by jun | 2021/05/22

Harapan Ong新刊。
ギャフカードを使ったカードマジック4手順が解説されています。それぞれ別のカードを使うものでギャフカードも付属。
どの手順もギャフパワーが複数の効果を発揮しており、手順はすっきりするし意外なことは起きるしとにかく無駄がありません。
スリム化してる以上にフェアに見せれる構造が強くなっていて、ハンドリング的にも頑張って隠さないといけないストレスもなく、演じやすいトリックが並んでいます。

Centre of Attention

連続するツイスト現象からのオフバランストランスポジション。
ギャフのデュプリケート的な使い方といえばトランスポジションか移動になるわけですが、他の現象を起こしつつツイストが前フリとしても機能していて上手い構成です。
4枚しか使わないのでデックから抜き出したりプロダクションからの流れで演じやすくとても良いトリックだと思います。
これで使うギャフは通常手に入り辛いもので、あると色んな使い方を考えたくなるようなものなのでこれがついてるだけで嬉しい。

Hand to Pocket

観客の手に置いたサインカードがポケットの中に移動します。
ギャフは説得力ある消失と、そこからカードを楽に上手いことあれできるようにするために使われていて、消失の原理としては新しいものではありませんが、ここまでシンプルな手順は意外と見たことない感じ。
これはレギュラーでも似たような感じのことができなくもないですけど、消えるところのわかりやすさはレギュラーではかなり落ちます。
使い勝手の良いギャフなので、このギャフを使いつつサインカードでルーティンを組んで移動をクライマックスにするという使い方も考えられそう。

Indicated Transposition

2枚のカードを選んでもらい、1枚目が真ん中でひっくり返っていて、その数字の分だけ配ると2枚目が出てくるかと思いきや1枚目が出てきて、1枚目だと思ってたやつが2枚目のカードに変わってたという現象。

これも現象だけやろうと思えばレギュラーでできるものですが、入れ替わりの現象としては手続きが超クリーンで意外性がわかりやすい一作です。
ギャフの使い方としてもそれってそういう使い方もできるかというもので、こっちのカードを示して、こっちから出して、というトランスポジションに必要な手続きをやるのにとても理にかなっています。
現象としてはちょっと地味でこれのためにギャフ使うかと言われると微妙なとこもありますが、2枚のカードでやるキックバック的な入れ替わりには色々応用できそうです。

Punchback

サンドイッチタイプのキックバック。
元のキックバックとは構成が違っていて、普通にサンドイッチで当てるパートが入ります。やっぱりストレートに現象が起こった後の方がキックバックの意外性が際立ちますね。
意外かなーと思ったらもっと変なことが起きるという感じの見せ方になってるのも面白く、このどんでんにして状況説明を細かく挟めるスピードに頼らない手順なのでとても実践向き。

Centre of AttentionとPunchbackは特に気に入りました。
まあPrincipiaはこのクウォリティがあと50作続きますみたいな感じだったので4手順は物足りなさを感じたりしますが、1枚のギャフで出来ることというのは手順の中にいくつも詰め込まれていてアイデアは膨らむので長いこと楽しめる一冊だと思います。

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