちらは頑張れば借りた本でもできそうな感じ。
2の方は紙に描くタイプのもので、処理として賢い気はします。
演者か観客が紙に書かないと他の人に現象が伝わらないってことで書く意味もありますし。

Dinner for Two

2枚のキングの間から4枚のエースが一枚ずつ消えて行くという少し変わったカニバルカード。
原案はロイウォルトンらしいです。
コストパフォーマンス的にはちょっと苦しい感じはしますし、細かいことは分からなくてもだいたいそうなってるのではないかと想像しやすいものでなかなか難しそう。

Three Way Two / Three Way Trick

3種類のアウトができる予言方法。
2枚のカードにマークと数字がそれぞれ書いていて、それで予言します。
3種類目はともかく2種類までは説得力ある方法方法です。
使用例としてトリックが解説されてますが、普通の感じのナニです。

Pivotal Aces

サンドイッチで4A出すSt Nicholas Acesのバリエーション。
ダフィーさんいくつかこれ系を発表していますが、これはジョーカーからAの変化がビジュアルなやつです。
ビジュアルにすると結構現象の意味合いが変わってくるところがあって、ジョーカーだと思ってたものがAに変わった的な面白味はなくなります。
あとこの手順、サンドイッチの出現が表だったり裏だったりして、それでいて表向きセットがあるのでちょっと引っかかるところは多いです。

Zodiak Killer

カードごとに星座の名前を書いた表があって、その名前の通りにスペリングするとそこから選んだカードが出てくるというもの。
予言にもなっているトリックで、どっちもやっちゃうと不思議さが薄れる感じはちょっとあります。
表に工夫があるものですが、実際はもう少しバレにくいようにしてもどうにかなるものだし、カードはレギュラーで良いので持っておくと便利かもしれません。
実際やってみると面白いと思います。

“A” But No “E”

主にスタックで使うグリンプス方法。
おっちょこちょいを演じる必要があり、見た目はそんなによくないです。
おっちょこちょいには見えます。

Flat-Pack

裏を白と黒で塗って丸めるとウォンドになるカードでおまじないをかけると、その表が観客のサインカードになるという手順です。
オチの前にサインカードでもう少し遊びたいところではありますが、一応一工夫あって普通のカードにサインしたように見せれる感じになってます。このセットならアンビシャスカードを組み込むのも容易でしょう。

Easyバージョンとして、キャメロンフランシスのバリエーションも解説されています。

I Know Three Things For Sure (Harvey Rosenthal)

リバース現象です。
テクニック重視の手順ですが、前フリの演出などが丁寧に解説されています。
カードを差し込んでから両手でデックを持っている時間が長いのはちょっと気になるあたり。

Peters Steinway (Harvey Rosenthal)

パケットで行うメイトカードの一致現象。
分けて置いてもくっつく的な、そういう見せ方で、最初からセットを見せて行うので移動現象的な見え方になります。
謎といえば謎ですが、微妙に巧妙なところもあり、現象としてはっきり見せられるようにはなってます。

最後の最後に別の人がピーターダフィー感ある手順をやっていますが、全体的には面白いところも多い本です。

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