by jun | 2022/04/23

1932年に出たLu Brentの本。
調べものがあったので勢いで全部読みましたが面白かったです。
サロンぐらいでちょうどいい感じのマッチ、タバコ、シルクのネタが多く、現象の見せ方や改案のセンスはどれも良い感じでした。

A Simple Coin Vanish

ズボンの折り目にコインを入れて、そこにハンカチかぶせてバッとやるとコインが消えます。
折り目に入れてから観客に触ってコインを確認してもらえるのがミソ。
一方で消えたことはわかりにくいですが、サインコインを使った移動現象など、応用は効く方法だと思います。

Coin Through Cut and Restored Hanky

ハンカチスルーコインをT&Rハンカチとして見せる方法。
くるんでハサミで切ってコインが出てきて穴が塞がるという流れです。
安全ピンの貫通でもこういう見せ方あって、割と印象変わるので面白いですね。
ハサミを使うとなればコインが確実にくるまれてる説得力にも繋がりますし。

The Wisenheimer Magnetic Wand

ウォンドでもなんでも、手のひらにくっつくあれ。
めっちゃ良いトリックですねこれね。

The Flighty Cigar Band

葉巻についてるシガーバンドが取り外しても元に戻るトリック。
タバコのトリックはこういう現象のもの多いですが、見た目のわかりやすさがとても良いです。

Matches of Jinx

火のついたマッチが増えていくトリック。
ギミックがなるほど確かにという感じで面白いです。工作で作れます。
1本のマッチで3本のタバコに火をつけるのはだめっていうジンクスに絡める演出もおもろい。

A Match Box Melange

お札が消えてマッチ箱の中に移動します。
マッチ箱はマッチでいっぱいであることを見せることができ、消失にマッチを使う現象も多いので色々見せ方は考えられると思います。
今だったら中身のマッチとのトランスポジションとかやってる人いそうですね。

He Watches the Matches

3個のマッチ箱があって、1個だけ満タンにマッチが入っていてモンテっぽいことをやります。最終的に全部マッチが消えてしまうトリックで、ギミックを処理するための手順がなかなか良いと思いました。マッチならでは感があって良いです。

The Protean Pack o’ Cigs

タバコのパッケージが変化します。
使われているのはカードの変化でも使われるようなギミックですが、タバコだとちょっと説得力が増す工夫があります。

The Unlucky Strike

タバコの箱を使ったモンテ。
3つの箱をそれぞれ別のバッグに入れて、というダーティさが強い手順で、あんまり惹かれないですね。
ダジャレ演出は悪くないのですが。

The Traveling Cigarettes and Matches

Passe Passeをタバコとマッチで。
まああの原理ならなんでもできるっちゃできるわけですが、対になるアイテムと絶妙なサイズ感という意味で上手いことハマってると思います。
お手頃なサイズや、二つとも中身がびっしり詰まってるイメージのあるものなのも良いですね。

The Silken Adventure

コップの中に入ったハンカチと、紙袋の中に入った紙吹雪があって、ハンカチを紙袋に、紙吹雪をコップに入れ替えます。紙袋をバーンするとハンカチが消えて、コップの中の紙吹雪の中から出てきます。
素敵な現象。
質量保存派からするとちょっとあれかも知れませんが、それぞれの手続きに説得力があるため意外性もあってとても良いです。

Here, Bango! – There?

二つの紙袋があって、片方にガラスのコップとシルクを入れますがそれが消えてもう片方の紙袋から出てきます。
やや強引なところもありますが、この消失のギミックと見せ方は良い考え方だと思いました。

The Drum-Head Glass

タイトル通り、あれをグラスでやる手順。
いかにもマジック道具でーすみたいなあれの良さも捨てがたいですが、普通のもんで出来るならそうしたいですね。
道具探しはかなり苦戦しそう。わ

Glass Through Hat

コップが帽子を貫通します。
今だと割と見なくもない感じですが、この人のアイデアなのでしょうか。

Straw Hats

チャイニーズライスボールを麦わら帽子で。
紙吹雪と花を出せます。

The Torn Magazine Cover

雑誌でやるT&R。
即席を装うためにゴリゴリ準備する系でとても好み。

The Surprise Reverse Torn Card and Cigarette Trick

8つに破ったカードの1片が消えて、タバコの中から出てきます。
大きく見れば普通の手法ですが、丁寧なハンドリングと雰囲気に合わせた演出が良い味出しています。

Watch – Ho!!

時計をプロダクションします。
BAを使っていて、やや不自然ではあるけどそれを手軽にカバーする方法がなるほどって感じでした。

A Test for Cigarettes

目隠し状態で観客がどの銘柄のタバコを選んだか当てるトリック。
2種類の方法が解説されており、コードの研究されてる方は参考になるんじゃないでしょうか。

Can You Imagine!!

観客がシャッフルしたデックからマジシャンが1枚選び、事前に渡してあった紙を観客が読み上げるとマジシャンが選んだカードと一致してるという手品。
Conjuring ArchiveのSpectator plays Magicianカテゴリーで一番古いトリックです。手法はステージ向きながら特に問題はない感じ。

A Fantasy in Smoke

タバコの連続プロダクションのルーティン。
手袋をする必要があり、あからさまに怪しく実際にそうなのでちょっとあれですが、文章でも次々に煙の中からタバコが出てくる魅力は伝わってきて良かった。

Gagging the Sucker

ぱっと見でやり方わかるトリックを観客が真似してやろうとした時にちょっと意外な展開をもたらす方法。
こういうことをしたら絶対観客はこういう行動を取るみたいなのは上手く活かすと強烈っすね。
これ以外でも借して借してみたいになるトリックに応用できそう。

この他にプレゼンテーションの解説のみのトリックが2つ載ってます。
全体的にプレゼンテーションは良かったです。セリフというより、手続きでこれはこういう風に見せたいというのがはっきりわかる感じ。
工作等ハードル高いのも多いけどおもろかった。

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