by jun | 2020/07/25

昨年末にスクリプトマヌーヴァから日本語字幕版が発売されたダニダオルティスのDVD。
この人ちょっと多作すぎて何を薦めたものか悩むところはあるのですが、解説が良いし演技中のさりげないセリフも重要なのでやっぱり日本語字幕がついたものが良いです。
なんだかんだ似たテーマを毎回やってる感もあるのですけども、このDVDは過去作のアップデート版があったり、いつもやってる事も比較的シンプルな解決法のものが多いように思います。
使い勝手の良い原理とその巧妙な使い方がいくつも解説されてるので今買うならこれって感じじゃないでしょうか。
4枚組のやつとかも絶対見たほうが良いですけど、かなりダニダオルティス感が整理された1本なのでダニダオルティス入門としても丁度良い一本。

ワンモア・オープン・プレディクション

観客がストップしたところから先に予言していたカードが出てくる超シンプルな手品。
シャッフルしてもらってから始められる手順で、その場合だいたいこれをしなきゃいけないというのがあるのでじっくり見てましたが普通に釣られました。
解説を見ると確かにそういう理屈でやられてたという感じがして納得度も高かったです。
前振りの利かせ方がめちゃくちゃうまく、緩急を見事にコントロールしています。この構造があれば緩のところでスッといけるわけです。

コインシデンス

半分に分けたパケットの中から観客と演者で1枚ずつ覚えて、なんやかんやあった後にその2枚が同じ位置から出てくる手品。
原理としては良く知られたものですが、至るところにそれを感じさせない工夫があります。
この手の現象の示し方としてもわかりやすく盛り上がる感じになっていて、ちょっとしたランダム要素も加わってるのでそこがとても気に入りました。

ミドル・カード

観客のカードを2枚の表向きのカードでサンドイッチした状態で真ん中にもどし、観客のカードだけをサンドイッチカードの中から抜き出すという手順。
ダニダオルティスの作品の中でデモンストレーション的な見せ方をする手品は珍しいかもしれません。
使うテクニックとしても彼がよく使う感じのものではないのですが、動き一つ一つにこだわりがあって最短距離で現象を起こせる状態にするあたりが見所になってます。

ワオ・プレディクション

観客のデックを使った凄い予言。
去年のレクチャーで似たようなことをやってて、ここで演じられてるのはそのまんまのやつではなかったけど観客のデックを使ってあれこれする部分の解説は大変参考になりました。
実は他のトリックより観客の自由度は高くないのですが、現象の示し方で超凄いことが起こった感じに見えるのが良いっすね。

イマジナリー・ダイスII

イマジナリーダイスのアップデート版。
Utopiaやセミオート本で解説されてたやつとなにが違うかというと、演者は2人の観客が思い浮かべた数字を一切知る必要がありません。
その分操作は直接的になるわけですが、うまいこと2人がやることを別にして思い浮かべた数字感を残してます。
元のやつと比べてやらなきゃいけないことがあって、そこが全く違和感ないのが凄い。
個人的には前作の誤魔化し方も好きで、イマジナリーダイス感も強い気はします。

ホフジンザー

カットしたところの数字の合計の枚数目から選んだカードが出てくるやつ。
ダニダオルティスさんこのプロブレムだけでかなりの作品がありますが、これは原理も面白くて超シンプルでとても良いトリックだと思います。

オープン・プレディクション・ダイレクト

超ダイレクトなオープンプレディグション。
ダイレクトな手法をダイレクトな現象に使うための工夫があります。
これは出来たら強すぎる。

マジック・サム

選ばれたカードがテーブルを貫通する手品。
観客にあれこれしてもらってどこに行ったかわからなくなるが…という感じ。
操作的にいつものエニーナンバー系かと思うところがあるし、あれするタイミングも巧妙でやたら意外性があります。

例えば観客にカードを戻してもらってあれして混ぜてもらって…でも見た目的には同じように見えるかもしれませんが、ずっと観客がデックを持っていたという印象は薄いでしょう。

フォーン・コード

1人目の観客に数枚のカードを抜き取ってもらう。
カードを3×3に並べて2人目の観客に携帯のパターンロックと同じように重ねてもらう。
1人目と2人目のパケットが完全にメイト一致するという手順。

サクラではないのですが、演じるのに結構抵抗がある手法が使われております。
なんにしても観客のパターンロックを晒してもらう必要があるのでちょっと演じる相手やシチュエーションが難しいです。
見せ方自体はおもろいですし、完全に自由に積み重ねてもらっても他のメイト一致系の原理と組み合わせて1枚だけの一致とかはなんかできそう。

Disk 2

手順が入ってるのが1枚目のディスクで、Disk 2は技法や原理が解説されています。
原理自体はメジャーなものが多いですが、その扱い方がやはり上手くて、ちょっとした工夫で錯覚が強くなってたりしてます。
主にデックを観客の前で赤黒に分ける話なのですが、レナートグリーンのあれとかダニダオルティスにもめっちゃマッチしてて超良いです。
あとタマリッツがMagic From My Heartでやってたフォールスシャッフルがここで解説されててお得。
これちょっとどうやってこの状態にすれば良いのかってとこはあるんですけど、2デック使うトリックとかだとかなり楽に行えて強いです。

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