by jun | 2018/11/23

ブラックフライデー突入でL&Lが全品70%オフとかやっていて、安すぎだしさすがに罪悪感を抱いたりもしますが、いつもなら読まないけど…ぐらいの本を読んだり積んだりするチャンスです。

Flashpointsは前半ラッカーバーマーがティルトについてまとめていて、後半はデビリッシュミラクルという謎の構成の一冊になります。

Edward Marlo’s Full Tilt

ティルトパート。

基本的な動作から少し変則的なサトルティ、ティルトを使った手順と盛りだくさんな内容になっています。
歴史的な経緯にも触れられていて、62年にマルローとロリンズがやりとりしていた手紙という読む人が読めば嬉ションを垂れ流すような貴重な資料まで載ってました。
そこではティルトじゃなく別のコントロールの解説があって、それはそれで面白いです。エアリックのあれの元ネタ的なあれ。

ティルトのバリエーション的な使い方としてはダローのConvincing Tiltが解説されていて、なんだかんだこれが最強です。
この本に載ってる手順は全部Convincing Tiltでやると効果増すと思います。
残念ながらというかこれを超えるものはありませんでした。

他にも面白いのはあるんですけど、いたずらに不自然な動きを増やしているような感じがあったりするものが多いです。
例えばベンハリスのWafting Upwardなんかはインジョグ作る方向のサトルティとしては変則的でその部分に関しての説得力はあるものの、直前までで十分な気がしますし上塗りすることで逆に怪しくなってしまいそう。
アンビシャスカードの中盤で使うアイデアなので、上手く使えば効果的なのかもしれません。

Tilt Throw Offというコンセプトもジョグを作るもので今ではあまり見ない方法です。
ラッカーバーマーのバリエーションは少し変わったアプローチでティルト感を失くしていますが、それをやる必要かあるかというと微妙なあたり。
ただ、この辺はマニア対策的な方向性だったりするので、流行していた時代ならではの面白さはあります。

手順解説のパートはティルトをダイレクトに使う以外に一工夫あって面白いです。
マルローの”ALL YOU HAVE TO DO IS WATCH”はちょっと変わってるコレクター。実際にこれを演じるかどうかは別にして、コレクター考えまくってるマルローぐらいにしか出てこないような発想。アトファすタイミングがちょっと変則的で、ティルトとの相性の良さが出てます。

表向きのデックに裏向きに入れたカードでやる2枚のトランスポジション、”Tilted Transposition”はアンビシャスカードで使うよりティルト風味が薄れる気がして良いと思いました。
嫌なところでカットしなきゃいけない問題はありますが、シンプルで実用的な手順です。
AとKでやる4-4トランスポジションの”Four-and-Four Transposition”とかもありましたが、入れ替わった後の4枚がただデックの中に入ってましたというのはなんとなく弱く見えます。

赤と青のデックを使う”Do As I Do”にティルトを持ち込むというのもなかなか面白く、セルフワーキングDAIDより見た目の手数が減ってて良いです。
2段階の組み立て方としてもなかなか巧妙ですし、あんまりティルトしても意味なさそうというシチュエーションで使うのも好み。

サンドイッチカードは複数解説されていて、ダイレクトで演出勝負なやつもありましたが”Pinchers”ってのはちょっとだけ変化球な使い方で、微妙なガチ感が出て良いです。まあ普通にガチと思われるだけとも言えますが。

後半は割とコントロールとして使ってるだけのが多かったりするものの、リバースカードのキックバック的な”Another Classical Quickie”や、アンビシャスカードとは少し違った演出の移動現象である”Surprise”は現象として魅力的でティルトである必要性も高いです。

まあ基本的にはコントロール技法なのでそんなにティルトすげえってなることはないんですが、真ん中に入れましたよーってとこがそんなに大事に見えない手順の方が効果的かなという気付きは得ました。ここには載ってないけどトライアンフであれをあれするやつとか。
色んな使い道があって、デプスイリュージョンって本当に凄いですね。

Complete Devilish Miracle

ティルトの方は前に1回読んでましたがこっちは飛ばしてました。
デビリッシュミラクルという現象にイマイチ魅力を感じていなかったからかもしれません。

デビリッシュミラクルは現象の説明がめんどいのでビルマローンがやってる動画をどうぞ。

2人の観客にカードを選んでもらって消えたりあっちいったりこっちいったりというビドルトリック的なあれですね。
うまく演じればビドルトリックよりインパクトあるものに見えますが、適当にやると混乱するだけのやつ。
どうしてもセリフで状況説明しないといけない部分が増えるのでキャラクターに合わない人も多いかもしれません。

ビルマローンの手順はかなり洗練されてますが、本で解説されてるマルローのハンドリングも読む価値あります。
5枚の候補出す時にアトファさないやつが好みでした。
あと、”Doubly Devilish Miracle”というギャフ使用バージョンは混乱をちょっと緩和する感じになってます。
今風の技法使えばもう少しもたつかずにできそうですし、どうせギャフ使うなら周辺をギミックで固めれば軽いタッチでいけそうです。
デビリッシュミラクルはいくつか他の人の改案作もありますけど、見やすさで言ったらギャフ使用にはなかなか敵わないんじゃないでしょうか。
見やすさ突き詰めるとビドルトリックに戻ってしまいそうな切なさも、ギャフ使えばトランスポジションを強調できるので吹き飛ばせます。

あと改めて読んでみると自分が思ってたほどは苦手な現象じゃないようにも思いました。
改案作でピンと来なくても原典読むのて大事ですね。
バーノンはデプスイリュージョンを文章で残してないらしいので困りました。

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