by jun | 2018/10/28

この週末はHigh Caliberを浴びてるはずだったのですが、なんかまだ届かないので積んでるものの中からバノン界隈の本を読んでました。
Ryan Matneyさんはいくつか本を出していまして、一番最近のSpoiler Alertって本はジョンバノンが序文を書いてて気になってたのでとりあえず電子版が出てるこれを買ったのだと思います。
内容はカードマジックオンリーの11手順。半分ぐらいのトリックにバノンのクレジットが入ってるのですが、バノンみはかなり薄いです。

Plan B Aces

サッカートリック風のエースオープナーです。
使われてる技法はバノンなんですが、なんでわざわざそこでそれを使うのかよーわからん感じでした。
見た目的には面白いんですが、このままやる意味はたぶんないと思います。

Is it Close?

これもサッカートリック。
選ばれたカードではなくメイトカードがひっくり返って、その隣に選ばれたカードがあるという感じです。
気の利いた感のあるセリフがついてるので実際に見たら面白そうではあるんですが、手法的には特になんということもなく。
日本語じゃできないのも悲しいです。
FASDIUで負担なくリバース現象出来るようになってるのは良いですね。

Closer Still

Is it Close?のトライアンフバージョン。
トライアンフのサッカートリック問題というのがあると思いますが、そこにダジャレ的なものもくっつくのでかなり演じる人を選びそうです。
気楽に演じるなら結構いいかもしれませんが、トライアンフの揃ったーーっていう快感が流れていくのはもったいないですね。

Metro Ltd.

コロンビーニの“Paramount”のバリエーション。
元ネタはブランクフェイス4枚使って裏、フェイス、サインと徐々に印刷されていく手順ですが、これはダブルブランク4枚を使って裏と表が印刷されるだけです。
ダブルブランクの特性を利用したサトルティは良いのですけども、サインが出るとこの気持ち良さがないのは残念です。
セットリセットが要らなくなったのは良いことなので、繰り返し演じる人には良いのかもしれません。

Jokus Locus

ロケーターカードを使って2枚のジョーカーを抜き出すマジック。
観客にロケーターカードを差し込んでもらえるパターンです。
ロケーターカードはダブルブランクに手書きするもので面白く、プロフェシームーブも使いません。
プロフェシームーブの方が良いのではという気がするのはたぶん気のせいです。

でもこのジョーカーという余分なカードを抜き出すのに更に余分なカード出してくる感じは結構好きですね。

Flush Exchange

スペードとハートのロイヤルフラッシュを使った10カードポーカー的な何か。
それぞれのロイヤルフラッシュを2人の観客に渡して、もう1人の観客に好きな数字を言ってもらってその数の分だけカードを動かすと1枚だけカードが入れ替わっていてそれが予言されてるみたいなやつ。
佐藤総さんの”Lucky Number Poker”にちょっと似てますが、特に関係ないみたいで、実際に全く関係ないものでした。
観客が3人参加しますが観客が参加した感はかなり薄く、トランスポジションと予言の食い合わせの悪さをなんとか食べられるようにした痕跡は見えるものの好き好んでは食べようとは思わない微妙な後味です。

Homer’s Odd, You See

HomerはシンプソンズのHomer Simpsonから来てて、シンプソンズのシールを貼った色違いのカードを観客が選んでしまい、他は全部のカードがジョーカーでしたというオチ。
似たようなプロットの新しい方法ということではなく、シンプソンズを出した話の面白さ勝負のネタです。
Oddネタは前振り大事ですし、ギャグもそんなにきつくなくシンプソンズ使う演出も良いと思います。
シンプソンズ的なものって日本でいうところのなんなのか考えてたらたぶんそれっぽいものないので、そこらへんが外国のマジシャンのギャグを演じにくい何かなのかなと思ったりしました。

Count Elmsley’s Treasure

Diamond Cut Diamondのバリエーション。
出現パートにサンドイッチ効果が足されて、消失にはメッセージカードが使われています。
だからどうしたという気がしないでもないですが、話が面白い気がしないでもないです。

Avengers Assemble

映画のアベンジャーズになぞらえたインターレースバニッシュみたいなやつ。

アベンジャーズって消えて再集合というよりどっちかというとバラバラだったのが集まるイメージなんですが、シビルウォーからインフィニティウォーの流れだとこれで良いのですかね。
インフィニティウォーから次作の方が消えたものが集まるって感じの流れだと思うので、次公開されたタイミングでこの手品が再評価されることもあるかもしれません。

A View to an Overkill

アルリーチの”Spectator Does a Trick”の改案。
スペードの5とハートの4を足してハートの5にしてそれが予言と当たってるみたいなやつです。
元ネタと比べると観客の選択の自由度が高まってる気がするのと、スペードの5とハートの4から、スペードの4もハートの5も予言されてるというオチもついてます。
元々の予言の当たり方が微妙なのでそれを重ねられても死体蹴り感は薄いです。

Counted on it

エスティメーションとカード当てを合わせたやつ。
エスティメーションで何枚か出す方法がちょっと変わってておもろいです。

全体的にパサパサした手品でしたが、たぶんバノンを求めすぎの読む態度が良くなかったのだと思います。
バノンて技法それ自体の凄さだけじゃなく、トリックや演出と合った時にそれ使うのがイケてるんだと思うんですけど、この本は便利なものをただ使ってます感がみなぎっていて演出も後付け感が否めません。
たぶんバノンが序文書いてるSpoiler Alertではそこらへんが良くなってるのだと思うので、High Caliberしゃぶりつくした後に読んでみたいと思います。

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