1975年に出たハリーロレインのカードマジック本。
Conjuring Artsで電子版が買えます。
一時期Ultra Moveを練習してたことがあり、この本にUltra Moveを使った手品が載ってるらしく読みました。
The Ultra Move
片手でやるトップスイッチです。
指の長さが足りないと結構きついかもしれませんが、半分でやるシチュエーションも多いんでそれなら練習すれば大丈夫だと思います。
これを使ったトリックがこの後いくつか解説されてます。
The Ultra Move for the Ambitious Card / The Ultra Move and the Fast Pass
Ultra Moveを使ったトップコントロール。
アウトジョグして差し込んでからなんもしなくて良いのでアンビシャスカードや移動系の手品に組み込みやすいです。
The Ultra Move and the Fast Pass はマジシャン向けのネタみたいな演じ方をするもの。
知らない人には十分通用するのでサカームーブ遊びは結構捗りそうな技法。
The Ultra Sandwich Routine
ビドルグリップでシュッをやらなくていいサンドイッチロードの話。
2枚載せて片手で両面見せる動きで終わるので、スムーズにやりさえすればモンキーインザミドル的に見せることが可能です。
バリエーションも考えられそうで、1枚は右手に渡すやり方だと負担も減って動きとしても破綻ないかなと。
Ultra Aces / Ultra Aces to Kings
デックの中で行うラストトリックです。
Ultra Moveを使う回数の違う2つのバリエーションが解説されています。
2枚のカードを示しつつスイッチするものなので、普通にトランスポジションの手順にも組み込める動きです。
Ultra Aces to Kingsの方は4枚のAとKの入れ替わりをやります。
その分怖い部分は増えるわけですが、意外と自由にカード構成いじれるんやなという感じです。
Ultra General Card (and Impossible Location)
ジェネラルカードというか、3人の観客が何故か同じカードを覚えてたというような見せ方になってます。
なんとも言えないざわざわした余韻が面白いトリックですが、見せ方はちょっと難しい気もします。
ただ、この原理を使った他のトリックに応用できるのでその手法の一つとしてUltra Moveを使うというのは覚えておいて損はなさそうです。
これって意外と重たい操作になりがちなので。
Ultra Potpourri
他にこういう使い方もあるよ的な話。
メインはフェイスカードのカラーチェンジが解説されてます。
裏向きの中の表でやればプロダクション的にも使えますね。
要は片手でできるのがメリットなので、右にパケットを持った状態とか、なんかを右手で動かしながらとか、両手でやるとか、これでしか出来ないことは結構ありそうです。
Lorayne’s New Fan Steal
デックの上半分のボトムカードを覚えてもらってからそれをパームする方法。
ファンにする流れを作るのが難しいところですが、解説通りにやれば自動的にするんと入って気持ちいいです。
ファンを閉じる動きと逆に取れるので抜いた感も少ないかと思います。
The Peek Lap
スペクテイターピークからそのままポロンする技法。
コントロールせずやっちゃう方法なので、いかにもたつかずにやるかが勝負です。
Goin’ Fishin’
フラリッシュ的でポップアウト的なプロダクション。
真ん中から探したように見えます。
The HaLo Cut Cop / The Spread Cop
コップする前の動作の話です。
確かに何もしてない状態からカチカチするより動きの中でやる方が誤魔化せそうではあります。
One From Three
ちょっと変わったカードの移動現象。
3枚のうち1枚が観客のカードで、その3枚を表にして戻してデックを半分に分け、観客のカードだけが移動するみたいな感じです。
ちょっとそれする必要はあるのかという無理やり技法押し込んだ観客もあるのですが、現象は良い感じだと思います。
Double-Cut Series
ダブルカット色々。
最初のトップだけ保つやつが良かったです。
だいたいの場合はトップ維持で済むので、変に気を使って操作するよりラフっぽく見えるようなのがいい気がします。
Easy Indicator
スペリングで観客とカードのフォーオブアカインドを出す手順。
ノーセットで出来る手順になっていて、インジケーターカードを探す間にちょちょいとやるので特に不自然にも見えないはずです。
トップに4枚とかボトムに4枚とかじゃなくバラバラの特定枚数目に置く方法は覚えておくと便利そうっすね。
A Flourish Deal
ちょっとオシャレな配り方。
ちょっと。
The Regal Royal Flush
このあたりからロレイン以外の作品が出てきます。
これはデレックディングルの手品で、日本語版の本にも載ってる「杜撰なロイヤルフラッシュ」。
現象は観客のカードが置いてもデックの中から出てくるのが繰り返され、置いたカードを見るとロイヤルフラッシュになるものです。
あらためてとても良い手順だと思います。
ディングルの本に載ってるのとはちょっと違う部分があり、最後も箱の中から出すようになってました。
Fource
ダンバリーデリュージョン。
ハートのA、2、3と順に出てきますが選ばれたのはJで、全部Jに変わる的な見せ方になってます。
わかりやすいセットから行えるようになっていますが、この現象にしては重たく感じる部分も多いです。
