マジックマーケット2022秋にて発売された西乃幸助さんの作品集。
前作のTHE WORKS ON THE CONCEPTが面白かったのでこちらも読みました。
今回は「エースの手順」「観客参加型”シンク・ア・カード」「カード×日用品」の3章に2手順ずつ解説されています。
いずれもやりたいことと、こうやって見せたいというのがはっきりしていて無理のない手法で実現している手順です。
WORKSというだけあってフットワークも軽く、プレゼンテーションも癖がなく誰でも演じやすい感じで、手法も丁寧に選択されている印象がありました。
各作品軽く紹介します。
LEADER’S CALL
4枚のブランクカードの1枚をスペードのAに交換すると全部Aになります。
サトルティ勝負の手順ですが、さりげない積み重ね式で好みのバランス。
変化もビジュアルすぎない鮮やかさがあって良い感じ。
DALEY’S ACES UNDER THE TABLE
ラストトリック。
ハンドリングは特に変わったところがない手順で、Too Perfect的な観点からのアプローチです。
意外性を持たせるセリフも手伝ってこのプレゼンテーションなら上手くいきそう。
見えないとこに持っていくというのは基本の戦略だと思いますが、そこにちゃんと筋があるのでハマりやすいと思います。
SPECTATOR’S REVELATION
OOSOOM的なメンタルセレクションのカード当て。
少数枚のセットとバッドエンドを感じにくいエキボックで良いバランスの作品だと思います。
実質質問0パターンの釣りの使い方もなかなか。
THOUGHT CARD ACROSS
デックの中から見て覚えてもらったカードが10枚の中に移動するタイプのTHOUGHT CARD ACROSS。
THOUGHTの手続きは限定されますが、自由に思ってもらえるのでそれほど問題には感じません。
最近主流になってる同数枚のアクロスとおおまかな手法自体は同じ。
とある使い所難しいけど使える所で使えばむちゃ強スイッチが上手く使われていて好き。
LASSO
ネクタイを使ったカード当て。
みんな大好き何かキーとなるアイテムを別の目的で使ってるように見せて意外な方法でまた使われるパターン。
それ自体のアイデアも面白いし、これ用にちゃんと手続きが考えられていてとても良い作品だと思いました。
BACKSTAGE
ハンカチを使ったマルチプルセレクション。3枚のカードを手先早業のプレゼンテーションで当てます。
LASSOとはまた違ったアイテムの使い方で、ハンカチの中で探したり中身を見せたり、スキルデモンストレーションの緩急がとても良い感じです。
一つ終わったら次の現象の準備ができてる構成も綺麗。
以上6作品。
現象の見栄えも良いし手順構成の理屈も書かれていて面白かったです。
Kindle版も出てるようなので是非。
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