by jun | 2021/11/27

Nathan Kranzoがピーク技法をまとめた本の日本語版。
技法を端から載せてるわけではなくKranzoセレクションのコンピレーションアルバムみたいなもので、ライアンシュルツ、スティーブドラウン、シンリム等の新しめのピークもカバーされていて、無茶なものもなくとにかく実用的な一冊。

翻訳は日本一信頼できる手品本翻訳家の富山達也さんということで、人の意見など参考にしてる場合ではなく今すぐ入手するのが正しい姿勢ではありますが、それを置いておいても一つの目的を達するための技法がまとまった本というのは便利です。
ピークに限らず技法というのは手順によって適したものがあるはずなので、「お好きな方法で」からよりベストに近いものを選べるようになるというだけで読む価値あります。

この本には手順というか演出例みたいなのが一つ載ってるだけで、使い道は各々考える必要がありますが新たに知ったテクニックをどう活かすか考えるのは技法本の楽しみの一つです。
自分で手順を考える場合には技法をたくさん知っておいた方が圧倒的に得でしょう。ピークは別の目的の置き換えや近道に使えることがある技法で、例えばピークを使えばコントロールやフォースを省略できる場合もありますし、手順を組む時のオプションを広げられます。
また、ピークはコントロールやフォースより技法を行うタイミングが限定されないこともあって独特の気配が出にくいので、マジック嗜みマンもびっくりという手品に向いてる技法です。
思い起こしてもぱっと見でわからん手品ってピークが鍵になってることは結構多い気がします。ピーク入れたからって手順が複雑になることもないですし、メンタルマジック以外にも上手く組み込むことができればシンプルで追えない手品が出来るかもしれません。

カバーされてるシチュエーションも多く、スペクターピークからのやつの発展系、トップボトム、他の技法ついでにやっちゃうものまで色々。
技法のついでに出来るやつなんかはリカバリーとしても有用ですし、先にカードを知っていれば演出の幅も広がっておもろいです。

こういう使いたい時にパッと探せる本が日本語で読めるのは本当にありがたい。
手品は載ってない本ですが、色んなシチュエーションでのピークが解説されてるんでカードマジックちょっとやってればこれならこういうことが出来るというのは結構思いつくんじゃないかと思います。

ピークを使った手品関連でおすすめの資料としてはJustin HighamのReflectionがあります。これはピークでカードを特定して当てたり出したり色んなバリエーションの映像が見れるので普通に参考になります。

あとRichard BuschのPeek Performancesもピーク特化の本で、カード以外の手順が多いですがメンタル的な演出を学ぶには結構良い本。情報知ってからの見せ方という意味ではカードマジックにも応用できます。

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