Ace Assemblyの練習をしたいけどどうせなら良い手順をやりたいなーということで色々と見直していました。100作以上見て良い機会なのでそれぞれの手順の特徴を軽く残しておきたいと思います。
一応ここで扱ってるのはAの上に3枚カードを置くタイプのもので、デックを4つに分けてその上にそれぞれ置いて集まるやつは除外しています。集まってほしいので消えてからデックに重ねるやつも外しました。
大変申し訳ありませんが、Tフォーメーションに並べないのは多数入っています。
カテゴリー分けは複数の要素を持ったトリックも多いので割と適当です。
j
Classic
いわゆる普通のAce Assemblyです。
カードの置き方や手順の構成は問わず、とにかく普通に1か所に集まるもの。
スローモーションやプログレッシブ的な見せ方をしてないのはここに含めました。
Having made Four Packets of Cards with an Ace at the bottom of each, to bring all Four Aces into whichever Packet the Company may choose
Modern Magic (1876)に載っています。
タイトル通り観客がパケットを選ぶのはこの頃からあったんですね。
手法も面白く、レギュラーデックでスイッチ系の技法もフォールスディールも使わずに達成しています。
この手法を取り入れたのちらほら見ますけど、もうちょっと使われても良さそう感。
The Exclusive Coterie (S. W. Erdnase)
Expert at the Card Table カードトリック集の最初に乗ってるトリックです。
恥ずかしながら新訳版で初めてじっくり読んだんですが、これセリフがめちゃくちゃ面白いんですよね。それぞれに3枚ずつカードを置くところもちゃんと面白く見せられる。難しいとこもあるけどこういうセリフだから上手くいく手順になっていてとても良いです。
3枚置くのにカットした適当なとこから配るのも特徴でしょうか。
French’s Extraordinary Aces
Encyclopedia of Card Tricksに収録。
デックに輪ゴムを巻いてイカサマできんように見せますが、ちゃんと集まります。
Modern Magicに載ってるのとやることほとんど同じですが、面白い見せ方です。
Merlin’s “Lost” Ace Trick (Jack Merlin)
ここからThe Charles Miller AcesまでExpert Card Techniqueに収録されてるトリックです。
これは12枚のカードを先に出しておくパターン。
このパターンはあらために効果的ということで採用されてるのが多いと思いますが、これもそういう感じ。
フォールスディール多様ですが思ったより負担は少なく、あらため効果でなかなかクリーンに見えます。
後で紹介するPeter Kane版はこれの完全上位互換。負担の散らし方もバラバラのカードを置いた感も遥かに優れています。
Ace Affinity
バーノンのアンビシャスカードみたいにひっかけのムーブを多様して行われます。
Aを違うカードにすりかえたように見せて実は普通にAで、なんて疑い深い客なんだみたいな。現象が起こる前にこれをしつこいぐらいやるのは結構好き。
そうやってより疑われるようなシチュエーションを作ってどう切り抜けるのかというところは、心理的な工夫が見られて面白いです。
手法としては単純なんですが、この手順じゃないとむしろ怪しく見られるようなバランス。
Anent the Bertram Aces (Charles Bertram)
観客に配ってもらうタイプのアセンブリ。
別にどの手順でもそういうことは出来ますが、すり替えてない事を強調できる演出と手法になっていて綺麗です。
また、カードが移動することを示す強調として観客のポケットからカードが出てくるオチとかあります。
Le Temps Four Aces
タイトル通りの手法を使うもので、解説もなかなか良いです。
個人的にはAce Assemblyではタイミングさえちゃんとしてればアディション系のスイッチよりこれの方が好み。
2000年代周辺でこれの変形版がいくつか見られました。
The Charles Miller Aces (Charlie Miller)
Modern Magicに載ってるやつの巧妙版みたいな感じ。
チャーリーミラー作ですがこれはそんなにスライトパワーは要りません。
ただちょっと抵抗ある手法が使われており、演じる気にはなれず。
Gathering of the Clan
Royal Road to Card Magic収録。
リーダーパケット以外はデックに戻すスタイル。
なにかセリフがついてれば良いんですが、これだと3枚ずつ置くパートが謎すぎるような。様式美にも限界が。
Simplex Aces (Edward Marlo)
ターベルコースの5巻に載ってます。
ほんとにシンプル。
無印に売ってそう。
Take me to Your Leader (Walter E. Cummings)
以下3作はClose-up Card Magic(Harry Lorayne)に収録されてるトリックです。
これは3枚ずつ配ってデックに戻すパターンで、配る時点では何もやりません。
