マジックマーケット2019で購入した高重翔さんの作品集。
ダウンロードカードでの販売で、今MAJIONでも取り扱いがあるみたいです。
LITTLE GIANT無印の方はカードとコイン半々でしたが、2はカードマジックオンリーの全5手順。
細部にこだわられた手順を超綺麗なタッチで演じられています。
CHANGE
デックの中から適当に4枚選んで、それが全部Aに変わる手順。その中で使われるチェンジの手法の解説がメインになってます。
違うカードを見せてからデックとパケットの接触感をなくす事を目指した手法で、魔法感強いです。
非ビジュアルなことによる気持ち悪さが出ててとても良いと思います。
この中ではデックの上でのパケットのチェンジで使ってますが、シングル、パケットトリックでの使用など応用範囲も広いです。
接触感を失くす工夫というのは他の手順でも随所に見られて、カードマジックを一段不思議に見せる肝っぽい。
JUMP
輪ゴムが消えてお客さんのカードを探すやつ。
定番のやつとはかけ方がちょっと違って、輪ゴムがかかったカードが飛び出してきます。
「輪ゴム消えました!」からデックをカットしたりスプレッドしなくても飛び出させることができるのが良いっすね。
輪ゴムが探しにいったのなら輪ゴムのパワーだけで探したように見せたい、そういう感じの手順だと思います。
輪ゴムとカードというとオートマチックに輪ゴムが仕事してくれる作品が多いですが、やっぱ難易度が高くてもコンセプト重視な作品は見た目が良いです。
ILLOGICAL
イロジカルチェンジのアイデア。
手首をぐりぐり捻ったり素早い動きでカバーする必要のない手法です。
理屈で考えるとイロジカル度は上がってると思うのですが、全体のペースを合わせられることが自然さに繋がっていて普通の動きに見えます。
見えちゃいけないものを観客の目から隠す距離を短くするとそれだけゆっくり動けるという感じでしょうか。
OIL & QUEEN
油妃の手順。
手順というか、赤黒4-4を混ぜた状態からクイーンをあれする方法の解説です。
これ技法的には前作で知っていたのに映像でもめっちゃ引っかかります。
現象が起きるエリアがはっきりしてるからというのもありますかね。
このやり方だと赤黒4-4を広げて見せてからスタートできるし、そこであれした感もないのでオチのインパクトがとても強いです。
あと、前半の解説がない4-4の手順はチャドロングの水油のバリエーションなのですが、これが非常に綺麗にまとまっていました。
確実に交互に入ってるの見せてから無駄な動きなく別れます。
チャドロングの元のやつも普通に良いんですけど、パケット全体を返す動きがない分かなり不思議度上がってるように思いました。
しわ寄せは中盤にくるけど赤4枚示した時点でほぼ現象見せ切ったようなもんだしそこらへんのバランスも元ネタから引き継がれてます。
FUSION & EXCHANGE
リチャードカウフマンの “Fusion” のバリエーション。
元ネタよりトランスポジション感が強まった見せ方で、観客がずっと持っていたカードと入れ替わった感もめっちゃあります。
カードがくっついたり離れたりするところのリアリティも凄くて、演技だけでかなり見応えありました。
しかし上手い。あの軽ーいタッチむっちゃ憧れますね。
上手いだけじゃなく、手順の中で あっ てなるとこを失くすように組まれてるから考え方としてとても参考になります。
こういう工夫はマニア相手のためのものというわけじゃなく、マニアが「見て」察知するものというのは誰にでも見えるものであって、知ってるか知らないかより見えるか見えないかという話だと思うんで、複雑にせずに難しい技法だけで解決しようとしてない感じとかもめっちゃ良かったです。
ボーナスとして3ボールトリックの演技映像が入っていて、これがとにかくやばかったですね。
ぬるんぬるん消える。
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