2010年に出たACAANのebook。
Tommaso Guglielmiはイタリアのマジシャン。エニエニもOPもめっちゃ研究してる人らしく、他にもそのテーマの作品集があったりします。
本に書いてるわくわく条件はこんな感じ
- レギュラーデック
- サクラなし
- サイコロジカルな手法ではない
- ノーフォース
- ベリーイージー
- 100%
- ノーギミック
- どんなデックでもできる
- アウトなし
嘘はないです。
ついでに、観客に配ってもらうことが出来る、数字とカードを聞いてからデックに触らなくて良い、などもクリアしています。
なんとなく凄そうに見えますが、CAANであればこれらの条件を満たすのは余裕です。
で、どこからをCAANと見なすかは線引きが難しいところですけど、カードを抜き出す手続きがあるものやなんだかんだ普通の選び方をしてもらうものをCAANとするならこの手順もまあそうだと言えます。少なくともカードと数字を聞いてすぐにまさかまさかーーってなるようなものではないです。
問題はどの程度ACAANっぽく見えるかですが、これは結構そう見えます。
仕組み自体はCAANでよくある感じでも、カードと数字を聞いて観客に数え始めてもらうACAAN感があるわけです。
なんていうんでしょう、どう見てもそこに流れてるのはドブなんですけどその隣に建ってるマンションの名前がリバーサイドなんとかみたいな、マンション自体が綺麗だからリバーサイドと言い張れる的な、そういう説得力があります。
CAANをACAANと言い張る方法にも色々ありますが、引いたカードを思ったカードだとごり押すだけではなく、もうちょっと手順全体に工夫がある感じ。
意外とこういうアプローチはないと思うんで、考え方自体が勉強になるものです。シンプルな手順で変に怪しくなるよりじっくり仕込みながら退屈させない構成。
まあ途中にACAAN研究家なら絶対ずこーーってなるところがあるんですが、ACAAN研究家なら別の頑張り方を思いつくと思うので頑張りましょう。
最初読んだ時は割と萎えましたけど、原理は面白いしACAAN風で決めれるこの手順の中ならそんなに悪くないかなと。
観客にやってもらうこともあるし、それなりに演技力も必要なものの、色々乗り切ればクリーンにACAANに持っていけるなかなか良い手順なのではないかと思います。
セットバージョンと即興バージョンがあって、当然セットバージョンの方がメンタルみが高い手順なんですが、ACAANのとこに着目するなら見た目は即興バージョンも変わらんのでこれはこれでという感じ。
おまけが2つ。
1つはDevilish PredictionというOP風の何か。これは完全に風でOPではなく、基礎的な原理をそれっぽく見せる手順。
ノーセットで行えるので、なんか良い感じの流れの時にやれば結構強そう。
もう1つはACAAN。
まあこれもCAANですね。
観客にシャッフルしてもらえるのが特徴で、上手いことやればかなり不思議に見えると思いますし、上手いことやれるような手順の流れがあって良いです。
どれもパフォーマンススキル次第で結構良い手品になりそうな気がします。
おみくじ代わりに積んでるエニエニ本を一つ適当に読み始めるという乙な嗜みの一環でしたが吉で良かった。
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