by jun | 2019/10/08

2008年に出たシドセガールのDVD。
カードマジックの手順が7種類解説されています。
Dan & Daveのところから出てるDVDの中ではかなり異色な感じで、あまりゴリゴリしておらず騙し方がいちいちおもろいです。
映像で見ると結構ギリなのも多いんですが、実演だとアリよりのギリぐらいに寄って、怪しい所作なく数手先に行くにはちょうど良いバランスだと思います。

A Logical Lesson

枚数が変わったり表がごっそり変わったりするパケットトリック。
現象的にはこれが1番おもろいですね。
イロジカルな技法を使って理不尽なことが起こってその変化に応じて合理的な影響も及ばされるという、こんだけ演じていて気持ちいい手順もそうないかと思います。
ぶっちゃけあのカウントでスタートするパケット手順はそんなに好きじゃないですが、現象の良さで十分お釣りも来ます。
レギュラーから組めるパケットなので、説得力出すためにスタートに使うカードを別の方法で見せておくことは可能です。

Triumphant Turn-Down

フォールスシャッフルを使わないトライアンフ。
これ演技映像がダメで大事なとこが写ってなかったからあれなんですが、十分実用的なものだと思います。
ただし、元の技法がじっくり見られても大丈夫な巧妙さがあったのに対し、こっちのはどうやっても違和感が残るという感じです。
これに似たような手法の中では優れているとは思うものの、セリフで完全にカバーしにくいという意味ではトライアンフとか現象起こす手前に説得力が大事な手品とは実は相性そんなによくないのかなと思ったりします。
この人のトライアンフだったらVery Fair Triumphの方が好きですね。

Double D’s and Aces

観客がシャッフルしたデックからスタートするスペリングトリック。
スペルしたところからAが出てきます。
観客のシャッフル、バラバラの位置からAを出せるというなかなか理想的な手順です。
4回繰り返すからスペリングにありがちなマジシャン都合感もないし、綴れば出てくるという面白さも出やすいかなと。
一応最後に出るAにちょっとした工夫があるので単調すぎ感も緩和されてますが、まあこういうのに関しては現象が積み重なっていくこと自体が盛り上げに直結するので別に普通に出しても良いと思います。
日本語化は色んな意味で厳しいです。

Indications

ちょっと現象を説明しにくい感じなのですが、色違いのカードを使った2枚のカード当てで、色違いのカードと最初に当たったカードの2枚が2枚目のカードに変化するという手順です。
書くとややこしい感じになりますけど意外な現象系にしてはプレゼンテーションは楽な方で、観客が混乱するというようなこともないと思います。
観客に色違いのカードを好きな場所に差し込んでもらったり、色んなハンドリングや見せ方が考えられそう。

Collector’s Edition

コレクターの後にあれこれするためのスイッチと追加手順のアイデア集。
例えばコレクターの後に、3枚のカードをまたデックに戻し、もう一回やるよーみたいな雰囲気の中4枚のKが選ばれたカード3枚に変化するというようなことができます。
もう少し直接的なトランスポジションの見せ方もあって、枚数ごと変化する入れ替わり現象をとてもわかりやすく見せていて好みでした。

No Lap Reynolds

Kが全部Aに変わるオチのアセンブリ。
ただ変化するだけというより、KだったカードがAになっていてマスターパケットのKもAになるよという見せ方で、意外と整理されています。
アセンブリ部分も大胆ながら引っかかる感じのやり方で、ジョンバノンのあれとかそういう系のあれで好み。
一点、構成上デックやスポットカードのパケットをテーブルに置いておかなきゃいけないんですが、その状態でTフォーメーションにするからなんか散らかった感というか位置関係が把握し辛い弱点はあります。

G.A.F.T.

ギャフカードを使ったサンドイッチカードの手順。
ギャフカード1枚で変化、サンドイッチ、消失、移動という一連の現象をクリーンに見せることができます。
ヘルダーギマレスのあれをもうちょっとライトにトリック寄りにした感じと言いましょうか、手法も似てるので見比べると良いと思います。
似たような現象はレギュラーでもできるけど、ギャフ1枚入れるだけでどれだけショートカットできるのかというところも見所です。

全体的に好みが分かれそうな手法が使われておりますが、ハマればでかいし低負担で大きく手数を稼げる手段というのは覚えておいて損ないです。
既存技法や原理の組み替えじゃないアイデアが多く入ってる人の作品集はええですね。

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