Crazy Cherry Collection

マジックマーケット2019で購入したみやもとさんによるレクチャーノート。
3手順収録で、全ての手順の演技動画とバックビューが見れるようになってます。
動画見る限りかなりお若い方でしたが、テクニックもしっかりしていることながら見せ方も上手く、オチのある手順を勢い任せじゃなく盛り上げていてとても参考になりました。
手順自体もそういうメリハリがついたリズムで演じられるようになっていて、現場で磨かれた感があり実用的かつパワフルな手品が揃ってます。

ホフジンサー・エース・プロブレム

ホフジンサーエースで、最後にエースが選ばれたカードのフォーオブアカインドに変化する系のあれです。更にもうひとオチ加わってとてもインパクトの強い作品になってます。
ホフジンサーエース自体がツイスト展開なので追い討ちかけるのはどうなのかという話はあると思いますが、コンセプト自体は通っているのでプレゼン次第という範囲だと思います。
同じような現象だとチャドロングのAnother Rumorとか好きですね。

本作の場合は通常のホフジンサーエースの途中で捻るので、そこまでこねくり回した感じもしないし、ひっくり返ったエースを表向きで見せられるメリットもあります。
流れ自体は普通のホフジンサーエース風なのでマニア受けは良さそうですし、これから起こりそうなことを説明しやすいプロットなのでホフジンサーのこと知らん人に見せても意外な事が起こったということを伝えやすいはず。
この後オチに繋がるのでAどこいったのもやもやを残さず、Aの所在がはっきりしてて入れ替わった感じが出てるのも良いです。

要所で技法が必要になりますが、難所の連続というより区切りごとにナニしなきゃいけない感じなので技法さえしっかりしてれば全体が怪しく見えるようなことはありません。

オチはまあ好み分かれるところだと思いますが、入れ替わったり色々しても目的はカードを当てることだし、サトルティも強いので見せ方さえ間違えなければ最初からそうなっていたとは思われないはずです。

CCC + α

紐に通した3枚のコインが1枚ずつ抜けていくチャイニーズチャーミングチャレンジのバリエーション + α。
CCCパートはノーエキストラかつスタンディングで出来る手順で、堀木智也さんの傑作CCCのアイデアも使われておりとても良いです。
この手の手順でネックになる最後の1枚問題の解決も上手くて、そっから + αに繋げるところが特に見事。
非常に短い距離でいつの間にか系の現象が起こるのに動画でも釣られるし、かなり良く出来てると思います。
普通に流行るんじゃないでしょうかこれ。

Linking Ring and Pen

ペンと指輪を使ったリンギング現象。
リンキング&アピアリング・マーブルとかもそうですが、左右で非対称の物を持つ貫通現象は絶妙にどっちかが怪しいように見えるのが良いです。
タバコとかサイコロと違って安定して持てすぎて不思議に見せる難易度は上がると思うんですけど、なんか別の部分でこうじゃないかと思わせる道具立てだと思います。
そういうこともあって嘘種明かしも効果的で、これやっちゃうと見え方としては別物になってしまうものですが、現象はかなりクリーンに真ん中を貫通してるようにしか見えないのと、種明かし後にまた別の見せ方ができるということもあって、あんまりマイナスになることないんじゃないでしょうか。

3作品とも現象を積み重ねるに当たっての構成がとてもうまくはまってるように思いました。
現象自体もキャッチーだし演じたくなるようなものばかり。
ショップでの取り扱いがないようなので更に練習意欲が湧きます。