by jun | 2018/12/31

今年もまた何もすることができなかった年々時間の流れが早くなってる気がするぅと嘆く季節がやってきましたね。
やるやらないの話は考えてもしんどくなるだけですが、買った物というのは間違いなく存在を確認できるので元気が出ます。
というわけで今年もいくつか手品を買いましたので特によかったものを振り返るエントリーです。2018年に発売されたもの限定で順不同。
既にお屠蘇気分に突入してるので、不思議だったとか最高だとか嬉ションを漏らしたとか以外のことはほとんど何も言わないと思います。

Magic on Tap (Denis Behr)


カードマジックだけの1時間のショーが面白すぎて一番繰り返し見たDVDです。
デニスベアの研究家としての側面やクリエイティビティについては彼の本を読んで知っていましたが、パフォーマーとしてここまでの人だとは思ってませんでした。
スライトも鬼だし、ここまで高い次元で色んな結果を出している人って世界でも稀なんじゃないですかね。
演じられてるトリックの大半は本で発表済みのものですが、こんなに不思議に楽しく見せられるもんなのかと感動しました。

Handcrafted Card Magic Vol.3にも入ってる新作”Mating Season”は本当に素晴らしかったですね。鬼のメイトカード手順。見れば見るほど凄いです。
原理をここまでのエンターテイメントにしてしまう手腕マジ恐ろしいですね。
見た直後は”Harbert”と”Messy”あたりを練習してましたが、”Routined Arith-Mate-ic”や”Packet Trick”あたりも何度か実演して良い感触です。
“Routined Arith-Mate-ic”も言われたらなるほどな原理を一つだけ使って見事な手順に仕上がっています。
どのルーティンを見てもマジックにこれ以外の要素はいらんと思える充実ぶり。

Handcrafted Card Magic Vol.3についてはそのうちちゃんとレビューしたいと思いますが、目玉の”Photographic Memory”、異常進化を遂げた”Haunted Harbert”とまあ最高でしたね。

Principia (Harapan Ong)

ハラパンさん新刊、年末にすごいのが出てしまいました。まだ一周しかできてませんがこの本はやばいです。全ページ面白さしかないです。
収録作のほとんどの演技が観れるリンクがついてるんで現象観てから解説を読んだんですが、思ったよりずっとシンプルな解決ばっかりでビビりました。見た目もシンプルで怪しかったり複雑だったりしないのに凄い。
“Passport Production”、”Kaleidoscope Production”あたりはほとんどセルフワーキングの4Aプロダクション。かなり不思議で見た目もリズムも良く、動きの流れで然るべき所から出てきた感が魅力。
ビジュアルで良いのは”Royal Explosion”、特にバリエーションの方はプロダクションした4Aが一瞬にしてロイヤルフラッシュに変わるように見えてエグいです。
パトリッククンのムーブを使った”Twisting Morph”はツイストからのビジュアルな変化現象。Maxi Twist的なものの中でここまで良いのそんなないと思います。
「バノントライアンフ」の見せ方を変えた”Play It Crooked”も面白いですね。
ジョシュアジェイのあれを普通に分けて見せたというか、それでも十分不思議だしクリーンですね。
ブレイクを取ったところからキットカットが出てくる”Have a Break, Have a Kit Kat”なんて遊びがあったり、パケットトリックもまだそんなアプローチがあったのかというものばかり。
一体なんでこういう手品ができるのかという事についてもコラムがあって、手順浴びまくってるので納得度も高かったです。
頭が良すぎる人が研究しまくった結果が読めるってのは他の本もそうですが、このレベルのもんにはなかなか出会えない気がします。

ジョン・バノン カードトリック High Caliber (John Bannon / 訳・富山達也)

今年一番人に見せたのはこの本に入ってる手順かもしれません。
Six. Impossible. Thingsのサンドイッチの流れと”Origami Prediction”、”Buf ’d”、” Fat City Revisited”、あたりは特に気に入ってます。
パケットだと”Bullet Party”、4カードブレインウェーブは”Mega ‘Wave”がベストという結論になりました。
最初に読み終わった時はSmoke and Mirrors最強は動かないかなと思いましたが、軽く演じられるものが多くやってみるとおもろいので日に日に評価が上がる一冊です。
手品のこういうとこがおもしれえんだよなっていう初期衝動感が詰まってます。

しかし2018年富山訳本はカードカレッジライト、ライター、High Caliberと鬼の勢いでしたね。
1冊読むのにもひーひー言ってるのに3冊も訳すのマジ半端ないっす。

Lecture at Flat No.9

Instagramで動画アップしてる凄い人がいまして、その人のレクチャーがダウンロード販売されています。
とりあえずインスタの動画見てもらうと分かると思うんですがまあ上手いです。

Identity Unknownさん(@sleightlyobsessed) • Instagram

レクチャーは前半技法で後半手順。
技法はフォールスカット、DPS、ターンオーバーパス、カバーパスなどで、自然な動きを意識したものでした。
サイドスチールの変形みたいなやつもめっちゃ綺麗。
こういうのは上手い人のやり方真似すんのがいいと思うんですが、なかなか壁はでかそうです。

手順は意外とじっくり演出で見せる感じで現象もクラシカル。
“Single Phase Ambitious”の見せ方なんかそこまで負担なくて面白いですし、ゴリゴリに技法使って催眠術的な現象を見せる”Hynosis Card”も強いです。
ほとんど鑑賞用かと思いましたが、ルーティンの考え方など参考になる部分も多くありました。

