by jun | 2019/01/11

去年末にVanishing Incから出たハラパンさんの新刊。
大作です。めっっっっっちゃおもろいです。面白すぎると思います。
エースプロダクションやクラシックプロットの改案が多いのですが、まだこんなに変わったアプローチで合理的なやり方が発見されんのかってののオンパレード。
ハラパンさんがInstagramに投稿してる動画にはヤバイ魔法すぎるのもあるんですけど、この本に収録されてるのは良い意味で手品的。
そんでめっちゃカードマジック。
トランプのトランプ性をフルに活かして、現象が物理的すぎずカードであることの意味を感じさせます。
膨大な知識もさることながら、トランプを多面的な視点で見れる人なんでしょう。この一冊で非常に色んな種類の面白さを見ることができます。

テーブルとマットが必要なトリックが多いものの、角度に極端に弱いことはないので演じることができるシチュエーションは少なくないです。
覚えるといえばセットや手順が覚えやすいのも特徴ですね。
いっぺん手を動かせば理屈が頭に入ってきて忘れにくいというか、なんか本当良くできてると思います。

おまけでパケットとかに使うギャフが数枚ついていて、これが通常のギャフアソートには入ってなくて使い勝手も良いやつだったりして嬉しいです。

冒頭に演技動画のリンクがついていて大半のトリックの実演が見れますが、全部不思議すぎるしギャフ使用かと思ったらほとんどレギュラーなのでビビれます。
改めて言うのもあれですけどやっぱりハラパンさんめっちゃ上手いです。
基本的な技法だけで構成されてる手順とか特に一箇所でももたつくと魅力削がれるんで、練習してたら基礎体力磨かれると思います。
小説とか映画でもテンポの良さだけで惹かれちゃうことってあると思うんですけど、この本の手品もポンポンリズム良く何かが起きる心地良さがありました。

手順は意外なオチがあるものがほとんどなので、まだ動画見てない人はこっから先読まない方が良いです。
60トリックぐらい解説されていて全部に言及するのは大変なので特に良いと思った60トリックぐらいについてだけ書きます。

Streamlined Pocket Transposition

ポケットに入れたカードと観客が選んだカードのトランスポジション。
レギュラーでノーデュプリケートです。
ということはスイッチ勝負になってくるわけですが、それをそう使うかっていう賢い解決でした。
その技法のおかげで不要にカットしたりしなくていいしすっきりしてます。
ビジュアルなチェンジではないんですが、その分仕事のスピードは上がっていて、観客が選んだカードがポケットに行く方式だからポケット使っても怪しくないです。

The Card Across

テーブル上でのビジュアルなカードアクロス。
セレクトカードのパケット間移動なんですが、移動した瞬間の見せ方が巧妙すぎます。
その瞬間に移動したとしか思えない見せ方で、直前のディスプレイにも違和感がありません。
特定カードのアクロスはフェアさをどう見せるかが鍵になってきますが、表と裏に広げて見せるというのは実はそこまでクリーンではないのにとても説得力がありました。
シンプルだけど見よう見まねでやってみても出来ないマニアックなところもあって素敵。

Hadouken Production

観客がストップかけたとこでカットして一瞬で4Aがプロダクションされます。
垂直に見せれて一瞬で出るやつそんなないのでマスターしたいですね。
デックからスタートできるのもポイント高し。
手の形は波動拳ですが、縦にAが並ぶので昇竜拳的でもあり、難易度に若干の殺意の波動を感じたりストリートファイターオマージュはパーフェクトと言えるんじゃないでしょうか。

Stress Production

カットしながら4枚のAをパケットのトップから取り出し、テーブル上にできた4つのパケットのボトムを見ると全部K。
シンプルなセットアップと基礎技法で意外なクライマックス。
オチはマニアの観客ほどノックアウトできると思います。

Passport Production

カードを1枚選んでもらい、表向きにして好きな場所に差し込んでもらってから、その場所でカットして選ばれたカードのフォーオブアカインドを取り出すプロダクション。
動画見た時めっちゃ難しいことしてんのかと思ったけど非常にシンプルでした。
それぐらいパッと見はフェアで観客の選択も生きてます。
この後何度も出てくる両手ともにひっくり返す動きって変なのに絶対違和感を抱かせないですよね。