仕事としてはAce Assemblyでよくやる動きだけど、実際に手を動かして見るとなんかいつの間にか移動した感があって良かったです。
1-2-3-4 (Bill Simon, Paul Curry)
ポールカリーということで例のチェンジが。
いやーこれ出来たらアセンブリめっちゃ捗るでしょうね。
途中のあらため加減とかもちょうど良い塩梅になっていてとても効果的なように思います。
4-3-2-1 (Harry Lorayne)
それぞれのAに3枚、2枚、1枚、置かない、という感じでカードを載せていきます。
Ace Assemblyで3枚ずつ置いて入れ替わるってあんまり理屈にあってないよねーという問題意識から考えられたそうで、なんか面白そうなんですが思ったより設定を活かし切れておらず。面白い置き方してもデックに戻しちゃったらよくわかんなくないですか。
The Four Ace Trick (Esward G.Brown)
Card Magic of Esward G.Brownに収録。
一気に消えて集まったように見える構成です。
3 001の置き方を活かしたサトルティが良い感じ。
一気に消えるので1の処理も自然な流れで行えるようになってます。
Classic Ace Assembly (Peter Kane)
Combined Card Sessions に収録されています。
Jazz Acesで有名なPeter Kaneのクラシックアセンブリー。
3枚のバラバラのカードというのに超説得力ある見せ方をしていて気持ちいいです。
個人的にはJazz Acesよりこれの方が好きというか、Ace Assemblyの中でも相当良い方だと思ってます。
Flight to Witch Mountain (Alex Elmsley)
エルムズレイ本1巻に収録。
なんかAce Assembly でエルムズレイカウントが出てくると、他に何も思い付かなかったんですね…と思う事も多いですが、この手順は観客にパケット選ばせられるしエルムズレイカウントだけに頼る事なく怪しくない感じになっていて素敵です。
Finely Final Aces (Steve Reynolds)
Route 52に収録。
ジョンハーマンのFinal Acesのレギュラー版で、テクニックは汎用性の高いものではあるものの、やはり原案からかなり落ちる印象です。
ギャフ使うとデュプリケートを疑われて、それを良い感じで薄めてるとは言えますが、原案はそこも上手く出来ているので。
確かにこの2段目の見せ方は面白いんですけども。
フォーエース (Edward Marlo)
ラリージェニングス入門に載ってます。
アディションの応用トリックとして紹介しているもので、特に変わったところはないです。
色んなところで解説されてるトリックですがこの本ではきちんとエキボックの解説があり、これも悪くありません。
New Card Add (Edward Marlo)
MINT2巻に載ってます。
特に先に12枚のカード出しておくアセンブリに便利なアドオンです。
今までちゃんと読んでなかった部分だったので収穫。
水油とかでも使えるし、なかなか説得力高い。
The Stencel Aces (Bob Stencel)
初出はThe Collected Almanac(1985)で、世界のクロースアップマジックに載ってます。
4枚のAを並べるところはフェアな完Tで、それをひっくり返す時にごにょごにょするパターン。構成的にJazz Acesっぽい気持ちよさがあり好きな見せ方です。
ちょっとややこしい事をやっている部分があるけど、ブレイクを取る方法なのでそこは上手いことやればいいので文で見るより簡単。
The Simple Stencel (Larry Jennings)
ラリージェニングスによるStencel Acesの改案。
ラリージェニングス カードマジックの方に載ってます。
誤魔化す場所が違ってて、原案とは一長一短なので混ぜて使うとフェアさを強調する見せ方が出来そう。
これで押し切るとちょっと重たい感じが。
Interrobang Aces (?!) (John Bannon)
Dear Mr. Fantasy(ジョンバノン カードマジック)に載ってるジョンバノンのStencel Aces。
確かにジョンバノンが好きそうなトリックであり、12枚のカードだけでやるこでより意外で気持ち良いトリックになってます。
原案やラリージェニングス版と比べて簡単で、誤魔化すとこのごちゃごちゃした感じが整理されて観客に何をやってるか理解させやすく、素晴らしいバリエーションです。
Iconoclastic Aces (John Bannon)
Dear Mr. Fantasyからあと2つ。
バニッシュパートがなく意外なタイミングでAが集まってるように見せる事が狙いで、12枚のパケット使うパターンの強みを活かしつつジョンバノンらしい解決で達成しています。
「私は矛盾と共に生きることを選びました」は名文。
Syncopated Aces (John Bannon)
先に3枚のカードを置いてからその上にAを載せていくパターン。
これも12枚のパケットを使うバージョンで、よりパケットトリックらしい感じになってます。
3枚3枚と置いていって、最後に残るのが4枚だから残りはAという説得力が素晴らしいです。
Stealth Assembly(John Bannon/John Carey)
Luckyに収録されてます。