Any Ace Spell Variation
好きなエースを言ってもらってスペリングすると出てきて、他のAもプロダクションされます。
何を言われても大丈夫なようになっていてセットも簡単なので、4枚のAバラバラにいれてマルチプルシフトしてという流れでもできます。
日本語はちょっと工夫すればという感じですがちょっと厳しいです。
Combination Aces
4枚のAのコントロール。
なんちゃらカットなんちゃらを使いますが、やっぱりこれ手動かしてみても不思議に見えますね。
分けるとこをなんか上手いことできれば良いんですが。
The Lorayne Force Open Prediction
オープンプリディクション。
裏向きのあれをあれする方式です。
ラフに扱って隠せる方法で、オープンプリディクションの見せ方に合っていて結構良いと思います。
Think of Any Card
見て覚えてもらうパターンのThink a Card。
シャッフルしてもらってからスタートできるパターンで、5枚に絞ってその中から当てるという流れ。
演じるの難しいけど、なんだかんだこれぐらいがバランス良いのかなと思える作品。
An Instant Three-Card Location
3枚選んでもらって2枚がピョコンと出てきて最後の1枚はその間から出現するビジュアルな手品。
難しいけどうまいこといけばピョコンのところはかなりいい感じに見えます。
Two-Gether Again
5枚ずつのパケットで2人にメンタルセレクションを行い、そのカードが移動する手品。
移動したというより移動したと言わざるを得ないみたいな状況にするような感じで、これはこれで味わい深いものがあります。
やや説明が難しいところもありますが、ということはこう、こうなっていないということはー?という感じで現象を示すところは楽しそうです。
これはケンクレッツェルの手順で、ロレイン版のThe Fascinating Travelersという似たような感じの作品も解説されてます。
The Square Reverse
真ん中で1枚のカードをリバースする技法。
揃えただけに見せたいわけですが、物理的にどうしてもデックが浮くので、そこら辺のちょっとした動きが細かく解説されています。
Flash Reverse
The Square Reverseを使った手品で、ちょっとした工夫によって観客が差し込んだカードが表向きになったように見せれる感じになってます。
この手法はリバース現象以外でも応用ができるもので、メンタルセレクション感もあって面白いです。
Bust-Out!
フェイスから4枚のAを配ったはずなのにロイヤルフラッシュに変化します。
いかつい技法が使われており、ちょっと練習したけど無理。
これ的なやつ最近ちょっと流行ってた時ありましたよね。
Match Up
観客が選んだ2枚がメイトになる手品。
いかついスイッチをするのでなんでもありやんという気もしますが、メイト一致ぐらいの現象がちょうど良いと思います。
A Riffle Shuffle Cop
リフルシャッフルの動きでボトムをアングルに入れる方法。
便利。
The Ribbon Spread Grab
リボンスプレッドの中から選ばれたカードを探すようなやつ。
リアリティあって好き。
トムローズさんがなんか良い感じのバリエーションやってた気がします。
あとシュパってとるのも元を辿ればこれなのですかね。
The Great Stick-of-Gum-Restoration Mystery
即興で行う板ガムのトーンアンドレストア。
全く知らない話だったのでめちゃくちゃ面白かったです。
2段階になっていて、2段目はちょっと怖いんですが1段目だけでも綺麗にできるようになりたい。
とりあえずガム3種類買ってきたんですけども、解説で書かれてるだいたいのガムはこうだよというのにどれも当てはまっておらず、それだと即興性が失われるので悲しい感じはあります。
まあ今板ガム持ってる人も少ないんで準備してても全然問題なさそうではありますが。
TCAA #5, The Second
複数枚のカードのスイッチ技法。
スイッチするとこ自体は普通ですが、その後の動きはとても良い工夫です。
アセンブリとかすぐ配るやつにはめちゃくちゃ合います。
The 29th Card
観客が覚えたカードの枚数目が予言されてる手順。
2つの原理の組み合わせで、直線じゃないので後を引く不思議さが残ります。
タイトル通り29枚目に行かせることができるので、予言の仕方も色々工夫できそう。
Tally-Ho Detector / Tally-Ho Ace Locator
タリホーのカードケースを使ったスペリングトリック。観客のカードを探すのと、バラバラに混ぜたAを探すのと。
どちらもセット方法やカードの戻し方も参考になるものでした。
タリホーのケース使うやつ、数は少ないながらConjuring Archiveにカテゴリーがあるジャンルみたいです。
Tally-Ho! (spelling words on card case)
ちょっと変わった技法の解説がメインの一冊ですが、全体的に手順の中のちょっとしたところでそんなやり方あるのかというのもあって、結構メモしながら読みました。
本のタイトル通りAfterthoughtsとして各トリックごとに補足コメントがついていて、その部分に読みどころが多いです。
現象的にハマるものは少なかったですが、ガムの復活は普通にやってみたいし、Ultra Moveの使い方のヒントも得れたので満足度は高かったです。
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