by jun | 2020/02/20

指が外れる手品でおなじみのMeir Yedidさんの作品集。1982年初版で、文はGary Ouelletが書いてます。

Vanishing Incのブラックフライデーセールで6ドルとかになってた勢いでカートに入ってましたが、これがとても面白かったです。
指手品も最後にちょろっと出てきますがメインはカードマジック。
プロットも変わってて演出も技法もおもろい手順が多かったです。

Compucard

カードをコンピュータに見立てたプロダクション。
コントロール、フラリッシュ的なフォールスカット、プロダクションと丁寧に解説されていて、このトリックの解説だけで35ページあります。
それだけでなく、何故このトリックなのかという理屈の部分やセリフまできっちり書かれてるので納得度も高いです。
技法の部分だけでも取り入れられるところ多いですし、カードを物に例えるぐらいの演出も演じやすくおもろいっすね。

The Invisible Poker Hand

見えない手札を配ったところにロイヤルフラッシュが出現します。
セットが簡単で、好きな場所にビジュアルに出現させられるので偽ポーカーデモンストレーション的な演出で見せられて良いです。
このプロダクションを使ったバリエーションが他にも紹介されていて、比較的安全なので色々考えられそうですね。
“Make it Snappy!”という4枚のエースをバラバラに戻してプロダクションする手順が気に入りました。

Birds of a Feather

ホフシンザーエースで、エースの残りの3枚がセレクトカードのフォーオブアカインドに変化するやつ。
82年にこういうのあったんですね。
ハンドリングも手堅く、ビジュアルな箇所もあって直前までAだと思わせる錯覚も強いです。

Signa-Fusion

2枚のサインカードが合体する手順ですが、アニバーサリーワルツと違ってサインしてもらうのは表と裏。
そのおかげで楽になってる部分もあるし、DFを見せたくないという人には丁度良い手順じゃないでしょうか。
ちょっと変わったスイッチも結構良さげ。
バリエーションでカードインウォレットと合わせたアイデアも解説されていて、それはかなり良いです。

Royal Takeover

観客が選んだカードが全部Aで、それがロイヤルフラリッシュに変化します。
筋に合わせたフォースと、そのセットからスムーズにビジュアルなチェンジに繋がるのが気持ち良い手順です。

Ghostwriter

観客にカードを選んでもらい、タイプライターの音が聞こえてきて、紙が出てきてそのカードを選ぶことが書かれています。
タイプライターの演出なら白紙から印刷された紙への変化の方が綺麗じゃないかとは思いますが、音を聞かせるので説得力は十分という感じでしょうか。
出現は簡単なセットでかなり鮮やかです。
今だと簡単に演じられる方法があるのでこういう偽の音を使った手品なんかやってみたくなりますね。

The Travelling Thumb

親指の手品2種類。
ひとつは親指スイッチに説得力を持たせる方法。

もうひとつは親指がテーブルを貫通する現象で、これがかなり面白いです。
道具をうまいこと揃えられたらめっちゃ気持ち悪い感じに見せれそう。
貫通の瞬間をビジュアルに見せる方法とかもあるかもしれません。
まあそんなことはあり得ないからこうだろうと思う想像を覆す現象になっていてめっちゃやってみたいですね。

そんなわけで全体的に面白い発想の本でした。
安く手に入って更に良かったのですが、去年のブラックフライデーで気付いたことがあって、それはいくら安くなってる商品でも調子に乗って買いまくると1000ドルにもなってしまうということです。
皆さんもお気をつけて。

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