Syncopated Acesと似た感じですが、バノン的なとあるあれによって技法感はかなり低減されています。
逆説4A(泡坂妻夫)
泡坂妻夫マジックの世界より。
先に3枚のカードを置くパターンではこれも外せません。
ここで使われるフォールスドローという技法も非常に有用で、その後の手順もとても巧妙。
これぐらいフェアだと色んな見せ方を考えたくなりますね。
Shipwrecked (Daryl ,Bill Malone)
21st Century Card Magicに収録。
これも3枚先に置くパターンですが、4枚のKは示しながら置いていけます。
バノンのSyncopated Acesと処理は似ていて、まあ一長一短かなーという感じ。
個人的にはバノンの4枚残ったんやからそりゃAやろというノリを推しますが、本作も実際やってみると気持ちいいものです。
Easy Aces (David Williamson)
今はRidiculousで見れます。
基本的にはModern Magicに載ってるやつにウィリアムソン風味の演技。
Classicの淡々としたのが合わんてことで一気に集まりますが、ぐちゃぐちゃになってるカードをめくっていく所で良い感じに緊張感あって良いですね。
一気に消失パターンの面白い見せ方。
Royal Aces (Joshua Jay)
Unrealで演技が見れます。観客が狙い通りの反応をしてくれていて面白いです。
ポーカー演出のアセンブリで、ロイヤルフラッシュオチが着きます。
この手のオチは観客の期待を超えたように見せないといけないわけですが、筋として一貫した見せ方なのでそこは難しくありません。
Misdeal (Andi Gladwin)
The Boy Who Cried Magicに収録。
こちらもギャンブル演出がついていて演じやすいです。
手法もギャンブルテクニックを紹介するという中で行われるので、それが良いカバーになって本来の目的が隠されるのが良い。
スイッチの手法もカジュアルに行えるもの。
Ace Assembly 2(Tom Rose)
これもImpressions at the Card Tableから。
そんなにめっちゃ変わったことはしてないけど、じっくり見せつつ流すとこは流すみたいな緩急が上手くて勉強になります。
そこらへんの解説もちゃんとしてくれてます。
ちなみに1の方は2パケットで行うパターンでアセンブリというよりトランスポジション感が強い作品。
観客に選ばせるところに工夫があって、この時点で全部Aですよーと思わせる説得力があって面白いです。
No-Motion Four Aces (Benjamin Earl)
Less is Moreに収録。
面白いけど不満も残る本で、この本に載ってる手順として一番まともだったのがこれじゃないでしょうか。
まともというのはちゃんとオリジナルの手法を示してくれていて、この本のテーマである精神論的なのとも相性が良いトリックでした。
自然に見えるマルチプルスイッチと、しっかりしたプレゼンテーションでなんか凄そうに見えます。
特にこの演出と観客に本当に自由に選んでもらえる工夫は良いです。
The X Plus One Ace Trick (Roy Walton)
Complete Waltonの1巻に載ってます。
パームもディールテクも必要ですが、さすがというか良い感じにバレにくいところに配されていて楽しい感じ。
Tにしてから重ねてまたデックに戻す、というのがあんまり好きじゃないけど自分でやってもおーってなる。
Four Shadow Aces (John Bannon)
High Caliber(ジョンバノン カードトリック)に収録されてるアセンブリ。
バノン作にしてはかなりオーソドックスで、それだけに演じ方の解説がとても面白いです。なぜ3枚のカードを乗せるのか、色々理屈はつけられるけどこれで良いと思うというような見せ方。
この解説本当にめっちゃ良いのでアセンブリあんまり興味ない人も是非。
Flipside Assembly (John Bannon)
High Caliber からもう一作。
こちらはバノンらしい12枚のパケットで行うものです。
リーダーパケットは離しておき確かに他のAはまだこっちにあるよーとと示します。
繰り返すのにちょうど良いタイミングのずらし方で、アンコール用に覚えておいて損はありません。
パケット接近が気になる手順とそうでない手順ってありますが、やっぱりどう見せたいかがはっきりしてる手順はそこらへん上手いこと考えられておりますね。
Sneak (Liam Montier)
Shazam! に収録されています。
リーダーパケットは1枚のAだけを置き、インビジブルパームエーセスのように移動してくるという見せ方。
現象の理屈云々言うならこれが一番な気がします。移動前のパケットの枚数の扱いもズルくてなかなか良い。
Ace Assembly (Dani DaOrtiz)
Reloadedで見れます。
見所は最後の1枚。
Aとリーダーパケットの入れ替わる前のカードを確実に示してから入れ替わります。
思いっきり接近してるけど結構引っかかる。
Dani DaOrtizならではという感じもそこまでなく、普通にできます。
Elrond’s Assembly (Kiko Pastur)
Under the Bridge 収録作。
独特だからか何回見ても引っかかる。
Aの消失は実際に枚数が減り、スイッチもバニッシュもそれぞれこだわりが感じられてとても面白いです。
