by jun | 2018/07/18

この2つの作品はベンジャミンアールがVanishingから発売しているダウンロード商品で、一緒に買うと割引きされたりするので一緒に紹介します。
どちらもほぼセルフワーキングで

The Gambling Lesson

スペクターカッティングフォーエースで、タイトル通りチャドロングの”The Shuffling Lesson”の改案になります。
ベンジャミンアールはパストミッドナイト2巻の中でも”SOW BY THE LUG”という”The Shuffling Lesson”の改案を発表していますが、それのセルフリメイク的な感じです。

大きな違いは混ぜる途中で実際にブラックジャックをプレーするところで、それによって作業感がなくなっています。
ベンジャミンアールがこの手のマジックでよく使う観客に混ぜさせる工程を退屈にしない工夫でもありますし、途中でトップのカードを示すのでカードのランダム性を暗に示す効果もあり、適切にブラッシュアップされてると感じました。
タイミング芸的なところと巧みなサトルティでマニアが見ても初見ではあれっていう感触があると思います。

途中でやるブラックジャックは本当にただ遊ぶだけなので、それなりの演技力は必要になってきますが、ベンジャミンアールの映像作品の中でも屈指のまったりした空気で演じられています。
あ、ここでは現象起きないんだってなってから、A4枚K4枚出てくる波もとても良いですね。

観客役はアンディグラッドウィンさんで、現象が起きた後に二人がじゃれ合う姿にはとてもほっこりさせられました。

The Answer

観客によくシャッフルしてもらったデックから5枚のカードを出してポーカーの手札を作ります。
その中から1枚デックの中に戻し、観客にシャッフルしてもらい、カットしたところのカードを手札に加えるとロイヤルストレートブラッシュができあがります。

観客が選んだカードを手札に加えると良い役ができるってのはパストミッドナイト2巻に収録の”PLUCKLEY”と同じプロットですが、メンタル要素をなくし、セルフワーキングにして、観客にシャッフルさせた状態からスタートできるようになって、役は好きな物を作れるようになりまた。
“PLUCKLEY”のメンタル+ポーカーデモンストレーションというハンバーグカレーっぷりもなかなか味わい深いものがあったのですが、セットと技法アリアリのしんどさはあったので、今作の方が演じやすいことは確かでしょう。
オチを派手な役にできるのもかなりのパワーアップだと思います。

その分マニア受け的な面白さは後退してしまったのですが、何も知らずに見た初見では普通にやられました。
演者がカード触る部分には全く怪しいところがなく、プロットの流れがいい感じに騙くらかし感あって、例のセルフワーキング操作との食い合わせもとても良いです。
あの操作をカード当て以外に応用する方法としてはベストじゃないでしょうか。

あとさすが操作させるとこの指示がめちゃくちゃ上手いですね。
結構間延びリスクもあるのでちゃちゃっと動きを交えて説明してさっさと終わらせつつ混ぜた感を出す雰囲気は参考になりました。

最近のベンジャミンアールはスライトが前に出てきている感ありますが、タイミングのうまさや錯覚を生む構成も際立っています。
セルフワーキング作品を見るとそこら辺よくわかる感じなので、現代鬼スライトマンがセルフワーキングをやったらこうなりますという例としても参考になる部分は多いです。

ところで最近ベンジャミンアールのメルマガから新しいノートのお知らせが来ていて、そのタイトルが”Seven Secrets”。
4つの新技法と3つの手順のノートだそうで、手順にはACAANも入ってるとのこと。
Asi Wind以降に人がどのようなエニエニを発表するのかというのは色んな意味で興味深いものがあったのですが、2018年になって大本命がきたという感じでしょうか。
なんとなく不穏な空気も感じつつ楽しみに待ちたいと思います。

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