Kaleidoscope Production

テーブルにデックを置いて表裏バラバラに分割していき、それを元に戻してペラっとめくると4Aが出てきます。
文章では伝えにくいですが非常にリズミカルで気持ち良さのあるプロダクションです。
表裏のディスプレイでちょっとしたカオスを見せてから似た配置でAが出てくるからカタルシスもあります。
かなり好き。

Straight Ace

ディスプレイは波動拳に似てますがこちらは空の手から出現させる方式。
エリックジョーンズの”Swirl Production”にちょっと似てますかね。
この出し方って手に隠してた感が無くて良いですね。
縦に長く並べたら絶対隠せるサイズじゃないように見えるし一瞬だし。

Poker Player’s Picnic Plus

デックを4つのパケットに分けてその一つのトップに4枚のAを乗せ、色々と操作するとそれぞれのパケットのトップがAになります。さらにボトムを見ると全部K。
4つに分けるところは観客にやってもらえるし、自由に分けたところを操作するからKのオチはかなり不思議に見えます。
操作はアレと言えばアレなんですけど、フリーな部分があるからそこはまあそういうもんだというプレゼンテーションでも逆に不思議というか。
最初からAを表向きにテーブルに並べてるからオチのインパクトもかなり強いですね。

Michalevator

4枚のKと黒いカード3枚でやるエレベーターカードでキックバック落ち。
ハラパンさんの演技が楽しそう。ピンポン。
あれ普通に笑うけどあの繰り返しのギャグ感てキックバックには強いですよね。
見た目の説得力的にも非常にインパクト強いひっくり返しだと思います。

Jacob’s Elevator

4枚のJでエレベーターカード。
ラスト1枚は意外な方法で出てきます。
エレベーターカードと意外なオチって相性良いですね。
上とか下とかあってもどこか単調だし、その単調さを活かしてちょっと捻るだけですごく良く見えます。
単調さを回避するビジュアルも入れていて今風。

Royal Explosion

超ビジュアルなロイヤルフラッシュプロダクション。
“Royal Explosion Two”の方のバリエーションが特にヤバくて、途中までエースプロダクションしてるのに一瞬でロイヤルフラッシュにチェンジしてしまいます。
Aもいいけどロイヤルフラッシュこそ至高という演出を最短距離でいってて超良いです。

Simple Bean Aces

エースアセンブリで、エースがあったとこのカードがKに変わるやつ。
マックスメイビンのあれの例のターンオーバーを使わないバージョンでマニア大喜び。
関係ないカード3枚置きましたよーのとこの強調の仕方が斬新で説得力強いです。

Daley’s Last Sandwiches

ラストトリックにサンドイッチカードを組み込んだバリエーション。
サンドイッチはちゃんと表裏表で見せられます。
こういう足し算手品は現象が混乱しがちですが、現象はちゃんと分離できていて意外性も持たせる構成になってます。
バリエーションが3つありまして、In the Tableてのが一番好きでした。
ダブルサンドイッチにできるやつもいかついけど。
表裏をコントロールしながら示さないといけないパケットものって無駄な動き増えがちなのに全くそういう気配がなくてすごい。

Sudden Surprise Sandwich

スプレッドしながら見えたカードを言ってもらって2枚のカードを選びます。
デックを裏向きに広げるとAが表向きになっていて、赤いAの間と黒いAの間にそれぞれ選ばれたカードがサンドイッチされています。
タイトル通り、ギリギリまでAの存在も言わないいきなりドン構成。
離れた場所でのダブルサンドイッチだからすげえ不思議に見えます。

Head Over Heels, Face to Face

スプレッドしながら見えたカードを言ってもらって2枚のカードを選びます。
デックを裏向きにして一番上のカードをめくると選ばれた2枚が出現。
選ばせ方が謎っちゃ謎なんですが、出現のとこで説明がつく感じ。
こういう理由の付け方は技法を組み合わせて動機は後付けする作り方じゃ出てこない気がします。