先にパケット出しておくパターンのスイッチとしては屈指。
Isolated Assembly (David Regal)
Interpreting Magicに収録。
あまり見ないスイッチ方で、デックの上でしゃこしゃこしないからクリーンに見えます。
スイッチ後もめっちゃ都合の良い状態になるもので、難しいけど練習する価値あります。
GAFF
ギャフを使ったトリックで、他のアセンブリに分類できないクラシック寄りのもの。
主にマクド。
ホフジンサー・スタイルのファア・エース
続マーチンガードナー マジックの全てに載っています。
ホフジンサーが演じていたとされるマクドナルド式のアセンブリ。
今のマクドナルドと違うのは自由にどのエースに移動させるか選んでもらえるというところ。1800年代の人はそこをかなり重視していたんですかね。
Final Aces (Brother John Hamman)
ジョンハーマン本に載ってます。
ギャフ使用では割と最強クラスのルーティン。
ギャフを使って綺麗に3段に見せられるようになっていて、上手く隠しつつ全パートがクリーンに見えどんどん有り得なさが増していくのが気持ちいいです。
Vino Aces (John Guastaferro)
One Degree(ジョンガスタフェロー カードマジック)収録。
ワイングラスに立てて行うマクドナルド。
立って垂直に見せる用のマクドスイッチが解説されててこれが非常に良い。
全体の見せ方のこだわりもさすがのクウォリティです。粋。
Four Ace Routine (Miguel Puga)
Allegro収録作。
ギャフ使用にあたって色々と工夫されていて、プロダクションからバニッシュまでこだわりを感じさせます。ここのプロダクション結構好き。
これはいわゆるマクドナルドではなくリーダーパケットを表にしておくタイプで、1枚ずつ変化していくという少し変わった見せ方。
McDonald’s Aces (Karl Fulves)
Self-Working Close-up Card Magicに収録。
そういうわけでスイッチもバニッシュもセルフワーキング的ですが全く悪くありません。
マクドギャフで変わった手順をやろうとすると重たくなりがちなのでこういうの頭に入れておくのがいいかもしれません。
Aparicio Kings (Miguel Angel Gea)
Essenceに収録されています。
ブランクデックオチから始まる奇妙なアセンブリ。
ここがピークな感じもしなくはないですが、時間の流れと夢というプレゼンテーションに説得力を持たせるようにアセンブリしていくのが面白いです。
やっぱりブランクカード使うのはわかりやすくて良いですね。
ブランクカードでやる時用のバニッシュが参考になります。
Assembled Acehesion (Ramon Rioboo)
Thinking the Impossibleに収録。
トリーテッドカードを使ったシンプルなアセンブリ。
シンプルとは言いますが、こういうカードを使ってシンプルな手順を組むのは難しいもので、クリーンでわかりやすいアセンブリを求めてる人なら第一候補になるんじゃないでしょうか。
アセンブリの演出についての文章が載っておりこれも必読。
マクドナルドのニューメニュー(松田道弘)
現代カードマジックのテクニックに収録。
両面を見せることにこだわっていて、普通に見たらちょっとくどく感じるかも。
それを3つのパケットそれぞれ別のやり方でやっていてなかなか油っこいです。
表裏の矛盾が見え辛い構成なので、そこらへんこだわりたい場合は良い。
スイッチもシンプルでやりやすいやつ。
Dairy Queens (Chris Mayhew)
A Clockwork Appleに収録。
消えて箱の中から出てくるというリアルゴーン手順。
構成ととあるビジュアル技法の有効活用でめっちゃ消えた感あります。
このギャフセットで普通に集まるアセンブリに続けてやるともっと意外性出ると思うので色々いじくり中。
The Three Stooges (Jack Parker)
52 Memoriesに収録。
観客にパケットを持たせて色々操作してもらうとAだけが裏向きになって更にそれがリーダーパケットの関係ないカードと入れ替わるという手順です。
画期的な一作と言っていいでしょう。めっちゃ好き。
1002nd Aces
エルムズレイのやつとその改案色々。
改案作を見ると何をもって1002ndと言ってるのかよくわからないですけど、クレジットされてるものはここに含めました。
1002nd Aces (Alex Elmsley)
エルムズレイ本1巻に収録。
考案は1952年とのことで、Eric de la Mareという人のアイデアが元になってるそう。
リーダーパケットを観客に自由に選択してもらえるおかげでスイッチを疑われない非常に優れた手順です。
正直もうこれで良いと思ってます。
2002 Aces (Larry Jeninngs)
Classic Magic of Larry Jenningsに収録。
オリジナルスイッチ技法と即興デュプリケートの組み合わせで全体に強い説得力があります。
これはこれで面白いんですが、改案と言われると1002nd Aces の面白さってそういうことやっけ、という気持ちにはなる。
2001, an Ace Odyssey (Aaron Fisher)
