by jun | 2019/10/30

当代きってのカーディシャン、Andrew Frost氏が先月リリースしたダウンロードコンテンツです。
ホフジンサーエースプロブレムを3つの方法で解決しています。

3 Solutions

この方Instagramでは死ぬほど上手い技法をアップされてたりするんですが、過去作を見ても手順は上手さだけに頼ってない感じで、いわゆるミスディレクションやオフビート的なものを組み込んで現象はメンタル要素も含むような作品が多いです。
今回のホフジンサーエースでもその路線は変わらず、Instagramの動画と違って観客もいるし全身映ってるのでより手品そのものの上手さが際立っていました。

ホフジンサーエースに限らずプロブレムものは何を重視してるのかで好みが分かれるところです。
個人的にホフジンサーエースはカードの選ばせ方、エースをデックから離しておけるかどうか、ひっくり返すところに工夫があるか、セットが必要か、このあたりが気になります。
その辺に注目すると今作の3つの作品はバランス良くパラメータが振られてる印象でした。
大胆にある要素を減らしていたりするのもあって、帯に短し襷に長しということにはなってないように思います。
唯一、カードの選ばせ方はもう少し幅が欲しかったあたりですが、作品や作者の方向性を考えるとやむを得ない感じで観客の印象は跳ねるのでコストパフォーマンスは決して悪くないです。
あるフォースのちょっとした工夫も非常に説得力があって好みでした。

その他技法も詳しく解説されており、セカンドディールやアンドラスのコントロールなど上手い人がどうやってるのか気になるというものもあるし、アディションやカウントの代わりになるような自然さを求めた技法、片手で1枚のカードを真ん中でリバースさせる方法など応用範囲の広いものばかり。
角度きつかったり凝視辛いのも多いですが、ホフジンサーエースだから耐える感じの使い方がされていてカバーの方法なども参考になります。

手順全体で気に入ったのは、観客が選んだカードをずっと観客の手の下に置いておけるパターンの2つ目のやつ。
似た発想のやつにジョンバノンの”Reversal of Fourtune”とか素敵なのもありますが、見た目が大幅にシンプルになってます。

一番いわゆるホフジンサーっぽいのは3つ目のやつで、エースパケットから1枚ひっくり返ってデックでも1枚ひっくり返ってて云々というパターン。
ちょっと流行ってるっぽい観客がエースパケットから1枚選ぶのも良いけど、どんでん狙うならやっぱりこっちかなという感じです。

動画で見る限りこの人がやってさえギリというとこもあるのでなかなか大変ではありますが、意図もメリットも明確なのでいたずらに技法を乱発してるということではありません。
「こんなことせんでも普通にアレしたらええやん」という感想持つ人も多いと思いますけども、見た目の印象はかなり変わってくるのでテクニシャンによるこの方向性の研究は大いに価値があると思っています。

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