by jun | 2023/01/28


1968年に出たアルコーランの作品集。
当時キャバレーでの演技が中心だったアルコーランの手順が解説されています。当時のキャバレーの雰囲気知らんけどまあサロンで見せれるネタです。
タイトルにプレゼンテーションと付いてるだけあって、シンプルな仕掛けをそれっぽく見せる演出も良く、手品やなあって感じでとても良かった。
シンプルっていうかかなり大胆なものも多くて、そういう隙のつき方もおもろかったです。
有名な作品も多いからと後回しにしてたけど知らんやつも多かったのでちゃんと読んでよかった。

The Gold Medallion

観客に3桁の数字を決めてもらい、箱の中に入ってるメダルを裏返すとその数字が書いてます。
これはいくつか派生作品がありますね。ジョニートンプソンのバージョンが有名でしょうか。
アルコーランバンはメダルは観客に取り出してもらえる素敵仕様。かなり大胆ではあるけど、プレゼンテーションと立ち回りでどうにかなる手法です。

Ring On Stick

棒の端を持ってもらって指輪が貫通するやつ。
ノーギミックで基本的にどんな指輪でも出来るテクニックが解説されてます。
基本的に同じことを繰り返してるだけだけどどんどん盛り上がる手順の好例。
基本テクニックで出来るオチの前のサトルティが良い。

Birthday Card Trick

観客の誕生日を当てます。
ギャグを絡めて当てる方法は良くできていますが、誕生日という動かないものをわざわざ書かせるのはあまりしっくりきませんね。
読み方はめっちゃ良いんですけども。

Book Test

3フェイズのブックテスト。
よく知られたものの組み合わせではありますがとても賢い手順です。
中盤まで巧妙で最後に大胆なことやるのが良い。

Torn & Restored Cigarette Paper

シガレットペーパーのT&R。
ハンドリングより台本の解説がメインです。
わざわざ破って復活させるみたいな手順に語りスタイルの演出は向いてそう。

Black Magic

ブリキを炙って煤の形で予言する方法。
手軽とは言えんけど、黒魔術的なことをしたいならそれなりに雰囲気も出て良いんじゃなかろうか。

Encore Card Stab

観客がポケットに入れたカードのメイトカードをナイフで探します。
カードスタブは好きで色々調べてるけどこれなかなか良いです。
誰も何のカードかわからん物のメイトを探すってカードスタブに向いてる気がしますし。
ガチ要素があってリアリティも高く、リカバリーもナイフ活用してるのが好き。

Doodles

複数の観客に紙を渡して落書きをしてもらって、誰がどれを書いたのか当てます。
単純な仕組みですが比較的簡単にマインドリーディングの演技ができるような現象です。
簡単なセリフ例も載ってます。

Princess Card Trick…Plus

10人に5枚ずつ渡して1枚覚えてもらったのを全員分当てます。
最近発表されてるのはちょっと頭が爆発しそうなのが多いですが、これはめっちゃ簡単に出来る仕組みです。
実用性は怪しいですが面白スイッチングデバイスも紹介されてます。まあこれはなんでも代用可。

Nap Hand Deal

演者は後ろを向いたままで観客にカードをカットしてもらって3人のプレイヤーにハンドを配ってもらい、それを当てていく手順。
セリフ例が面白く、シリアスになりすぎないメンタルマジックなので演じやすそう。

Double Thought

観客と演者でカードを当て合いっこするやつ。
調べるともっと古いのはあるようですが引用されるのはだいたいこれです。
まあ傑作ですよね。
レギュラーで色々やり方開発されてるけどなんやかんやこれが最強という気がします。

Card Prediction

完全フリーチョイスの予言。
これも最強系のあれ。

The Flying Ring

リングフライトの手順。
昔はえらい面倒くさいやり方かつ成功率の低い方法でやっていたらしく、それを改善した手順とのこと。まあ今の感覚でいうと普通です。
消失を丁寧に見せないというやり方がちょっと変わってる。

The Pendulum Tells

振り子が揺れるトリック。
Doodlesと同様シンプルな仕掛けでそれっぽさを狙った作品です。
より神秘的に見せるための端的な解説が良かった。

Double Deal

5人の観客に手札を配って覚えてもらってからよくシャッフルしてもらいますが再び同じ手札を配ることができます。
あー良い手品。傑作や。

Note Under Cup

Mathematical 3 Card Monte のあれを即興でやる方法。
手続きのとこの動機付けとかあんのかなと思ったけどそれは特になし。
あくまで軽いエンタメとして見せましょうとのこと。

準備が必要な手品が多く、カードもほとんどレギュラーデックで出来るものはないけど、サロンでインパクトあるネタなら十分許容範囲かと思います。

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