1986年に出版されたラリージェニングスの作品集。L&Lに電子版あります。
ラリージェニングスの作品がカードとコイン合わせて90個ぐらい解説されていて、再録ものも多いですが、ビジターもプリフィギュレーションもトラベラーもリーピングジエーセスもアウトスタンディングトライアンフも載ってます。
一部セットが必要なものもありますけど、基本的には即興か簡単な準備で出来るものが多く、コインもポケットに入れておけばすぐ演技出来る感じです。
クラシックの改案は捻りが効いてて、原理の使い方も賢く、より理想的な現象にしたいバリエーションではハードな技法を使うというようなバランスで、誰が読んでも何かには引っかかるんじゃないでしょうか。
Always Cut The Cards
4枚のAをバラバラな位置に戻してそれがトップに来るマルチプルアンビシャス。
観客参加型で結構いい感じにバラバラに入れたように見えます。
水油なんかと同じで何を見せて見せないときはどうすんのかってとこに気使えばかなり不思議に見えそう。
この本他にも4Aの手順あるから、バラバラの位置に入れたのをプロダクションする手順とも相性良いと思います。
2002 Aces
エルムズレイの1002番目のやつのバリエーション。
普通のアセンブリと違って、3枚カードを置くのはマスターパケットだけで、その他のエースはデックに戻します。
変化じゃなくて消失したことはこの見せ方の方が示しやすいはず。
ジェニングス版はエースをデックに戻すところに一工夫足されていてより説得力も強くなっています。
ここで使われるOptical Add-Onも便利な技法なので是非覚えておきたいところ。
Twisting The Plot
某有名数理トリックのスライト版的な。
何枚かのカード出してその合計の数字のとこからカード出てきます。
この数理トリックめちゃくちゃ不思議ですよね。
トランプおもしれーってなった手品の一つです。
ちょっと捻るだけでかなり原理感消えてとても良いと思います。
適当な枚数目にコントロールする方法も良し。
The Spectator Cops The Silver
観客の手を使って行うカッパーシルバー。
ギャフ使用ですがちゃんと最後は調べてもらえるハンドリングです。
この手のやつはギャフをどう使ってどう処理するかまでの流れで好き嫌い別れますが、ちょっと怖くても変化前の怪しさがないこの方法は観客からしたらインパクトでかいのかなーと思います。
変化後にストレスがあるのはちょっと辛いですが。
Synchronicity
3フェーズのメイト一致ルーティン。
なかなかハードですが、スタック使わずに行うものです。
特に三段目に使われてる手法が面白かったですね。
他に楽なやり方があるんであんまり使われない技法だと思いますけど、マニア相手には結構効きそう。
Misdirection Cards To Pocket
2枚のカードのポケットへのトラベラー。
ちょっとずらしたタイミングであれして出す時はクリーン。
実際見てみないと効果はよくわかりませんが、少なくとも使う道具的に今の時代にはそのまま演じれるものではありません。
考え方としては全然ありなのでカードケースとか普通に流れとしておかしくないもので代用すれば大丈夫かなーと。
A Problem With Hofzinser
みんな大好きホフジンサープロブレム。
フォース使わずにお手軽にできる方法です。
おおまかな流れは普通ですが、コントロールとか一連の流れに工夫があります。
In The Palm of Your Hand
デュプリケートなしの2カードトランスポジション。
ただ裏向き同士のカードが入れ替わるんでなく、一応変化前にカードを見せれるので入れ替わり感はなかなか強いです。
個人的にはサインしないならノーデュプリケートにこだわんなくてもええかなとは思いますが、即興でできるしこういうの覚えておくといいのでしょうね。
The Bet
入門に載ってるファイナルタッチと似た現象です。
数枚のパケットから選んでもらって元に戻し、演者が1枚を選んでそのカードが当たりかどうか賭けます。
直前まで別のカードが見えていたのに当たりのカードに変化していたという見せ方で、チラ見せ感と賭け演出と手法がうまく溶けてていい感じです。
パケットでやってるけど、コントロールとかその辺できればフルデックでもなんとかなります。
Peripathetic Coins
4枚のコインの移動。
最後は観客の手を使います。
手順的には普通ですが、あれの扱いでジェニングスオリジナルのものが解説されています。
The Immaculate Insertion
自然にブレイクが取れるカードの差し込み方。
片手で差し込めるし斜めに入れるやつより差し込んだだけに見えるはず。
後の動きについても解説されてます。
The Bonus Trick
