by jun | 2023/01/23



2010年にTommaso Guglielmiがリリースしたebookです。
この人はOPとACAANの研究者で、例によってこの本でもそれ系の手順が解説されています。
タイトルはたぶんこれが一番かっこよくて全4手順。

The Dark Thief

最近もちらほら見る手続きが複雑系のACAANです。
心の中で数字を決めてその数字を何倍して…みたいなあれ。
この人のACAANは最後までNを聞かずに別の方法でNを特定してどうにかする作品が多いのですが、これもその形になってます。
1段目がメンタルセレクションのカード当てになっていて、手法的にもACAANと連動してるところは綺麗です。
複雑なカードを覚える手続きも「絶対にマジシャンが何のカードを選んだかわからないように」という説明ができるものですが、まあどうしても煩わしさと数理トリック感は出てしまいます。
バリエーションとして解説されている星座を
使う版の方が手続きを手続きとして見せれて向いてるかも。

Entanglement

ACAANとOPを合体させた手順。
無茶しやがってと思うかもしれませんがこの人の本では平常運転で、どの本にもこのプロブレムが載ってます。
大事なのはACAANであるとかOPをガチ視点で見ないことで、別にそういうものだと思わなければ普通に面白い手順です。
カットした枚数を数えてもらって…型のあれ。
面白いのは2人の観客に数えてもらって、最初の観客が覚えたカードが2人目の観客のシークレットナンバーの枚数目から出てきます。2人の数字は最後まで聞かないので、OPパートもその枚数目のカードを予言しておきますという単純なものですが、段取りの動機付けはしっかりしていて自然に見える方法だと思います。

2704

デックを2つ使って、デック1からカードを選んで表は見ずに裏にサインしてシャッフル。
デック2はカードの裏に数字が書いていて、観客に1〜52までで好きな数字とカードを言ってもらう。
観客の言った数字が書かれたカードがデック1で選んだカードで、観客の言ったカードの裏に書かれてる数字の枚数目から出てくるという現象です。
これ良いんちゃう。
好みでどうにかしたいとこはあるけど肝の部分はめっちゃ良くできてると思います。

Enigma

観客のカードを当ててからのACAAN。
ACAANパートは財布から取り出したエニグマコードなる表を使って、観客が選んだカードのどこに書いてる数字の枚数目から出てくるというもの。
プレゼンテーションは面白いけど手法があまりにもあまりにもでした。
まあ序盤の現象でACAANの準備をする作風の人なのでこういうのもあってもいいのかもしんないですけど、ただでさえ観客にカードの名前を読み上げてもらうというのは冗長なので、そこでめんどくさめな仕事しないといけないのはちょっと…

とまあ微妙なのもありましたけど、この人のACAANの方向性自体は全然ありだと思いますし、2704は普通に良かった。

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