by jun | 2018/10/15

2009年に出たビルグッドウィンのDVD。
カードマジックが9手順解説されていて、どれも不思議でクッソかっこいいです。
Dan & Daveのとこから出てるだけあって画面のデザインやスタジオの雰囲気までオサレが詰め込まれていて、手順にもノイズがないので何回でも見れます。

Oxna Split

4が分裂して4枚のエースになるやつ。
黒の4から黒の2が2枚になって片方が赤の2になってそこから4枚のエースに分かれる流れ。
グッドウィン手品の中でもかなりセットがめんどくさい部類になると思いますが、それだけのことはあって自然な流れでサクサク分裂していくようになってます。
衝撃で分かれるのとペリッと剥がすように分かれるのの緩急がとても良くて素敵。
デコピンするやつは面が全く動かないのが良いですね。
分かれるとこは手でもカードでも変化前のカードを隠さないから分裂感ぱないです。

Off Balance Transposition

デックの中で4枚のエースと1枚のカードの位置が入れ替わります。
アシンメトリカルトランスポジションとは違ってキックバック的な要素はなく、3連続でひたすら入れ替わります。

最初の2段は4枚が1枚になることで移動を見せて、最後だけ逆でエンドクリーンつーのが素敵です。
それぞれの段階で見せれるものと見せれないものを考えると非常によくできてるのがわかりますね。

難易度はかなり高く、各フェイズ均等に別種の難所が待ち受けていて、そこをクリアすると比較的楽に消失や出現を見せれるアメとムチ手順。

The Paint Brush Change by Roy Walton

ペロンってやって変わるペイントブラッシュチェンジのグッドウィンハンドリング。
絶妙に処理してないように見えるカードの軌道と指の使い方で、知っててもかなり不思議に見えます。
確かにこれ比較的想像つきやすい技法だし、物理的にそうやってはないって動きにするだけでかなり良く見えますね。

バリエーションとしてタマリッツターンオーバーみたいな、上のカードをデックに設置させないダブル処理が解説されててこれも面白かったです。
カードを裏向きにするのはカードを裏向きのデックに元に戻すという理由があるから、あとはデックの上でひっくり返さないように頑張ればいいというか。

Twisting the Kings

カウントする度にキングが裏返っていきます。
裏返っていくやつあんま好きじゃないんですが、最後の一瞬で全部表になるところが良すぎるのでセーフ。

しかしビルグッドウィンはカウントめちゃくちゃうまいですね。
2-4を含む3種類の違いが全くわからないレベル。
めっちゃ丁寧に揃えてまーすみたいなのじゃなくラフなのも良くて、全体的にリズム勝負じゃない雰囲気があります。

The Mirage Trick

サンドイッチカードなんですが、なんか挟まって表見せたら次の瞬間には消えてしまいます。

この超絶感想に困るマジックから学ぶべきは態度ですね。
マジ一瞬ですからね、これドヤ顔でやったらヤバいです。
逆に「なんか一個見せて!」って言われておもむろにトランプを出してこれを演じて受けるようになったら怖いもんなし。
ビルグッドウィンて割と何でもさらっとやるし、あの何でもさらっとやってしまいそうな万能的佇まい羨ましいですね。

Spectator Cuts to the Aces

観客がカットして4つに分けたところからエースが。
個人的にこのプロットに求めるところは、カットする動きが全部同じであること、カット後にパケットを数え直したりシャッフルしたりしないこと、カードは観客にめくってもらえることの4つで、ビルグッドウィン版は3つクリアです。
全部満たすのはむずいので完璧に近いものだと思いますが、犠牲にしてる部分が一番気になるとこだったりもして悩ましいですね。
彼がやるとリズムとか動きとかパーフェクトすぎるんですけども、後半に全部負担が集中してることもあり難易度も高いです。
最初に見たの随分前なんですが、そこまで印象良くないのは初見で現象知った上で構えて見過ぎたのがよくなかったかもしれません。
これからご覧になられる方におかれましては気楽に見て不思議に思った気持ちを胸にこれからの人生を生きてほしいと思います。

Mistaken Sandwich

サッカートリックのサンドイッチでエンドクリーンを目指したもの。
最初間違ったカードをサンドイッチしますが一瞬で別のカードに変わります。
このDVDでも多様されてるグッドウィンお気に入り技法を使ってて、それやりたいだけやんて気もしますが割とパケットトリックの残務処理全般に応用できそうな感じあって良いです。

Reciprocity

エースとキングの交換現象。
かなり変わったスイッチ法で、エースとキングを背中合わせに重ねた状態から1枚ずつエースを置いていきます。
スイッチ後の形は4-4トランスポジション系によくある並びになるので仕事終わりは何でもありな感じです。

ここでも例の技法が使われてますが丁寧に1枚ずつ置いてからあれやるのは結構バランスが難しい感じですね。
多少大きい動きで誤魔化さんといけないのにあんまり雑にはできないみたいな。

Hold the Mayo

ジョーカーが4枚のエースを1枚ずつサンドイッチしていくやつ。
これカードカレッジの4巻でも解説されてるやつですね。

あんまりサンドイッチでカードが表向きに出てくるの好きじゃないんですけども、カード当てじゃなくてエースが出てくるってわかってたらこっちの方がリズム良くていいかもしれません。
あとマニア目線で見ると表向きで出てくる方が不思議な気がします。
無駄なシュコシュコもなくとても気持ちの良い手順です。

全体的に手順はすっきりしていて、ビジュアルなネタより地味現象の裏側の方が面白かったりします。
意味のない動きが少ないだけでこんなに綺麗に見えるのかってのが良くわかる作品集です。
どんなに現象起こる瞬間がクールでも準備段階で必要悪感のある動きが入ると間抜けに見えてしまうもので、こういうの見習ってかっこよくなりたいものですね。

あと地味に良いのがDVDのスタイルで、現象、手順解説、バックビュー、クレジットが分かれてるので見直すのがすんげえ楽です。

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