トラバハンド・エン・カサ (Dani DaOrtiz / 訳・谷口和巌 滝沢敦)

ダニダオルティスが演技論と創作論を語っていて、ダニダオルティスが何故ああなのかということがちょっとだけわかります。
パフォーマンスのとこはそれぞれ自分に当てはめて考えることができますし、手順の作り方はあえて型外れなことやってるので頭使いながら読めて楽しいです。
クラシックな現象もちゃんと再構築するあたりは彼の過去作を振り返ってもなるほどと思いました。
ダニダオルティスのこと多少は知らないと辛いとこはあるんですが、彼がどういうマジックするかだいたい知ってれば存分に楽しめるはず。
最先端を行く人の理論を日本語で読める機会はそうないので有難いですね。

スクリプトマヌーヴァは今年ベンジャミンアールのリアルシリーズやハンサムジャック、カードカレッジ5、と攻めまくってましたね。Perception Shaped as a CoinをちゃんとしたDVDにしてくれたのもマジグッジョブでした。

Progress Principle (堀木智也)

堀木智也さんの新刊。

“Coin to Pocket”は歴史に残る傑作だと思います。
音で移動した瞬間がわかるのはコインマジックの醍醐味ですが、動きのノイズがなく音しかしないのでコインが今移動したとしか思えません。
マジックは使う素材が同じだからどうしても名作級の作品というのは年々減っていくもんですが、そういう作品をリアルタイムで知れる喜びは最高ですね。
他には”Imaginary Thread”も面白いコンセプトの作品で、見えない糸を使って色んな現象を起こすのですが、現象も想像力も飛躍していく感じがとても楽しいです。
こういう謎に説得力ある嘘をエスカレートさせていく手順好き。
読むだけで上手くなると話題のトスバニッシュ理論も必読でしょう。
収録作は多くはないものの研究成果として非常に濃厚で、新しい世界の拓けぶりは凄まじいもんがありました。
クレジットとか見ると研究家としてもかなり熱い方で、過去作からずっと変で面白いアイデアに満ちていて、 日本で応援すべきクリエイターの一人だと思っています。
若い世代にこういう人がいるのは頼もしいもんですね。

Centre Stage (John Guastaferro)

ガスタフェローのDVDで、ここ数年のベスト盤みたいな感じです。
映像で初めて見るのもあったし、本で読んだ感じあんまりピンと来てなかったものもやっぱりガスタフェローが演じるとよく見えたりしました。
サロン的に見せれるものが多く入っててたのも良かったです。
“Ace Case”、”Gemini Squared”、”Multi-mental”、”Invisible Opener”、”Intro-Verted”あたりを中心に本当に傑作揃い。

あとなんかこの前いきなりガスタフェローさんが音楽のリリースをして、Spotifyとかでも聞けるのでたまに聞いてるんですがなかなか良い感じです。
ギターのインストアルバムでテイストも色々なんで朝準備する時とかにおすすめ。

John Guastaferro “The Way” – iTunes

Game Changer (Jason Ladanye)

Jason Ladanyeの新刊、ガスタフェローが推薦コメント出してるので読みました。
最高!傑作!みたいなテンションでもないのですが、あまりパーフェクトな解決を求めず構成と演出で不思議さを盛り上げる考え方はガスタフェローが推すのも納得という感じ。
例えば”A Numbers Game”というエニエニはデックは演者がずっと持ってるしカード聞いてからごにょごにょするんですけど、カードアットエニーナンバーから入るから数えるのが誰であろうと不思議さは上がってるように見えますし、ディールテクを使わない方法としてはかなりクレバーな解決だと思いました。
表題作の”Game Changer”はアニバーサリーワルツ的なカードのくっつきに意外性を持たせていて、観客に体感させるという意味では落ちるもののストーリーはよく出来てます。
じっくりと意外性にフォーカスしたい時にはこういうのもええですね。

Only Idea (Rory Adams)

ハイパー手品クリエイターのRory Adamsが手品の作り方と100個のアイデア例を紹介している本。
アイデアはそのまま手順にできるようなものもあるし、これができるんやったらあれもできるやん的に膨らませることもできます。
バリエーションも豊かで発想法鍛える例題としても優秀ですし、普通に遊べるのも多いんでおすすめです。
1ページ1アイデアでさくっと読めるんでトイレ本や枕元に是非。

HoneyBee

デック部門はこれ。
Bee Stockでトラディショナルカットというゴールドスタンダード仕様で、KY製でも十分な質でした。蜂ちゃんのデザインもかわいくて良いです。
デックは他にBlack Roses 2nd、Tangram、Crystal Cobra、Paradoxあたりが質もデザインも良かったです。
SteelシリーズやTデックUSPC版、Copag310など、質が良くて安いデックが色々出た年でした。

以上です。

反省としてはほとんどクリエイター買い訳者買いしかしてなくて、心に深い傷を負うことは避けることができましたが新しい何かを掘り当てた的な喜びには乏しくて、地雷が半分地面から見えていてもとりあえずエニエニと変なカラーチェンジは買うという様な人柱姿勢を持つべきだったと思います。
あと読んだ量に対して出来るのが少なすぎる問題。
良いと思うのに難しいのが多いってのもあるんですがさすがにもうちょっと頑張りたいもんです。
あ、嬉ション漏らしたって書くの忘れてました。嬉ション嬉ション。
良いお年を。

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