by jun | 2020/04/08

2013年に出たピーターダフィのカードマジック本です。
あちこちで電子版の取り扱いがあります。
個々の作品の完成度という意味ではかなり波があり、フォースはとりあえず全部リフルフォースだったりこだわりの感じられなさもある人なんですけど、絶妙な金脈感があってそれぞれのムーブやアイデアなど覚えておいて損はなく、多作な人ならではのやり尽くした後のネタの掘り方とかはなかなか面白かったりもします。
結局は読んでみないことにはわからんし、読んだら読んだでピーターダフィを読んだなーという感想になるわけですが、この本はひねくり回しすぎて現象が意味不明ってレベルのものはなくてさっぱりしてました。
むしろさっぱりしすぎてて何それってのまであります。

Card to Envelope

カードトゥ封筒です。
封筒の中にカードが入っていて、それを取り出すとサインカード、封筒をあらためることができるようになってます。
面白い工夫で、工作も必要なく、封筒もあらかじめテーブルに置いておけるというなかなかの好条件。
パームを使わない方法が解説されていますが、使い方は色々考えられると思います。
頑張れば封筒以外のものでも使えるかもしれません。

Lie To Me

カードを選んでもらい、カットしてトップカードを見せてこの色だったかどうか聞いてそのカードは裏向きに伏せておき、同じように絵札か数札か、マークはなんだったかというような質問をします。質問には答えてもらわず、それを読み取るという演出ですが、選んだカードがポケットから出てきて伏せていた3枚のカードが選んだカードのフォーオブアカインドに変化します。
ポケットのカードは観客に取り出してもらえるようになっていて、演出上の工夫でそうできるようになっていて負担も少ない方です。
フォーオブアカインドが揃うところはよくわからん気もしますが、全く関係なく3枚を出すわけではないので普通に演じられる範囲だと思います。

Clouseau for Workers

Diamond Cut Diamondのなんちゃらディールを使わなくて良いバージョン。
1〜10のカードを順番に並べて、観客に好きな数字を裏向きにしてもらい、パケット全体を裏返して数字の枚数配ると選んだカードが表向きで現れます。
仕組み自体は上手くできているものですが、いきなり表向きで出てくるので意外性のタメを作れないのはやや辛いところでしょうか。
なんちゃらディールはしなくてよくなってますが負担が0になってるわけではないので、どこの怪しさが気になるがで好みが別れそうです。

JackAces

2枚のジャックでサンドイッチカードをやった後、デックを広げると赤いジャックが選ばれたカードと同じ数字の3枚をサンドイッチしています。
たぶんこれを読んで概ねこんな感じかなと思う方法ではない少し複雑なことをしています。
ただ、そのせいでちょっと無理なことになってるところがあり、誰もが思いつく方法でも特に困ったこともないので、サンドイッチの中のムーブを使いたかったのかな感が強いです。
コレクターがクレジットされているから、終わったと同時にコレクター状態になってるようなことを期待したのですが…

Countless Ace Turning

エルムズレイカウントを使わないツイスティングエーセス。
スプレッドして1枚だけ表向きになってる状態を示せます。
それだけにというか、原案にもある、途中で1回だけ向きを戻すところが気になるっちゃ気になりますね。
オチをビジュアルな変化にしていることもあり、ひっくり返るカードが変わる的な見せ方にしてると思うので、そこはなんか工夫が欲しかったところ。

Matter of Facts

Lie Detectorというかなんというか、4枚のカードの下に選んでもらったカードを置いて絵札/字札、色、マーク、数字と順に聞いていって1枚ずつカードを並べていきます。
観客はどう答えてもいいのですが、並べたカードを見ると質問ごとに選んだカードと同じ属性になっており、当たっているという感じの何か。
だからまあ予言的な見せ方にはなるのですが、どうでしょう。
この回りくどい感じが観客からすると他の可能性とか考えることになって、味となるような気もしなくはないような思いがないこともないですが、

Twister’s Bluff

エルムズレイのTwister’s Flushのバリエーションです。
現象はロイヤルフラッシュのツイスト現象をやっていって、Aだけ消えてポケットから出てくるというものです。
ポケットから出てくるとこも含めて大筋で原案通りなので、技法の好みっちゅう感じではあります。
ダフィ版はギャンブラーの話に合わせた変化現象的なものになっていて、これはこれでありという気はします。

Return of the 7

6枚を選んでもらい、さらに1枚覚えてもらい6枚の中に差し込みます。
1枚表にすると全部が表向きになり、全部が黒いカードになります。
1枚だけ裏向きのカードがあり、それは赤いカードで、選ばれたカードだけは言うことを聞かない的な見せ方です。
もっとカウントとか駆使して段階的に現象を見せるとかもあると思いますが、このあっさり感は結構好きでした。

Homing Cards

ポケットに通う方のホーミングカード。
セレクトカードは2枚で、キックバック的な見せ方をしています。
ホーミングカードは1枚の方が綺麗な気もしますが、キックバックさせる方法としては賢いです。
でもスタンディングでひとネタみたいな時には現象盛り込めて普通に見せられば結構良いかもしれません。

Little Sympathy

現象は8枚の中から1枚抜き出してもらい、残りを裏表に混ぜると、1枚だけ表になっていて、それが抜き出したカードのメイトカードという手順。
エルムズレイのIt’s a small worldを基にした、と書いてますがIt’s a small worldは赤黒を観客が分けるマジックで、ほとんどパケットトリックという共通点ぐらいしかないです。

BLACKSTONE in My Pocket

BLACKSTONEとそれぞれ1枚ずつ文字が書かれたカードがあり、よく混ぜて観客に1枚取ってもらいます。
その後観客にデックの中から1枚選んでサインしてもらい、BLACKSTONEのカードはポケットにしまいます。
デックのトップからA、B、Cと配っていき、最初の観客が抜いたアルファベットのところで止め、抜かれたカードが当たったことがわかります。
そしてそのストップしたところからサインカードがーー?出てこなくて、ポケットから出てきます。
普通に考えたらストップしたところから出てきた方が良いと思うのですが、そういう手品です。

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