Triumph Squared

カード2枚選ぶトライアンフ。
これも選ばせ方が変則的なのですが、ちゃんと理由があって2枚選ぶのも必然性が出てそのおかげであの形にスムーズに持っていけます。
観客が2人いる時だと自然ですし、サトルティがくどくなりすぎないのも良いです。

Play It Crooked

バノントライアンフの素敵改案。
混ぜる時に4つに分けなくて良いとか、バラバラの状態をスプレッドして見せられるとか、はっきりオリジナルより良い部分もあります。
バノントライアンフはオリジナルの完成度が高く、アイデアだけ頂きました改案ではぼんやりしてしまいがちだったりしますが、はっきりと現象を見せて普通のトライアンフの盛り上がりもある欲張りセット。
これでめちゃくちゃ難しくなってるわけじゃないわけで、まあすごいですわ。

Twisting Morph

Maxi Twist的なツイスト現象からの4枚チェンジ。
チェンジがビジュアル、変わった4枚をテーブルに出せる、4枚とも変化させられるとメリットが多すぎて、自分が知ってる中では最強のバリエーションです。
この本に載ってるパケットのチェンジ落ちの中でもベストだと思います。
しかしビジュアルなチェンジに持っていく手順の作り方は見事ですね。
逆算して作ろうと思ってもなかなか難しいんじゃないでしょうかこれ。

Three Degrees of Separation

クラブのA,2,3をテーブルに置き、カードを3枚選んでもらってから混ぜて、A,2,3をデックに乗せて降ると3枚が消えてデックの中に散らばります。Aの隣、2の2枚隣、3の3枚隣に選ばれたカードが来てます。
ハラパンさんのカル本でも同じ現象ありましたが完全にアップデートされた感。
散るとこも良いし、負担の分散も上手くいってて終始クリーンです。
バニッシュのとこもむっちゃ綺麗。

Direct Triple Prediction

3枚のカードのオープンプリディクション的な何か。
お前はこれを選ぶ!って言ってからカードを指差してもらう(ノーフォース)のを3回繰り返して、アウトジョグされた3枚を見ると当たってます。
ジョシュアジェイのお気に入りみたいです。
動画見てもめっちゃ不思議でしたね。
同じ形でAが4枚出るやつだとシュッてやってドンですけど、完全にランダムなカードだとキモさ増します。

Sandwich-ception

なんじゃこれっていうサンドイッチカード。
しつこいぐらいにサカーしますが強烈な落ちが。具がはみ出てる。
超不思議なんで動画で是非ご確認ください。

Oops

これも捻りの効いたサンドイッチカード。
ハムでパンを挟んだサンドイッチが本来あるべき姿のサンドイッチに戻るようなイメージです。
ちょっと演じるの難しそうですが、なんでもなさげなセリフを伏線にビジュアルにキックするのが最高。

Three Chances

選ばれたカードが2枚のJにサンドイッチされ、それをテーブルに置きますがまたJの間にサンドイッチされます。そのカードもテーブルに置きますがまたサンドイッチされテーブルに置き、テーブルに置いた3枚のカードを見るとJの間に選ばれたカードがサンドイッチされてる状態です。
あれを使ったサンドイッチは色々と可能性があるとは思ってましたがここまでできるとはほんますげえですね。
結局はJが選ばれたカードをサンドイッチしてただけという現象だから裏もスマートにいけるわけですけど、ここまで無駄のないハンドリングに行き着くのはすごい。

Bigger Transpo

4 to 1のトランスポジションなんですけど、理不尽にカードのサイズが変わります。
見た目は理不尽でも質量保存の法則に従っていてかっこいい。
サイズ変化ネタは単体で見せる以外になかなか良い使い方がなかったりするもんですけど、レギュラーデックから普通の現象っぽく始められるのが素敵。

Tiny Transpo

赤黒3枚ずつのカードのトランスポジション。
最後の最後までギャグなんですけどその使い方が非常に巧妙で、オチのインパクトを強めています。
賢い人の手順って絶対ただ目先の笑いを取るだけのギャグじゃなくて、さりげなく何かを観客の頭に刷り込みますよね。
実演動画はかなりやらしく、やってること以上に不思議に見えました。
「今入れ替わって、すぐ戻りました」をかなりリアルに見せることができます。

