Sphinx誌の1908年3月号。
「カーディシャン物語」の中でACAANに関する話が出てきて、好きな数字と好きなカードを言ってもらう最初のトリックがこれに載ってるということで、まあ概要はだいたいそこに書いてたんですけどLybrary.comで売ってる電子版を読みました。
他の号パラパラ見る限りあんまりトリックの解説がない月も結構あるなかでこの号はカードのトリック多めでついでに他のも読んだので軽く紹介します。
The Magic Spell (Chas. Shepherd)
これが件のACAANの人で、こちらは観客が選んだ3枚のカードをスペリングで出すトリック。
シャッフルしたにもかかわらず、Acesとスペリングすると途中に別のAが出てきたり、3枚それぞれ別の盛り上がりポイントがあったりしてなかなか。
かなりワイルドな手法ですが、まあ自由にシャッフルしたデックからこういう偶然みたいなことになったらそりゃ不思議。
Card And Handkerchief Combination (Will Edwards)
観客に3枚のカードを選んでもらい、封筒の中に入れて持っていてもらいます。演者の右手にハンカチをかぶせ、輪ゴムでとめておき、おまじないすると封筒の中からカードが消えてハンカチをどけると手の上にカードが乗ってます。
おもろい現象ですね。
詳しく書かれてないところもあるけどまあ頑張ればいけるんじゃないでしょうか。
封筒の処理は今だと色々あるしサインカードでも出来そう。
Cross Escape Or Cross Substitution
十字架に張り付けられたマジシャンが消えたり代わりに別の人が張り付けになってたりします。
アナログな仕掛けですが、こういうのは別に今でも通用するんじゃないでしょうか。
The Disappearing Egg (Louis C. Haley)
ステージで卵を消すアイデア。
卵だけでなく、ハンカチの中で形を確認してもらうようなものならだいたいいけます。
Coin Effect (Dr. Blanchard)
ろうそくの火にコインを当てると消えて、また1枚ずつ出てきます。
なんか6枚でやれみたいな感じで書いてますが、観客を近くに置く前提の手順のようだしそれはちょっと厳しそう。
なんかでこのやり方使った手順見た気がするけどなんでしたっけね。
ピンポイントで使えば効果的な気はします。
Handkerchief Color Change (Jacob Chasnoff)
ハンカチのカラーチェンジ。
変わった後は手渡せるやつで超ビジュアル。
昔からこういうやり方あったんやなと。
The “Acme” Card Trick (Chas. G. Shepherd)
これがACAANですね。
数字もカードもフリーコール。
演者がデックに触れてないように見せるのは厳しそうですが、観客に配ってもらえる手順です。
実際にここを元にした人は少ないのでしょうけども、今主流のやつの元となるような手法。
100年前つっても原始人ではないけど、いきなりこの現象と手法にいきついたのはすげえですね。
The Card And Jug Trick (Charles Medrington)
観客にカードを選んでもらい、水差しの中にそのカードを入れてハンカチをかぶせ、まだカードが入ってることを確認してもらいます。ハンカチをどかすとカードは消えててデックの中に戻ってきてます。
フォースを使っていたところフォースじゃない方法を思いついたぜということらしく、確かにこの現象ならそういうことができるなという感じ。
カードが消えるところは手品やなあって感じがして趣深いです。
A Novel Card Trick (Henry D. Grout)
観客が選んだ3枚のカードを当てる方法。抜かれたカードを特定する方法で、今じゃちょっとやる人いないと思いますけど簡単にできます。
結構時間かかると思うんですがどんな感じで演じられてたのですかね。あとこれ3枚選んでもらうと事故起きることもあると思うんですがその辺どうなんでしょう。
他のトリックもそうですが、100年前にどういう感じで手品が楽しまれていたのかってとこに思いを馳せないと難しいものがあります。
フォースとかパスとか出てくるけどどんな具合でやってたんでしょか。
あと雑誌だから手品商品の広告とかも載ってんですけど、宣伝文句はだいたい今と変わらんノリで良かったです。
Look–The Devil Pass–Look
現象 : 52枚の中から1枚選んでもらい、デックに戻して観客にシャッフルしてもらいます。マジシャンはデックを返してもらい、カバーすることなく好きな方法で観客のカードを取り出すことができます。これは夢ではありません!マジシャンの友達に悪魔の仕業だと教えれば信じます!ノースライトオブハンド!マーク、機械の仕掛け、裁断、一切ありません!
なにこれほしい。
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