The Paper Engine (アロンフィッシャーカードマジック)収録。
非常に高度なことを行う1002ndタイプのアセンブリです。トップカード見えっぱなしなので上手くやればスイッチ感が出ない。
手順も他にない感じで面白いのですが、観客の選択でAを移動させたように見せる解説がとても良いので気に入ってます。
これはディーンディルというマジシャンのアイデアらしいです。
1002nd Aces (Roberto Giobbi)
Favoritesに収録。
基本的に原案とやることは同じですが、スイッチのとこが違うのと、例のところの持ち方に工夫があって見る価値あります。
1002nd variation (Helder Guimaras)
Secret Language Vol.1のスイッチ技法の解説に、こういう使い方もできるよというのが載ってます。
この技法はあらゆるAssemblyに使えるもので、スイッチ後に3枚バラバラのカード置くよーするのに都合良い感じになってくれるのでとても有用。
O.Henry
スローモーションかつ意外なクライマックスを見せれて、その仕組み的に意外と負担も少なくクリーンに行えるということで結構人気のパターンですね。原案は確認できず。
The Assembly (J.C. Wagner)
The Commercial Magic of J.C. Wagnerに収録されています。
元々O. Henryは堅い構成でAが確かにここにあるというのは疑われにくいですが、この手順ではインスタントデュプリケートを使ってより説得力あるものになってます。
イロジカルな手法も多く取り入れられた楽しい手順です。
Hitchcock Aces (Darwin Ortiz)
Darwin Ortiz at the Card Tableに収録。DVDでもなんか見た記憶。
カードが入れ替わるということを見せる手順で、O.Henryに向いた見せ方です。
傑作と言って良い手順でしょう。
本人のセルフリメイク含め色々バリエーションがあるけどまあこれで良いです。
Where Regals Dare (George McBride)
Roger’s Thesaurusに載ってるGeorge McBrideのO.Henry。
これめっちゃ良い手順です。
O. Henryは最後の移動の前にリーダーパケットの1枚とまだ移動してないAを示す中でいかに上手いこと入れ替えることが出来るかが勝負ですが、これはとても良い感じにやってくれてます。
Superbowl Aces (James Swain)
Miracles with Cardsに収録。
アメフトに絡めたなんとも言えんストーリーがついておりますが、スイッチの手法はAがデックに接近してないように見えるもので、これは色々と応用できる技法なので是非に。
O’Aronson Aces (Simon Aronson)
商品もありますがTry the Impossibleにも収録されてます。ギャフもまあ自作可能。
ギャフパワーを活かしつつ手順もさすがアロンソンという感じでとても綺麗です。
ちょっと強すぎるかなーと思っていたこともあったけど、ジョンハーマンの手順と同じく手順が良く出来てるのでちゃんと見せれる一作。
O’Henry Ace Assembly (Paul Cummins)
FASDIU Ⅱに収録。
スローモーション成分も強いO’Henryです。
Ace Assemblyは技法の組み合わせ勝負になりがちなプロットで、なかなか好きなのに巡り合うこともないんですがCumminsのこれはかなり好きです。なんかしっくり来る。
パケットでの複数枚パームの解説もあります。
Slow Henry (Roberto Giobbi)
カードカレッジ5巻に載ってるやつ。
良いっすよねこれね。
パケットの接近感を減らす工夫が素敵。
Leading Ladies (Carlos Vaquera)
Illusioneer収録作。
リアルスローモーション的な技法とタイミングが要求されてめっちゃ高度ですけどO.Henry最強クラスやと思いますこれ。
これもパケットで行う技法の解説が充実しているので是非。
Jazz Aces
Peter KaneのJazz Acesとそれを元にした作品いくつか。枚数が少ないか入れ替わりを強調してるか、なんらかのJazz要素があるものをここに含めました。
Jazz Aces (Pater Kane)
Combined Card Sessionsでオリジナルを日本語で読めます。
Jazz AcesはJazz Acesなんですが、この本めっちゃ面白いトリックがいっぱい載ってるので流れで読むと興味を持つ仕組み。
Economy Flight (David Solomon)
Spectacleに収録されています。
パケットにKを使って、ダイヤのKとダイヤのAが入れ替わるみたいなリセット的見せ方をしています。
結構忙しいですが、Jazz Acesっぽい最後の気持ちよさはあるし、見せ方も変わってて面白いです。
A Four Ace Ensemble (Peter Duffie)
Effortless Card Magicに収録。
普通のJazz Acesと違って、リーダーパケットと別の場所のAに一枚ずつ絵札を置き、片方は2枚とも絵札、リーダーパケットは2枚ともAになるという見せ方。
Aはパケットに吸収されないので変化がわかりやすく見えます。
Jokers And Jacks (Larry Jennings)
