by jun | 2020/07/19

今年の初めに発売されたMere Practiceのカードマジック本。先月The Jerxで紹介されてて面白そうだったので買いました。

Second Helpings #1 — The Jerx

Amazonで買えます。
Kindle版もありますが日本のAmazonからも書籍版を注文できて、オンデマンドプリント的なやつで日本で刷ってるっぽいので普通にAmazonで買い物した時と同じぐらいのスピードで届きます。

Jerxのエントリーにワンハンドターンオーバーパスのgifがありますが、そんな感じで技法も手順もハード目です。

Part 1 : Sleights of my own invention

オリジナル技法が5つ解説されてます。
パーム、ワンハンドパス、フォールスカット、フォース、パスみたいな感じです。
それぞれ見たことあるような何かのバリエーションって感じではありますが、メリットがはっきりしてるので練習しがいはあると思います。
目玉はやはりone handed turnover passでしょうか。
ある程度大きい動きでカバーする必要はありますが、反対の手でなんかやりながらとか片手で出来るだけに使い道は多そうです。どうしてもブレイク感が出るのでそっとの方が気になるといえば気になる。
似たような技法を練習したことがあったのでなんとかなりそうな気もしてます。

toss passという反対の手に投げ渡すとコントロールされる技法が結構好みでした。
コントロールってだいたい別にこれじゃなくてもなというのが多いですが、これは右手から左手に渡すもので右手をフリーにするアピールができるので、そういうシチュエーションでは有効かなと思います。

one handed center palmはエアリックのあれ的なやつを真ん中に差し込んだカードでやる的なやつです。あれを練習してたら同じ要領でいけます。

Part 2 : Tricks of my Creation

手順パート。
見た目はシンプル、裏でめっちゃ頑張る系のが多いです。

Open Palm ACAAN

ACAANというかCAAN、どっちかというとストップトリック的な感じです。
ちょっと難しい技法を使いますが、楽にできるポジションかつ、セリフで誤魔化せるようになってて実用的なものになってます。

Card from Heaven

選ばれたカードが降ってくるやつ。
面白い見せ方ではあるのですが、そこが大事じゃないのという部分の解説があっさりしてます。

True Transpo

2枚のカードのトランスポジション。
めっちゃむずいですけど、デックから独立した状態で示せるので理想的ではあります。
言っても使われてるのは一般的な技法なので、頑張って流れを掴めばいけるんじゃないでしょうか。

Half Transpo

これはトランスポジションというより別のカードがセレクトカードに変化する手順です。
演者は途中からデックに触れることなく、観客が持ったデックの中から抜き出して変化させたように見せれる手順でとても面白い手品でした。

True Transpoと同様の手法が使われていて、割と持て余しがちなあれなのでとても参考になりました。

In your face Card Reversal

リバース現象のちょっと変わった見せ方。
アウトジョグした状態でデックの表裏見せてるうちにセレクトカードだけひっくり返ります。
ビジュアルとも言えずいつの間にかひっくり返ってる系でもなく、なんともいえん趣の手品です。
しかしこれ動き自体は理解できるのですが、角度がどうにも辛いですね。
そこを全体の動きで微妙にカバーできるのが面白いところかもしれません。

Brute Force: An Oil and Water

フェアに混ぜれる水油。
技法で解決するのでそのコツみたいな解説がされてます。
綺麗に混ぜれるから強いのは強いですが、見えなくてもそうやってるのかなと思われる手法ではあるので、なんかの続きで2段目ぐらいに組み込みたい感じです。

It Was Yours All Along

シンプルなミステリーカード的なやつの色んな解決法。
method1と2はまあスイッチ技法まんまで、3がちょっと凝ってて面白いです。
単体でやるのは怖いですが。

Cloning Machine

Everywhere and Nowhere的な同じカードが何回も色んな場所から出てくるやつ。
Part 1で解説されてた技法をゴリゴリ使えて楽しいです。
このワンハンドターンオーバーパスはかっちょいい。

Ambitious Card

トップに上がってくるだけじゃなく、1枚のカードが色んなことになるルーティンです。
前半にメンタル要素あるトリックが織り込まれてるのが良いっすね。
色々くっつけただけとも言えますけども、アンビシャスカードパートをこう見せたいってのがあるので良く考えられてる手順だと思います。

Part 3 : My Variations on known moves

パス、ダブル、フォールスディールなどのtipsが紹介されてます。
些細にも見えますが、高難度技法はある程度いったらでかい壁にぶつかるので、そういう時に読むと何か発見があるかもしれません。
パスを使ったフォールスカットなんかは普通に良い感じ。

DPSはちょっと変わったやり方で、動きは大きいですが独特の直線的に抜いた感が軽減される方法。

トップチェンジはかなり楽にできる方法でおすすめです。
若干リズムは悪くなりますが、扱いやすくなるのでタイミングは計りやすいと思います。

Part 4 : Theory

どういう技法を練習すべきか、全ての技法をうまくやるにはどうすればいいか、みたいなエッセイです。
まあよく言われることでアルファベット5文字の話ですが、エピソードを交えつつ最後に少し変わった練習法も解説されてます。

全体的に面白く読めましたね。
意外と技法のクウォリティ勝負になってなくてあーそれってそういう使い方があるのかってのもありますし、見せ方がちょっと変わってるのもあって技法練習用手順としても楽しいです。

しかしAndyさんも誰かと言われたり違うと言われたりの話が尽きませんが、このMere Practiceって人も誰かだったりするんでしょうか。

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