by jun | 2018/03/18

ライアンシュルツのスーパーストロングスーパーシンプルにBath Towel Mentalismが収録されていることを知って久々にちょこちょこ読み直してました。
読み返してもやっぱり面白いです。
創作の経緯からクレジットまできちんと記されていて、わかりやすくて飽きない文章、トリックも斬新という理想的な本だと思います。
演技の一部が収録されてるDVDで不思議さを味わって解説を読むとマジ感動します。

Magic Slap

選ばれたカードが両手の間から出現します。
クロースアップで使うプロダクションとしてはこれがベストな気が。
カードを選んでもらってからプロダクションまでの流れがとにかく綺麗です。
操作するための動きの説得力。

Shrink Vanish

カードが縮んで消えてポケットから出てきます。
縮ませ方、消し方、出し方、全部に工夫があって面白いです。
本当に縮んで本当に消えて本当に出てきます。

Reverse Highlight

選ばれたカードのリバース現象です。
無駄な動きなしです。
1枚のリバースでこれ超えるのあんまないんじゃないでしょうか。
ここで使われる技法に関する考察もめちゃくちゃ面白いです。

Another “All Back”

トランプの表が消えて全部のカードが両面裏になります。
悪知恵っぷりが炸裂してて楽しいです。
トランプが故障するという演出もさすがという感じ。
ディスプレイ時のセリフとか復活する時の理屈のストーリーも楽しいです。
演出と手法の合理っぷりが素敵。

Acrobat Leader

フォローザリーダー。
とってもわかりやすくてビジュアルなバージョンです。
賢こさと裏の作業の巧妙さと大胆さで見事に欺く佐藤総さんの集大成的な作品だと思います。

Bathtowel Mentalism

バスタオルの下に二人の観客に手を入れてもらってカードを半分ずつ渡し、一枚ずつひっくり返してもらってそれを当てるという透視手品。
ライアンシュルツさんはバスタオル使わずにテーブルの下でやらせてましたがバスタオル使った方が事故起きにくいし絵面がおもろいので絶対バスタオル使った方が良いと思います。
レギュラーカードでできてバスタオルに入れてからは演者はカードに触りません。
観客に操作してもらう手品の中でも事故が起きにくい部類ではないでしょうか。

Lucky Number Poker

二人の観客にポーカーの手札を配って、それぞれにラッキーナンバーを決めてもらいます。
そのラッキーナンバーに従ってカードを交換すると、それが予言されてます。
ポーカー系の観客の参加のさせ方も新しいですし予言の方法も楽しいです。
テクニックすごいとならないギャンブルマジックは良いですね。

Blue Print

観客にシャッフルさせた後、テーブルにカードを表向きで広げます。
4枚のキングの中から観客に1枚もらい、同じマークの他の12枚を抜き出すとそれが予言されてます。
シャッフルからの予言は強いです。

ZEN Derby

マッチ棒で競馬場を作って、馬に見立てたエースで競馬をします。
観客にシャッフルしてもらったデックから一枚ずつめくってもらってマークごとにどれだけ進ませるかというルールでやるのですが、その結果が予言されています。
佐藤さんの作品で小物が登場するやつはだいたい良いと思っていますがこれも御多分に洩れず。
予言だけ用意しとけば競馬できるのも良いです。

Mimic show

当時物凄く話題になった技法です。
割と好き嫌いが別れるようですが、この技法単体でじゃなくこれを使ったマジックを見るとやりたくなる人が増えると思います。
目的だけ見ると別の方法もあるのでそっちでええやんってなりそうなところを、使い方の賢さで黙らせてる感じあります。
何も知らずにDVDで見た時はレギュラーじゃないと思いました。

Amnesia

オイルアンドウォーターというかなんというか、エースと関係ないカードを交互に置いてってエースが4枚上から出てきます。
記憶力のテストという演出もとても面白かったです。

Amnesia lite

Amnesiaのライト版。
こっちの方がすっきりはしています。
たぶんオイルアンドウォーターにおける枚数の好みでどっちが好きか別れるかと思います。
僕はライトの方が好きです。

Worker Bee “Collectors”

コレクターです。
選ばせ方とかカードの枚数とか、ガチコレクター派からすると邪道なのかもしれませんが、個人的にはカード2枚で済むなら観客の負担も少なくて済むし、2枚でもディスプレイ的にはコレクターだしこれで良いのではと思います。

Love a dove dove plus

前作「トランプと悪知恵」のLove a dove doveのバリエーション。
4枚のAを1枚手で隠し、これが消えて箱の中から出てきます。
比較すると痛し痒し感はありますが、フェアさと移動の強烈さにおいてはplusの名に間違いはないかと。

Outsourcing sandwitch

観客が操作するサンドイッチカード。
途中から一切演者はカードに触れず、好きなところで止めて2枚のエースを入れてもらいますが、エースが寄って観客のカードをサンドイッチしてます。
最初見た時使わない黒いエースの存在が気になったりはしましたが、サンドイッチカードの完成形の1つではないでしょうか。
カードの示し方もワクワク感を残す演出でとても楽しいです。

Bushfire triumph ver.1.5

2枚選ばせる必要があったBushfire triumphが1枚になって帰ってきました。
しかも混ぜた感は増してる気がします。
子供がこうやって混ぜてしまったというのと、確かに子供はそうやって混ぜそうみたいな感じが良いですね。
カオスなディスプレイから戻るまでのスピードにビビります。

というわけでおよそ10年ぶりに読んでも斬新な印象は変わりませんでした。
むしろ色んな手品知ってから読み直すと特異な事がよくわかります。
あと、比較的シリアスにもコミカルにも振れれるようなものが多いと思いました。
メンタルと付いてるBathtowel Mentalismも絵面からしてそこまで重くないテンションで出来ますし、手法はマニアックでも自分なりの演出つけやすいというのは良いことだと思います。
個人的ベストを1つ選ぶならReverse Highlightです。
これは本当によく演じます。

佐藤総さん今はテンヨーで鬼クウォリティの手品作られててカード以外も本当にすごいです。
必勝アミダくじとかビビりました。
カードで好きになったクリエイターが他の作品ばかり出してるとまたカード出してくんねえかなと思うもんですが佐藤さんに関してはなんでもいいからやばいもん作り続けて欲しいと思います。

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