1988年のラリージェニングス作品集でMike Maxwellが書いてます。
内容はゴリゴリのスライハンド系でパーム使うのも多く、ジェニングスさんほど手がごつくない庶民的にはかなりきついのもあったりしますが、ジェニングスの映像見ると別に手のゴツさだけでなんとかしてる感じもしないので、頑張れば自然に見えるようにはなってるはず。
クラシックプロットをパワーで解決したものもあって、なんか知恵の輪を引きちぎって「解けた!」とか言ってる感じが楽しい本です。
Double Revelation
カットして4枚のキングを出して、それがエースに変わるマジシャンvsギャンブラー手順。
エースへの変化は手をかざしてひょこひょこ変わるやつで、これは比較的穏当だと思います。
でも写真見るとそれってそんな隠せるっけって感じで手がでかく、何か絶望感みたいなものがありました。
この手のプロットにしてはセットが覚えやすく、手の動かし方もそんなややこしくないので覚えやすいのはポイント高いです。
Open Card Change
最強な部類のカードチェンジで、デックの上じゃない場所でずっとカードの裏を見せたままカードをすり替えることができます。
これは手のでかさとか角度とかあんま関係なくて、「り、利用されてるっ」みたいなあれです。
手に残ったゴミの処理っぷりとかも綺麗で、シチュエーション次第では色々と応用ができそうな感じ。
アニバーサリーワルツでカード2枚見せた状態で観客の手に置いてくっつけるとかできますね。
デックに処理するタイミングをワンテンポ遅らすだけで隠した感はかなり消えるので強いです。
Long Distance Sandwich
離れた場所にあるサンドイッチカードの間にカードが挟まる理想的サンドイッチ。
ハンドリングは結構微妙で、この手のサンドイッチ全般そうなんですが、はよ見せろやってなりそうな感じはあります。
ただ、サンドイッチカードの場合はカードを表向きにしにくそうな見た目なので、それをうまく活かして流す感じの手順。
こういうのって他のマジックである程度不思議なことができるおじさんやでってアピールしといた状態でやると、「挟まってる」ということと「どうせ当たってる」という感覚を同時に与えることができそうなので、連続してサンドイッチする中盤に入れるとかが良さそう。
Vanish an Reappearance of a Card
カードが消えたり出たりします。
移動の感触的にはオープントラベラーズの表向き1枚バージョンみたいな感じで、手に持ったと思ったら何も持ってなくて、何も持ってないのに別の場所から現れます。
ハンドリング的にも面白い構成で、単発瞬間芸に付くちょっとした小話も良いです。
The Daley Jennings
ラストトリックのバリエーション。
エースを見せていく途中でシャカシャカしないのが良いところです。
まんまじゃないけどこういう見せ方の人はたまに見ます。
エースとキングでもできるよーつってそういうバリエーションも解説されてて、そっちはさすがに重たい感じ。
枚数増やせば不思議さも2倍、怪しさも2倍です。
Birds of a Feather
即興でできる2枚のカード当て。
コントロールもキーカードも必要で誰得という感じがすごいですが、実際手を動かしてみるとちょっと面白い気がしないでもなく、このちょっとした感動を味わえた人のみが得できます。
Twisted in the Middle
ツイスティングエーセスのオチで1枚カードが消えてデックの真ん中から出てくるやつ。
個人的にパケットトリックがデックに帰ってくる瞬間みたいなのが好きで、それが好きっていうよりパケットのまま終わるのがあんま好きじゃないってのもあるんですが、まあトランプ全部出したなら全部使いたい的な貧乏性なのでこういうことしたいです。
なんかこれラリージェニングスカードマジックに似たやつありましたよね。
Slap Aces
赤と黒のエースが入れ替わります。
ラストトリック的なものではなく、デックの中での位置関係がコロコロ変わる的なやつで面白いです。
パスとかパームとかあるしスムーズにやるのは大変ですが、いい感じに錯覚を生む仕組みなので動きがおもろいし貫通とかもあって愉快。
Undercut Aces
デックに突っ込んだエースが表向きで現れます。
少し変わったリバース技法と、ちょっとした工夫で確実に他のカードと同じ向きに入れた感は出てます。
このリバース技法が結構よくて、デックをひっくり返す動きでトップカードを好きな枚数リバースできるというメカニカルリバースと同じ性質があり、シチュエーションによってはこっちの方が誤魔化せるかもという感じです。
Spectator Cuts the Aces #1111
観客にシャッフルさせてからのSCTA。
シャッフルさせても出来るということはまあつまりそういうことなんですが、それよりもリプレイスメントに特徴があって面白いです。
コインマジックっぽい感じの。
Covers for the One-Handed Bottom Palm
ワンハンドボトムパーム。
エアリック方式とはカードを回転させる方向が逆で、デックがあんま動かないのとカバー範囲が多いので強いですが、ただディーリングポジションで持ってる状態からはやりにくいです。
コンビンシングコントロールからやる方法が解説されててそれだと流れでいい感じにいきます。
One-Way Deck Techniques
パケット内のカード当てで、たぶんみんないっぺんは考えたことあるトリックだと思うんですが正式に発表されてるのは数少ないはず。
パケットにしてるあたりがクレバーで、ちょっと変で面白いハンドリングもあります。
The Cream Always Rises
4枚のAを戻して観客がそれを探し出す的なやつ。
4枚のコントロールが肝で、4つにパケット分けたりしないのでヘンリークライストにも応用できそう。
Slow-Motion Card to Pocket
フェアにゆっくり行うカードトゥポケット。
写真見るとやっぱり手のサイズがずるいのですが、ちょっとしたアクション入れることでデックから抜き取った感消してて動きとしてもそんなにおかしくない感じ。
Double Shake-Out
ファローかませた状態で2枚のカードを出現させる方法。
いつも名前忘れるパタパタするとヒョコヒョコ出てくるやつのコントロールしないバージョン。しかも2枚出せます。
やっぱあのヒョコヒョコ感はいいものですよね。
これで2枚行けるんやってちょっと感動しました。
Hofzinser’s Business Card Problem
名刺を財布に入れて、選んだカードが名刺に変わってカードが財布の中から。
ホフジンザーさんもこんな解答は望んでなかったと思いますが、ワレット使うやつで出す方にも活用するやつ良いですよね。
もらった名刺だとあれだし普通に色違いサインカードでも良さそう。
他にもトリックがいくつかと技法も色々解説されていてどれもマニアック。
スイッチ系の技法におもろいのが多いです。
エースアセンブリ系はどれもピンときませんできたが、”Slow-Motion Larry”ってスローモーションエーセスのバリエーションはジェニングスにしか思いつかなそうなもので読み応えありました。
間接的にパーム使うやつは他のもおもろくて、余計な動きは省かれてて練習したくなる感じあります。
Slap Aces、Spectator Cuts the Aces #1111あたりスムーズにでけたらかっこよさそうなのですが何年かかりますかね。
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