Up in Smoke収録。
スポットカードの代わりにジョーカーを使います。
これによって消えた事を示す方法に幅が出来る感じです。
All That Jazz (Jack Parker)
52 Memories に収録。
4枚のジョーカーと4枚のKを使うジャズエーセスですが、最後にジョーカー4枚がAに変化します。
カウントを使用せず、シンプルに入れ替わった事を示すのはわかりやすくて良いです。
でもなんかオチ付けたら良いのかって言われると、むしろ中盤の単調なとこをどうにかした方がいいのではというのがJazz Acesの問題な気が。
Boogie Woogie Aces (John Bannon)
Smoke and Mirrors収録。
クライマックスでロイヤルフラッシュが出てきます。
この本のジョンバノンは本当キレてますね。
最近はユニークでクリーンな解決という作品が多いですが、新しい現象を見たって感じの改案ばっかり載ってる。
Bang! Four Aces (Fred Kaps, Channing Pollock)
The Magic of Ascanio – Studies of Card Magicに収録。
AをTに並べて、リーダーに3枚のカードを置きます。リーダー以外の3枚をひっくり返すとAがQに代わり、リーダーに集まってます。
Kapsが最初にアスカニオに見せた時、アスカニオは絶対ギャフ使ってるやろと思ったほどだとかなんとか。
たしかに変なあらためとかなく一瞬で終わるので気持ちよく決まればそう見えるかも。
パームのタイミングの解説が良かったです。
Blank Jazz Aces (David Solomon)
Wisdom of Solomon収録。
スポットカードもエースもデックもオールブランクオチのJazz Aces。
そんなに頑張って何かを隠してる風でもなく進められるのでありっちゃあり。
パケットトリックの流れでブランクオチはちょっと勢いたけやんって感じはしますが。
O’Henry’s Jazz Aces (David Solomon)
これもWisdom of Solomon収録。
タイトル通り。このトリックはスポットカードを12枚使って、そのうち1枚をリーダーのAへ…というヒッチコックに似た半分Jazzな感じです。これによってO’Henryスタンバイも違和感なく出来るようになっています。
あとデックから4枚のAを抜き出す時にスイッチの準備が出来ているのが良いっすね。
パケットからスタートしないJazz Acesは結構ありだと思います。
Super Jazz Aces (Luis Otero)
Enlightened Card Magic収録。
O’ Henly的な意外なオチをやってます。
確かにパケット2つなので分かりやすくて良いですね。
他にもこのオチをやってる作品はありますが、ハンドリングはこれがスタンダードな感じです。
Chimera Aces (Kohei Imada)
Animal Trail収録。
Jazz AcesだけでなくO’Henryの要素もありInvisible Palm Aces的に移動しUltimate Acesでもあるという欲張りプラン。
単調さがなく、スポットカードの代わりにブランクを使うので移動した感がとても強いです。
現象もなぜ不思議かも理解しやすいので、受けが約束されている手順。
ハンドリングも面白いところが多いので非常におすすめ。
Gasp! Scream! (Tomas Blomberg)
Blomberg Laboratriesに収録。
2種類のフォーオブアカインドを使います。AとKだとすると、AをTに並べリーダーのAを1枚ケースに。
AがK に変わって他のAは全部ケースに移動します。
Jazz Acesの構造を上手く使った移動現象だと思います。さっきまでここにあった感がちゃんと出てる。
New Jazz (Mike Powers)
Teseractに収録。
カウントを使わないJazzでO’Henryオチがついてます。
枚数の構成が違うため少し有利なスイッチが使えますが、パケットの接近自体はあるのでそこまで効果的かどうかは微妙なところ。
意外性というよりスペードのAのパワーでバックファイアを見せるのは一貫性があっていい見せ方だと思いました。
Stand-up Assembly (Iñaki Zabaletta)
Who is Iñaki Zabaletta?に収録。
観客にそれぞれ1枚ずつAを足で押さえてもらい、それが関係ない3枚のスポットカードと入れ替わります。
レギュラーデックで行いますが、何のカードと何のカードが入れ替わったのかを言えるというマニアックな試み。
Ace Assemblyでそれやるのかーという珍しいことをやっていてとても面白いです。
Reverse
レギュラーでやる手段が限られるためかコインと比べて数が多くないReverse Assembly。
Twilight Zone Assembly (John Bannon)
Impossibillia収録。
この本の作品はたまに変な演出のものがあって面白いんですがこれもその一つ。
各マークそれぞれ14番目のカードがあって、これがスペードのナッシング、これがハートのナッシング…と言ってブランクカードを紹介していって、それがリバースアセンブリします。
Aじゃなく同一カードだとこういうことが出来るというのは他にも例がありますが、このプレゼンテーションの作り込みは凄い。