Perspective

スーパー最高なDo as I Do。
4枚のエースを出す手順はいくつもありますけど、そこまでの道のりでも現象起きてめっちゃ楽しいです。
こんだけミニマムにめまぐるしさ感が出せるのも素敵ですし、そう見せるための構成が見事すぎます。
これは最高ですね。
とにかく最高です。

Faro Pharaoh

カードを選んでもらって、もう1枚選んでもらって表向きにします。
表向きにしたカードの数字の枚数分先に最初に選んだカードを移動させるシャッフルをするデモンストレーションですが、数えたりしてるうちに出来た3つのパケットのボトムカードが選ばれたカードのフォーオブアカインドになっています。
これは絶対ハラパンさんにしか思いつかないやつで、原理とスライトの組み合わせでギリギリ攻めてました。
ファローが始まって原理乙とニヤニヤするマニアを倒せます。

Dude, You’re not Even Trying

デックを表裏ぐちゃぐちゃに混ぜて、観客と演者で半分ずつ分けます。
観客に表裏揃えてもらってから演者のパケットと交換しますがそっちは揃っていて、観客が揃えた方はぐちゃぐちゃのまま。
実際はもっと愉快な演出が入るので動画で是非。
本当に道具の使い方が上手い人だと思いますが、これは面白プレゼンまでくっついていてそういう意味では最高峰じゃないでしょうか。

The More You Shuffle

デックを表裏ぐちゃぐちゃに混ぜてその状態を見せます。
またシャッフルすると表向きのカードが減っていって、最終的に4枚のAだけが表向きに。
枚数が減るのをわかりやすく見せれるハンドリングがすごい。
現象思いついてもこういう詰め方はなかなかできなさそう。
この本の中には崩れた状態から一気に現象起こすのがいくつかありますが、インパクトでいったらこれが一番かも。

Followers of Christ

変則的なクライストエーセス。
デックの中でAひっくり返すよーって言ってダイヤのAがひっくり返って、それは裏向きに戻しますがまたダイヤのAがひっくり返ります。
次はクライストマナーで7が表向きになってそこから7枚数えるとまたダイヤのA。
数えてる流れで3つ出来たパケットのボトムを見ると他のAがあります。

まず最初のAプロダクションが素敵で、エースをデックに戻す時はパケットを分けたりせずに戻せるのがまた素敵。
リバースフェイズは演技的にも面白いし動きもイロジカル風ながら確実にひっくり返してるし不思議です。
そっから7が出てくるとこがもうね。もうですよ。

Countdown Packet

4枚の4から1枚捨てると3枚の3、また1枚捨てると2枚の2、1枚捨てるとAが1枚残るという面白手順。
カードマジックやなあって感じですね。
こういう突如立ち上がる謎のルールみたいな手品は大好物です。
ハンドリングやディスプレイの構成も巧く、必要最小限の枚数で実現していて、ハラパンさんのパケットもののこだわりが見える手順です。
最初4枚の4をフェアに示せるのがええですね。
3のとこがやたらむずいけど動画見るとスムーズにやってるし頑張りたい。

Rapid Fire Benzais

Benzais Spin-Outで4枚のエースを出しますが、パケットを入れ替えるカットを行いながら非常にリズミカルに出てきます。
カットして揃えて出すみたいなのじゃなくカットする流れでひょこひょこと。
カットも恐ろしく巧妙。
Benzais Spin-Outの目的であるデックのどっか知らんとこからカードを出すというのを凄いレベルで達成してると思います。

That Escalated Quickly

カットするとトップにA、2つに分けるとそのトップがどちらも2、3つに分けるとトップが3、4つに分けると4、更に10個に分けると・・・
本書の目玉の一つでしょう。
見慣れた動きのようでなかなか追えないカットが、膨らんでいく現象と合わせると何かコントロールしてるようにはまるで見えません。
4のとこではここまで何回も使われてる手法が使われていますが、やっぱりこれは生理的になんでもなかったこととして流れる模様。
10個に分けるとこも演技見たときは覚えんの辛そうと思いましたが解説読むとすんなり入ります。