トライアンフの後に選ばれたカードのフォーオブアカインドが出てくるオマケがついたもの。
ノーセットノーフォースで行なえますが、その分重たくなってるとこもあります。
フォーオブアカインドはデックのバラバラな位置に出てくるフェティッシュがあって素敵。
The Mystery Card
ミステリーカードです。
最初に1枚カードをポケットに入れて、サインしてもらって2枚のジョーカーの間に差し込んで消えてポケットのカードがサインみたいな流れ。
結局上手くできたらこういうのが最強なのかなーという解決法です。
ポケットというのが少し気になるところではありますが、あまりに不条理なのでこれぐらいの怪しさを残しておくと丁度いいのかなと思ったりもします。
ポケットのカードは観客に出してもらえますし。
Plotting The Twist Aces
ちょっと数理っぽい操作をして、デックの中から4枚のカードを裏向きにするとそれが全部Aという感じです。
ちょっと良さがよくわからん手順でした。
数理とスライトの組み合わせのバランスが良くないというか、これなら数理部分長くなるだけだし別にいらなくねって思います。
The Hook
ハンギングコイン。
無から始まって3枚出てまた消えます。
手法的にも変な手の形にならずに済むものでバランス良いです。
Impossible
カード当てです。
ラリージェニングス作品にたまにある、その操作が一体なんなのかはわからんがとにかく不思議なセルフワーキング。
あれを使うのがセルフワーキングなのかどうかは微妙ですが、セルフワーキングっぽいのにあれ使うだけでいきなり追いにくくなりますよね。
なんとなーくこれで当てるのかな的な雰囲気はあるのでそこ外して膝カックンできる感じ。
Well Oiled Reset
KとQでリセット的なことやって、Qが全部Aに変わるというオチがつきます。
これは結構有名なやつですね。
カウントマシーン不可避な手順ではありますが、オチのAは綺麗に示せます。
カウント→広げて示す、というのが続いてややしゃらくささがありますけども、1ターンぐらい広げて示すだけにすることもできます。
しかし最後広げれないのは致命的。
ちょっと頑張れば裏の色が違いましたーもできそう。
The Jennings Opener
違うカードが客のカードに変わって元に戻る手順です。
Jennings/Hofzinser Changeという技法の解説がメインになってます。
The Pacoima Solution
カードの消失と移動の現象です。
ちょっと説明が難しいのですけど、現象だけだとビドルトリック的な感じとでも言いましょうか。
パケットじゃなくデックを半分ずつ見せる感じ。
それにちょっと気の利いたセリフがついていて、結構気持ち悪い系のトリックになっています。
The Card In The Beer Bottle
ビール瓶の中にカードが入ります。
丸めるとこには特に工夫がなく、どうやって入れるかという話です。
ペットボトルのやつより時間差であれしなくていいのはメリットでしょうか。
Heads I Win, Tails You Lose
コインをお札の下に入れて、表か裏か当てる賭けをしますが、コインが消えてます。
お札と小銭だけで軽く出来る小ネタとして良いですね。
マットがないとちょっときついってのはありますが、雑音の環境次第でなんとかなりそうです。
7-Up
アンビシャスカードのルーティンです。
割とこじらせ感がありますが、変なコントロール法が覚えられます。
しかしこの手のやつは真ん中に入れたアピールがしつこくてアンビシャスカード以外ではなかなか使い所が難しいものではありますね。
あとルーティンの中で一般的な技法も出てくるから、このルーティンの意味はよくわからん感じにはなってます。
Shut Up And Deal
4枚のAの積み込み手順。
オーバーハンドシャッフルの動きで、Aが演者の手札に来るようにコントロールします。
2段構成になっていて、2段目は観客に人数を指定させられます。
要は複数枚のカードを等間隔にコントロールできるのでなかなか有用なテクニックです。
オーバーハンドシャッフル周りの技法はうまくやらんと数えてる感が出るから難しいものはありますけど。
The Maestro’s Poker Demonstration
赤と黒のポーカーハンドのトランスポジションで、オチは片方がロイヤルフラッシュに変化します。
ちゃんとセリフがついてて、単純なびっくり箱で下げるよりは演じやすいかと。
ハードな技法が出てきますが、オイルアンドクイーン風のお手軽版も解説されてます。
The Jennings Revelation
4つのパケットに手をぴょこぴょこかざすとトップに表向きでフォーオブアカインドを出せるやつ。
これは本当に良い手品ですね。