ブランクカードじゃなく各マークのナッシングに見えてくる。
secA ruoF (Philip T. Goldstein)
Focus (パケット・トリック)に載ってます。
意外と珍しいクラシックからリバースの流れが手順になってるもの。
さっきと逆にやってみましょーといって配り直すので厳密にリバースではありませんが、クライマックスは更なるオチがあって勢い重視ならあり。
厳密にトリックが起こる理屈みたいな事言い出すと演じるのは難しそうですが。
Diminishing Returns(Philip T. Goldstein)
これもFocusから。
よくある構成のリバースアセンブリをプログレッシブにすることによって変化つけて見せてます。
面白いんですが、カウントの仕方に統一感がないのはまあ気になりますね。
Revertible Ladies (Bob Stencel)
Card Finesse Ⅱに収録されています。
これはエキストラ1枚のリバース。
最小限かつ現実的にやろうとしたらこういう感じになるんだろうなーという。
この示し方しかできないなら戻らなくて良い気も。
An Ace Assembly (Guy Hollingworth)
Drawing Room Deceptions収録作。DVDではRoutinesの方で見れます。
クリーンかつ立って多くの観客に見せれる。
リバースまでの流れの自然さもこの手法ならではという感じで、例のアレを使わずにやろうとしてもなかなか良い感じにならない唯一無二の魅力があります。
Assembly and Reverse (Joshua Jay)
Overlapに載ってるやつ。
これ用と言ってもいいぐらいの便利ギミック。
Bare Naked Ladies (Jack Parker)
52 Memories 収録。
これはレギュラーで出来ます。
Assemblyかどうかはギリですが、一瞬でスポットカードとクイーンが入れ替わってまた元に戻ります。
リセットに近い感じですかね。
最後なんかバタバタしますが。
Big Fat Bluff Aces (John Bannon)
High Caliber収録作。
リバースというかなんというか、何も起こってないのに何か起こったように見せるというジョンバノン得意のパターン。
似たような手順はありそうですが、バニッシュパートがただ隠すだけじゃないのが効いていて、なんか色々と上手い。
88 Beast Assembly (Fenik)
The Code 収録。ダウンロード版もあるけどCodeはめっちゃ面白いのでおすすめ。
このリバースはBig Fat Bluff Aces に似ています。
結構手法的に近い事もやってるんですが、一番の違いは実際にリーダーパケットに集まったところを見せられるところ。なのでしっかりリバース感もある。
際どいバランスではありますが、Fenik的なあっちゃこっちゃを楽しみたい場合はこれ。
Odd Back
Aだけ裏色違いのカードを使うやつ。
これに手を出しはじめてからが本番と言われてます。
変にマニアックなプロブレムと見ずに、上手く裏の色が違うことを利用してる作品をいくつか。
Picasso Aces (Philip T. Goldstein)
Focus収録作。
これは非常に良い例。
スローモーション風に見せていて、入れ替わってるのにリーダーパケットのトップカードの裏の色が変わってない問題をうまく解決していますね。
全く無理ないです。
Optical Ace Assembly (Derek Dingle)
ディングル 本に載ってます。
裏の色カラーチェンジも現象になってるのは珍しいかも。
自由にAを選ばせることが出来、スイッチのタイミングとかも良い感じです。
しかし冷静に考えると理屈が通らないとこがあり、ちょっとそのまま演じるのは抵抗が。
The Red-Backed Aces (Bruce Cervon)
Ultra Cervon収録。
正直これ系は使える技法が限定されるので似通ってくるとこがあって、見た目はPicasso Acesとほぼ同じ。
Picasso Acesはデックからでこれはパケット的。
4枚の青裏のエース (松田道弘)
松田道弘のクロースアップカードマジックに収録。
スローモーションでパケット系なのでThe Red-Backed Acesと似てます。
サトルティはこのバージョンの方が自然な気がします。スイッチもパケットならではのものを使用していてメリットを活かしてる感じがして好み。
Among the Mad Men (Tom Stone)
Vortexに載ってます。
まず赤いカードを3枚ずつ四か所において、その中に青のジャーカーを1枚ずつ入れていきます。
それぞれ別の場所に入れてバニッシュの方法を変える見せ方がおもろいです。
スイッチ法とかもろもろ普通のAssemblyにも応用できそう。
TSAR (Tomas Blomberg)
Blomberg Laboratories収録。
色違いかつプログレッシブかつリバースというクレイジーな一作。
これレギュラーデック2組だけ、パームも使わず達成していてかなり賢いです。
カウント祭りになるのは正直そんなに好きじゃないですけど、よくこれで上手くいくなーと感動します。
Slow Motion Aces
普通の刺激では物足りなくなってしまったジャンキーが踏み込む領域です。
