1994年に出たChad Longのレクチャーノートの日本語版。マジックランドから壽里竜さん翻訳で出ています。
内容はカード、コイン、日用品と様々で、ちょっと変わっててクイックアンドビジュアーないつものChad Longが楽しめます。
ほんまに最高ですねこの人は。
Back & Forth
カード当て。
観客のカードをデックに戻した後に一番上のカードを見ると「ポケットの中を見て」と書いてあり、ポケットの中には「テーブル上のカードを見て」と書いてあり、そこから面白いことになっていきます。
回りくどいのが全部意外な展開に回収されるので綺麗だし普通にめちゃくちゃ面白いです。基本的な技法で技法の使い方も変わってるわけじゃないのに、こんなに面白い事ができるのかと最初に見た時はえらい感動しました。
また、補足のメモにはマニアを意外な展開に落とすための考え方が書いていてなるほど確かにという内容です。
Cards Under Drink
カードアンダーザグラスを2回やります。
2回目はグラスと1回目のカードの下に移動するということで、見た目も手法も良いですが、時間差でやるために他の手順を挟む必要があり、それ専用の手品が解説されていればなーというところ。
まあ実際に全く関係ない手品やった方がまた突然移動した感じが出て面白そうではありますが。
Chad Longのカードアンダーザグラス解説が読めるのが嬉しいですね。
Pen
ペンの手品。
カードにサインしてもらう時の小品と言いつつしっかりした構成で現象も派手だし笑いになる手順です。
最初の外してポケットにしまったキャップが元に戻るところが特にお気に入り。
最初の現象が確かに外したものが戻ってくるというものなので、後の連続する移動にも説得力が出る感じ。
意外とペン以外でこの感じ出なさそう。
Three Across
左手に持った4枚のコインのうち1枚を右手に持つと他も全部右手に移動するという現象。
これは他のに比べるといわゆる改案という感じの作品ですが、スピード感はChad Longっぽーいって気がします。
むずい。
Insta-Match
マッチを擦らずに、擦るとこにチョンと触れさせただけで火がつきます。
安定させるのむずいけど決まるとめっちゃ不思議に見えるし即席で演技可能。
クラシック感すらある傑作です。
Circle O’ Gold
指輪の出現。
指輪サイズの物を出す方法ならいくらでもあるわけですが、指輪だったらこういうあらためが出来てこういう出し方したいよね〜って感じになってます。
X-tracting 4
コインボックスに入れた4枚のコインを1枚ずつ抜き取っていきます。
ボックス4枚入れるやり方は色々あるけど入れてすぐあの状態に出来るものとしてはかなりラフに行えるものではないかと思います。
コインボックスの活用具合はリバースマトリックスほどではないけど、現象はめちゃくちゃシンプルで良いですね。
他にコントロール技法2つとあとがきが載ってます。
このあとがきが結構好きで、Be Yourselfとめっちゃ基本的な演技の心構えの話で似たような事は他でもいっぱい言われてますが、この本に載ってる手順が楽しいので楽しくやれと言われるのも説得力ありますし、どのレベルでも実感出来ることが書いてあるんでマジックで大切な事という大きな話も納得しやすいです。
薄い本なので別の本に挟まってるのを発見して読み直してました。2もどっかにあるはずなんですがありゃどこに行ったんでしょうか。
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