Daley Express

ビジュアルでスマートなラストトリック。
お客さんの手の中で現象を起こすのは難しくなっていますが、変化の瞬間はめっちゃ綺麗です。
とある理由でマニアでも追いにくい手順になってるのでここぞという時に是非。

Triumph in the Trash

4枚のジョーカーでやるトライアンフ。
2枚表2枚裏にしますが向きが揃います。
別の方法で何回も繰り返すんですが、まあいちいち賢いです。
パケット好きなら他の使用法も考えたくなるんじゃないでしょうか。
この後も他の手順で使われるビジュアルなツイストはワイルドすぎてこの手順には合ってない気がしました。

Blank in the Bin

4枚のジョーカーが1枚ずつブランクに変わっていってまた戻っていきます。
パケットでは珍しくない現象なのにすんごい新しく見えました。
おおまかな手法はマジックやってる人なら想像つくと思うんですが、要所でなんでここでこうできるのかと思わせるところがあったりして巧妙。
いたずらに混乱させるような動きはないのに凄いすね。

Remix in the Rubbish

4枚のジョーカーのツイスト現象からのオールバック、ブランクを経てからの元通り。
ブランクのとこが超良いですね。
絶対どこにも隠せそうにないし、筋的にもこれがあるだけでかなり面白く見えます。
パケットものではこれが一番気に入りました。

King’s Overture

4枚のキングを使ったツイスト現象ですが、1枚ずつじゃなく赤と黒のトランスポジション的な現象です。
赤のキングをトップとボトムにして、黒のキングをひっくり返して中に挟みますが、その位置関係が逆転します。
2段目はカード広げた状態でビジュアルに。
1段目のカードの動きも面白くて、大胆なことをするけどカードの見えてる面を考えたらそういうことをしてないはずだという信頼が生まれます。
ビジュアルな方はこの本の中でもかなり無理をしてる技法で、実際にかなり難しいですが、1段目が綺麗に見せれるし4枚のカードを裏表含めて片手で全部コントロールするという普通に考えても難しい話なんでギリなんとかなる感じ。

Cascading Twist

4枚の絵札のツイスト現象。
1枚ずつひっくり返っていったり、1枚返すと全部同じ向きになったりのやつのレギュラーバージョンです。
ビルグッドウィンが似たようなことやってましたが、ハラパンさんもめちゃくちゃうまい。
今まで抵抗あったカウントを使ってるんですけど初見全く気付かなかったし、そういう技法の組み込み方が絶妙です。
このレベルで出来るなら無駄にカードの位置を入れ替えたりしなくていいしパケット楽しくなりそう。

Plot Twist

4枚のジョーカーが1枚ずつツイストしていって、表を見ると全部Aに。
最後はテーブルに広げて置けます。
セリフも粋で面白いし、仕事終わってからの細部のこだわりも凄いすね。
あれなのにあれじゃないように見えるし、マニアが見てもあれだとは思わないカード構成。
ここで使うあれは色んなのに使えて嬉しいやつでした。

Change Back

4枚のKの裏模様がレインボーになります。
Gag Packsというセクションでのトリックで、ギャグ演出で変化を見せます。
セリフ自体はベタですが、ギャグの効果的な使い方や現象との相性の良さなど読みどころ多いです。
変化のさせ方や解決法などもぴったり合ってると思いました。
インパクト重視とクリーンさの最大公約数的なラインというか、パケットなだけに色々やり方ある中でこういう手順にまとまってるというのはおもろいですね。

One Direction

One Directionは同じ方向ということで向きが揃う手品ですが、思った以上にOne Directionでした。
One Directionの解釈としてもとても正しいと思います。

World’s Smallest Colour Change

Pipo Villanuevaさんとの共作。
カラーチェンジ技法で、サンドイッチされた間のカードが変わります。
両方のインデックスだけはみださせてビジュアルにチェンジ。
野島さんのC3とかもそうですけど、インデックスがビジュアルに変わったとこ見せてカード取り出して全部変わってるとこ見せる感じええですよね。
これちょっとコツが要って難しいんですけどうまくいくとすげえ綺麗に見えます。

