by jun | 2020/04/12

2011年のピーターダフィ本。
現象が良い感じのものも多く、セリフや見せ方の工夫もあり、ハンドリングにもこだわりが感じられました。
ちょっとよくわからんのもありましたが、個人的には最近読んだダフィ本の中で一番好みです。

K.F.C.

ジョーカーにテープでリボンをつけてデックの中に戻し、リボンを引っ張るとジョーカーが出てきますが、もう一度引っ張ると観客のカードがせり上がってきてテープがついたリボンも観客のカードについているという手品です。
Karl Fulvesが元ネタのようで、タイトルもその略になってます。

現象も面白いですし、ハンドリングも良く、カードには何も加工する必要がなくレギュラーで出来るのでリボンとテープさえあれば演技できます。
カードマジックのルーティンのちょっとしたアクセントにはかなり良いネタではないでしょうか。

Misdirection Monte

スリーカードモンテのオチで、当たりのカードだと思ってたカードが観客のサインカードになる手順。
当たりのカードを観客に持ってもらって、手札の中のカードが1枚増えて…という見せ方なので、最終的に4枚のカードが残るためモンテ部分の不思議さがボヤけそうな気もしますが、あんまりモンテモンテした見せ方でもなく、ハンドリングも面白いものになっていて、改めながら綺麗にスイッチできるようになっていて面白いです。
サインしてもらってすぐこれするとさすがにきつそうなので、サインカードでなんかやってからモンテという感じに繋げればかなりインパクトありそう。

Broadside

横向きにカードを差し込んで、押し込むと反対側で別のカードが見えて変化したように見えるやつ。
若干カードが伸びたように見えてしまう感じがあるのですが、かなり安定して行える方法です。
ゴミ処理の部分まで流れで出来るので、現象のバリエーション考えられそう。

From Beyond the Veil

パケットで行う2枚のカード当て。
スペリングを行うもので、上手いこと原理を使ってます。
割とセリフの言い方勝負なところがあって、そこに面白さはありますが、スペリングする言葉は半分は決まってて半分は対応なので、そこを上手いこと全部最初から決まってたように見せれば楽しそうです。

Biddle Wed

4枚のKと4枚のQの同じマークが隣同士になるやつ。
バラバラに見せてそこから1枚ずつ示していくだけで隣同士になります。
えー!それだけで出来ちゃうの!と一瞬興奮したのですが、同じ操作をあと2回繰り返す必要があり泣きました。

Dance Steps

Biddle Wed と同じ現象。こっちは2段階の現象になってます。
こっちは覚えることが多く、操作も若干ややこいですが、バラバラを見せてからすぐにペア化します。

Numberville

カードアットエニーナンバーです。
取った枚数からシークレットナンバーを決める方法で、この手のやり方はいかに当たり前のことだと感じさせないように取ったカードを戻すかが肝ですが、巧妙な方法だと思います。

Royal Apex

4枚のQが1枚ずつ消えていき、カットして4枚のKを取り出し、カットした四箇所からクイーンも出てくるという手順。
消すところも出すところも同じ動きの繰り返しなのでやや単調です。
単調さを避けるためのこのプロットを周りくどく見せないようにできるかどうかが勝負になってきます。
この手順で表向きのセットや途中にハーフパスをしなくてもいいのは面白いあたりでしょうか。
普通にセレクトカード3枚でコレクターにしてしまっても良さそうですが、と思っていたら次の”Populace Revisited”はそういう感じの手品でした。

Post Production

ポストイットを使った2枚のカード当て。
デックを広げるとポストイットがついたカードがあり、それが一人目のカードで、そのカードがもう1枚のカードに変化する現象です。
見た目的にはシカゴオープナー的なナニですが、現象的に1フェイズで2枚とも覚えてもらいやすい構成になっており、変化の見せ方もなんか良い感じになってます。
かなり強く「ずっと持っていたカードが変わった」という印象を与えることができると思います。

Searles’ Aces

Aに3枚のカードを乗せてデックの中に入れる、ということを繰り返すと、4枚目のAに乗せる3枚が全部Aになります。
なかなか3枚乗せて混ぜるという動作に意味をつけ辛いところはありますが、とりあえずなります。

Safe Cracker

4枚のスポットカードが4枚のAに変わるプロダクションのようなもの。
若干変化現象としてはわかりにくい感じもありますが、低負担かつディスプレイも綺麗です。

そうそう、最近感想を書いたピーターダフィ本が全部入ってるバンドルがLybrary.comにあります。

Marpis by Tommaso Guglielmi : Lybrary.com

なんと280ドル分の電子書籍が20ドルで買えるという謎セット。一応チャリティ的なものなのですが、8 Effects and a Sleightも入ってるしそれ持っててもダフィに興味あれば是非という感じです。
あとはエニエニ系一本釣りのノートがいくつか入っていて、エニエニを煮込みすぎた感じのとかあって楽しいです。

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