一昨年Vanishing Incから出たロベルトジョビーのDVD。ダウンロード版もあります。
ダイヴァーノン、アレックスエルムズレイ、フランクガルシアの作品の中から3つずつジョビーのフェイバリットトリックを解説するという趣旨です。
有名作が並んでいますがさすがロベルトジョビーが演じてるだけあって、あーそれってそういう感じにやればいいのかという発見は結構ありました。
3つ続けて演じられるようになっていて、それぞれ繋がりもありつつ上手いことセットする工夫があって良かったです。
VERNON
“Emotional Reaction”でカードを当て、”Four of a Kind”で4枚のQを出し、”Slow Motion Aces”に繋げるという流れです。
Emotional Reactionlはほぼ原案通りの演技ですが、ちょこちょこシャッフルが入ります。補足として態度的な話がありました。あらためて見て良さを感じましょう。
Four of a Kindは観客と演者で2枚ずつカードを交換してひっくり返してそれが全部Qでしたという見せ方。Emotional Reactionで観客にシャッフルさせてから演じられるようになっています。
また、原案と最後の仕事するタイミングがちょっと違ってて普通に引っかかりました。
色んなやり方あるトリックですけど、2枚ずつ交換してひっくり返すという謎作業が気にならないあっさりした見せ方でとても好み。
Slow Motion AcesはStars of Magicに載ってるSecond methodの方。1枚ずつ移動したのを見せつつ、最後の1枚問題もいい感じに解決しています。
最近あんまりやる人見ないですけど、くるくるしてからのディスプレイとかも普通に良いです。
ELMSLEY
4Aの取り出しを含む”All Backs”からキックバック現象の”Double Swap”、シンプルなアセンブリの”1002nd Aces”と繋がります。
オールバックはAll Backs With Acesを元にしたもの。最初から全部裏のカードという設定で始まる手順で、そこに説得力を与える演出がとても良いです。
4枚のAを探す流れであらためていくのでそこまでくどくもなく両面裏感があり、表の復活も鮮やか。
一見ちょっとややこいように見えますけど、セットが頭に入ってれば演技中に混乱することはない感じです。
最近の手順ではこのギャフ使った手順あんま見ないですけど、1枚入れるだけでかなり便利でラフに扱えるようになります。処理も良いですし。
Double Swapは4枚のAを使ったキッカーエンドのサンドイッチ。とても綺麗な構造の名作です。
キックバックの演じ方は参考にしたかったのですが、観客のリアクションが入れ替わった時点で えっ て感じじゃなく普通に拍手してたりして、なんとなく演技っぽいのが微妙でした。
1002nd Acesで最初にAをあれするところはDouble Swapを前段に演じる理由があって、なかなか綺麗な繋がりだと思います。
このアセンブリは観客が選んだAのところに集めることができ、その過程でさらりと錯覚を強める部分もあったりして本当に良いトリックですね。
GARCIA
移動現象の”A Lady Up My Sleeve”、バラバラに戻してから1枚ずつ出す”Ace Faroleros”、ビジターの”A Surprise Package”と4A推しのルーティン。
A Lady Up My Sleeveは選んでもらったカードを取り出そうとするも他のフォーオブアカインドが出てきてしまうという手順で、最後はクリーンに選ばれたカードがジャケットの中から取り出せる手順です。
観客とやりとりしつつデックの中から出てくるパートがあったりして楽しい。
Ace Farolerosは最後全部Qに変わるオチがついてるのですが、その準備をA出す時に済ましてしまうのが気持ちいいトリックです。
A出しの部分も愉快なプロダクションが解説されていたりします。変なコントロールやスイッチをしなくて良い手順なので非常にコスパ良いっすね。
A Surprise Packageとジェニングスのビジターの違いはパケットを2つに分けるタイミング。メリットとしては見た目の操作のごたごた感の解消と、確かに別の位置に埋め込んだことの強調です。
若干負担は上がりますし、最後のあれは通常通りなので痛し痒し感じにありますけども、ビジターは微妙な変数で印象が結構変わるので試してみると良いと思います。
ロベルトジョビーの最後のあれのやり方はタイミングずらし系の工夫で、どうせパケット接近避けられないし現象をあらためて説明できるので良い感じでした。
9作品解説でランニングタイムが3時間半とかあり、なんか大事なこと言ってるっぽいので日本語字幕が欲しくなります。元ネタ確認がてらInner SecretとCollected Worksをパラパラ見てたらやっぱり良いトリック多いのでこちらも日本語になると良いですね。
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