Direct Ambigrams

アンビグラムを使った予言現象。

“The Law of Non-Conservation of Card Magic”と”Tawanokomu”の2種類のアンビグラムが紹介されています。
Tawanokomuの方は日本語。
予言の手順は説明できないトリック風で、説明できないトリックについては”Thoughts on “The Trick That Cannot Be Explained”というコラムもあってそちらも必読。
他のトリックとはまた違った方向性のハラパンさんの賢さが出てるし、バランス感覚の良さはここでも発揮されています。
“Messy Ace Production”とか普通に取り入れやすい現象もありました。

Checkmate

チェスの駒がプロダクションされます。
どういう文脈で出てくるかはお楽しみに。
元ネタのあれも意外性とびっくりしすぎるビジュアルながらただのびっくり箱じゃない傑作でしたが、ハンドリングも新たに見事に生まれ変わりました。
カードで賢い手順考える人って小道具導入したらだいたい跳ねますよね。

Have a Break, Have a Kit Kat

ブレイクしたところからキットカットが出てくるセンスの塊のようなギャグ手品。
がっつり不思議なのがまたこれ。
ギャグほど気合い入れてんのが本当に信頼できます。

Flexacard

カードを変化させるギミックカードの作り方。
不器用すぎて綺麗に作るのに2時間ぐらいかかった気が。
カード切る専用の器具欲しくなりますね。

The Frog Prince

なんかカエルの絵が書いたちょっと短いカードが普通のカードのサイズとフェイスに一瞬で変わります。
なにこれやば。
パズルみたいなんだけど現象も起こせるギミックの仕組みもおもろいです。

2 + 2 = 4

ハートの4が分裂して2枚のハートの2になります。
分裂の見せ方が良くて、ハートの4が確実に2つになってから2枚のハートの2になったような。
この類のギミックあんま触れてこなかったけどとても魅力を感じるものでした。
この手順のように最初の状態があれで終わった時はあれは関係ないという感じだとストレスも低そう。
作るのもそんな大変じゃないし考えるの楽しそうなおもちゃですね。

4, 3, 2, 1

4→3→2→1と変化するギミック。
なんかもう色々とヤバい。

Count or Spell

トップカードをめくって「カウントにする?スペルにする?」を観客に選んでもらってそれに従って配りそこのカードを置き、またトップカードをめくって「カウントにする?スペルにする?」を4回繰り返して4枚のカードを出しますが全部A。
すごい。
ちょっとしたアンラッキーなこともるんですが、あんまりそうならないみたいだし、特に違和感もなさそう。

Twisted Choices

4枚のAと4枚のKを使ったブレインウェーブ現象。レギュラー即興版です。
すごい良いですこれ。
A-Kネタで必要悪的に存在する1枚ずつ示すパートもかなり説得力高い見せ方だし、普通のツイスト現象から入る構成もオチの強調とサトルティを兼ねていて見事。
AとKをプロダクションするネタがいくつもあるから、それ使うネタもいくつか欲しいなと思ってましたがこれ一つで十分でした。

A Blind Mess

表裏ぐちゃぐちゃに混ぜた状態で1枚覚えてもらってから更に混ぜて、目隠し状態でカットして探し出します。
トライアンフで「表裏ぐちゃぐちゃでどこに行ったかも表向きなのか裏向きなのかもわかりません」って言うあれのリアル版。
本当にどこに行ったか表向きなのか裏向きなのかわからない状態にするシャッフルパートが見事です。
表裏混ぜてると本当に不可能そうに見えるし、そっから更に難しくすんのがたまらんですね。

一体何考えてたらこんな手品思いつくのかという話は各手順の分析やコラムで語られていますし、全体通して読むとぼんやりと浮かび上がってくるものもあります。
当代きってのクリエイターの創作論が実践的な手順と共に学べて演じてから読むとまた納得度上がるしクレジットされてる元ネタも掘りたくなるし、これは底なし沼やで。

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Comments

アダム・スミス

いつも見てます!

1月 13.2019 | 11:40 am

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