by jun | 2019/08/26

2014年にMurphys Magicから出たJC Jamesさんの作品集。
カード、コイン、お札、輪ゴム、ペンなどを使ったクロースアップマジックが収録されていて、アクロバティックかつ賢いアイデアに満ちています。
全ての作品が即興でできる手品で、ビジュアルなものでも比較的低負担。
変わった手法が多いので好き嫌い別れるとは思いますが、個人的には7:3ぐらいで好き優勢でした。

Spin

手の中でペンをくるくる回してると消えてまた出てきます。
消えて出てくると隠してただけ感もあるわけですが、ペンのデカさとリズム、回転させる動きの中でということで結構綺麗に消えてるように見えます。
角度に対する解説もわかりやすく、少人数相手ならそんな怖くない感じでできそう。

Latex Slydini

輪ゴムとお札のトランスポジション。
お札は番号覚えたりサインも可、普通に輪ゴムのバニッシュとしても使えます。
この技法、クレイジーなあれのオチで1本になっちゃうやつに使えそうで色々いじくり中。
ほかの動きの中でやろうとするとむずいけど、座りでその時点で消えたりすることを意識させない状態だったらかなり負担は減ります。

POG Production

テーブルに置いたデックに指一本かけてぴょんてやると4枚のAがピョコーンっつって出てきます。
これはセットが必要ですがセット方法も解説されてるのでギリ即興。

面白いんですが、どうしても余分なカードがバラバラと吹っ飛んでいったり表向いたりしてしまいます。
これ解説の動画でもそうだったし、勢いよく出そうとすると避けられないかもしれません。
そこそこに加減すれば防げるけどスパークス感はかなり弱めに。

Wave Change

1枚のカードを手で振ると変わります。
実際にはデックと接近しているのですが、予備動作のおかげで手の中でカードの全面が見えたまま変わったように見えます。
チェンジ前、チェンジ後のポジションも普通に無理がないので、どんな手順にも組み込めるし、垂直に見せれて事故率も低いから超便利。

ACAP

4枚のカードをバラバラに差し込みますが、同じ場所に集まっています。
DVDでは表向きかつバラバラの場所に入れるよーみたいな感じで強調するからちょっと荒い感じに見えますが、裏向きで流れでやればマルチプルシフトとして有用です。
トップとかボトムとかにコントロールせずにとりあえず固めておけばいいってシチュエーションは結構あって、そういう時に差し込んでからカットやシャッフルの動きをしなくて良いのは嬉しいですね。

Fake Tilt

ちょっと変わったティルト。
1枚目にコントロールできます。
ちょっとスピードで誤魔化してる感はありますが、角度をもうちょいあれすればゆっくりもできそう。
複数枚の方法やカラーチェンジのバリエーションが解説されてます。
カラーチェンジのは裏にサイン書いてもらう手順とかに組み込めそう。

CHLAK

観客に4枚触ってもらってそれが全部Aでしたってやるやつ。
この手のやつは一旦下にあれしてからその後どうするかという感じのが多いけど、この発想は超賢いですね。
ゴミは残るけどどうにでもできる位置だし、表向きのセットが要らないメリットの方が大きいです。
コレクターに使うのと、もう少し多いカードを使って別の演出をするバリエーションも解説されてます。
枚数が多くて出した後がランダムなカードの方が気取られなくていいかもしれません。

Fan Change

4枚のカードをパチンと弾くと1枚変化します。
変わるのは端っこのカード。
やや上下の角度に厳しく使いどころは難しいですがパケット自体を振らないのでビジュアル感あって良いです。
原理的にはシンリムのあれと似たようなあれなので、ツイスティングルーティンにも組み込めます。

Clean Transpo

2枚のカードのトランスポジション。
一番上と一番下のカードが入れ替わります。
変化の瞬間は片手、技法も良いし手順の流れもとても良いです。

Drunken Production

フォーオブアカインドの出現と変化。
出現はテーブルを広く使って意外性ある感じでリズムよく出てきます。
変化の前の遊びが面白いんですが、何故かこれだけレギュラーデックでできない仕様。
似たような動きでレギュラーで出来る技法もあるし、なんか演出足せば入れ替わることを強調できるのでどうとでも出来はしますが。

UnSleeve

スリービングの手法。
指を変にまげなくてよくて腕も手のひらの動きも自然。
プロダクションの方は何かを頑張って出した感が強くてちょっと微妙ですね。マヨネーズの最後の一滴出す時ああいう動きするし。
主観で見たら手のひらに落ちる効果もあって手をかざされただけでなんかが現れたように見えるかもしれません。
このDVDおしゃれ意識で被写界深度が浅くてピントが動く映像なんですが、解説の時のフォーカスがクソすぎてそこもちょっとあれ。

Behind the Force

フォース。
面白いっちゃ面白いけど、角度えぐいし負担の割にそこまで自由に選んだようには見えない気がします。

T2P

カードの一部だけがポケットに移動するカードトゥポケット。
即興でサインカードで出来ます。
これ最高ですね。
入れるところはもうちょっとどうにかならんかとは思いますが、現象は意外性もあってとても良いですし、ワイルドな解決も好き。

全体的にアイデアも良いしスタイルもかっちょいいし普通に好きなマジシャンです。
この後特にリリースもないようなんでまたなんか出して欲しいですね。

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