Slow-Motion Four Aces (Dai Vernon)
Stars of Magic収録。
ヒューガードがバーノンに言ったとされるサプライズ台無し感みたいなものは確かに。単調さがより際立つ作りなのは間違いないです。
いやでもコンセプト考えて最初からこの完成度はやっぱり凄い。
The Slow-Motion Ace – A Reassement (Dai Vernon)
Vernon Chronicle1巻に乗ってるバージョンで、実際にはStars of Magicの発表以前に考案されていたとのこと。
確かにStars of Magicに載ってるやつのほうが手法がシンプルで良い手品感はある気がします。
Aces in Excelsis (Dai Vernon)
Vernon Chronicleの1巻に載ってます。
マジシャンを騙すためのトリックで、完Tでスタートできる手順。スイッチしないのにバーノンさんブラウエアディションのフリとかして演じてたらしい。
Ace Assemblyってディスプレイ系の技法が多くなりがちで、それって見る人が見たらわかっちゃうので確かにパームで上手いことやった方がマニアックな手順になるなーとあらためて。
枚数で上手いことまだここにAがあると錯覚させるのが誘導になっておりとても良く出来てます。
Slow Motion Aces (Robert Giobbi)
Favorites収録作。
インビジブルパームエーセス的な要素を取り入れてます。
原案とは構成が違うのですが、分厚くなりすぎる瞬間がなく、オフビートなタイミングで処理できるようになってます。
私案スローモーション・ファア・エース(松田道弘)
松田道弘のクロースアップカードマジックに収録。
パームが不要な代わりに中々大変な枚数の誤魔化しが必要。
ただまあ完全にパームなしにこだわらなければ、好みに調整できる感じではあります。
後半の処理に関しては普通に使えるもので、タイミングも良いのではないでしょうか。
色々読み返していたけど松田道弘さんのアセンブリの中ではこれが一番良いと思います。
Slow Motion MacDonald’s Aces (Derek Dingle)
ディングル本に「ゆっくり行う4枚のエースの手順」として解説があります。
マクドナルドのバニッシュを色々工夫した改案で、ギャフ2枚しか使わないのも特徴。
しかし鮮やかなバニッシュとスローモーションの相性は果たして…というところはありますね。
The Crandall Assembly (Justin Higham)
All Hands on Deck! に収録。
なんちゃらターンオーバー使用で、あまり見た目は良くないです。
Slow-Motion Larry (Larry Jennings)
The Cardwrightに収録。
4つのAをフェアに示すことを目的とした改案です。
確かにここで使われる技法は便利そう。
ここにハート、ここにクラブ、と印象深いセリフと共に置かれるのでスローモーション的な見せ方と合ってます。
ジェニングスは完Tバージョンも発表していたはずですがどれか忘れた。
Umpteenth Aces (Philip T. Goldstein)
Focus 収録。
3 001式のスローモーションで、1はパームせずに移動させます。
これが動き的にも自然で視線も怖くない方法でとても実用的。
Bluff Ace Assembly (Steve Draun)
Secrets Draun from Underground 収録。
MarloのBluff Ace Assemblyをベースに、いくつか技法に工夫されてる感じの一作。
最後のビジュアルな出現はプレゼンテーションともハマっていてスローモーションのクライマックスに良い感じの盛り上がりを作れそうです。
(Pete MaCabe)
Scripting Magic Vol.1 に収録。
スタンドアップでパケットを立てて見せます。スイッチがシンプルで見た目良い感じ。
移動中の技法としてはスローモーションでよく使われるものですが、立てて見せることでやりやすくなってるところもあって自然。最後のAでオフビート的にちょっと変わった現象が加えられていて、これはちょっと微妙。
Scripting Magicに収録されてるということで、しっかりセリフがついたポーカー演出が学べます。
というわけで、重要なのいくつかスルーしてますがとりあえずこの辺で。
Ace Assemblyの改案は好みだったり地味な調整になりがちなので、一冊の本の中で読むとオリジナリティが弱く感じられて埋もれてしまいますが、並べて比較すると特徴がはっきりするのであれこんなに面白かったっけと思うことも結構ありました。
Ace Assemblyはほとんど全ての技法を活躍させられるプロットなので、これだけあってもまだ自分で好きなの作りたいという気持ちはなんとなくわかりました。
最近ではJennings本とJack Parker本はまだ読んでないのでそのうち。革新的な作品が望めるジョンバノンも雑誌でちらほら発表してるようですし、George Macbrideも新刊が出ました。
もうさすがにめっちゃ新しいみたいなのは期待できない気もしますが、楽しみにしたいと思います。
それではまた、次回は日本語で出来ないスペリングトリック良作100選でお会いしましょう。
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