ジェニングス手品にしてはセットがちょっと面倒ではありますが、このセットのおかげで空の手をかざすと出てくるのと空の手に見える手をかざすと出てくるのを混ぜれて生理的に追えない感じになってます。
The Chinese Connection
ハーフダラーの貫通現象から全部のコインがチャイニーズコインに変化するオチ。
全部観客の手の上で起こります。
なかなか豪快な解決策ですが、貫通パートのおかげでなんとか誤魔化せそうだとは思います。
まあそこしかないだろとしか思われない気もしますし、現象の繋がりが謎ではあるのですが。
Visual Copper And Silver
ノーギャフのカッパーアンドシルバー。
観客の両手に1枚ずつコイン載せてスタートして、2枚同時に手に入れて1枚抜き出すんじゃなく、1枚を観客の手の中に入れるだけ。
変化もいい感じです。
お客さんの手の下であれになってる感じ楽しいですね。
日本円でもできるしこれは練習したい。
The Optical Prediction
赤青二つのデックを使った予言。
2つともレギュラーで、デックが2つあれば即興でできますが、片方だけにセットしておけばかなり楽に怪しくなくできます。
まあ即興でやってこそみたいなトリックではありますが、使うのはレギュラーだし片方はシャッフルしてもらってもいいので十分かなと。
赤青使うやつの面白みが出てるトリックで、この系統のはちょっと色々考えてみたいですね。
L.J. Ten Card Problem Variation
1〜10の間で好きな数字を思い浮かべてもらって、その枚数目のカードを覚えてもらって、元に戻してあれこれすると、表向きに配って思い浮かべた数字の枚数からそのカードが出てきます。
ちょっと謎の手続きが多くて辛いですね。
数理っぽいけどスライトで解決する考え方は好きなんですが、作業っぽい部分が残りまくってるのでそれならもっとゴリゴリ数理の方がええかなと思いました。
夏にカレー食べたくなるのと同じで、作業っぽさが増すほど清々しく感じる説。
The Card In The Hat
帽子の中からカードが出てくるのが4種類解説されています。
ダイレクトなやつも賢いのもあるので組み合わせて遊べます。
ポケットより公明正大感あるし入れ方色々あるのでルーティン組むと楽しそう。
カレンモレッリは選ばれたカード以外全部帽子に飛び込むオチやってましたね。
The Courting Queen
絵札だけ表向きにして絵札の中から1枚言ってもらって、広げるとそのカードが消えてて、もう一度広げると絵札がそのカードだけになってるみたいな手順。
インパクトあって面白い現象です。
絵札じゃなくて数枚から1枚見て覚えてもらって、みたいなのもできそう。
Easy Expert Coins Across
イージーでエキスパートなコインズアクロス。
ノーギャフノーエキストラの4枚移動です。
タイトル通り、動き的には簡単だけど上手く見せるにはかなり時間かかりそうな感じです。
右手に全部持って左手にジャラみたいな動きがないので好み。
その分直接的になるわけですが、サトルティの構成はちゃんとしてるからなんとかなる的な感じでしょうか。
Collectors I
3枚挟まるコレクターです。
A乗せた瞬間にぶわっと挟まるのが特徴。
その分その後ちょっとあれしなきゃいけないんですけど、コレクターのピークって挟まるところだと思うから、最近は後にごにょごにょ系にちょっと惹かれつつあります。
ごにょごにょつってもそんなごにょごにょじゃなくて、負担的にはエース示すとこに7、カード戻すとこに2、広げた後に1ぐらいの感じで散ってる感じでしょうか。
Ambitious Classic
スペードのA〜5で1枚ずつアンビシャスカードやって、5は赤くなるというあれです。
アンビシャスパートはパケットならではの優位性を活かして思ったより凝ってます。
その処理で途中現象がブレるのがちょっとなーと思わんでもないですが、中だるみ防止的に見せられれば問題ない感じですかね。
気持ちいいのでカウント以外のパケットの取り扱い練習用としても最適。
Royal Twist
4枚の10が裏返っていって、最後にロイヤルフラッシュに変化するパケット手順。
変化前、赤の10からスペードのAに変わったところから見せるのが良いですね。
なんかめっちゃ変わった感が出て、枚数ごと変化する手順でも矛盾的なものを感じにくいと思います。
Gambler’s Aces
4枚のエースをバラバラに入れて一枚ずつ取り出すやつ。
入門に載ってるギャンブラーズエーセスとは別です。
出していくとこはテーブルリフルの動きで統一されてるので、コントロールもテーブル上でのやつを解説して欲しかった感が。
Coins and Handkerchief
ハンカチからコインが4枚出てきて貫通したりして、最後の1枚はチャイニーズコインに変化します。
ハンカチ使うと4枚プロダクションでもセットが観客の前で堂々と出来て良いですね。
角度がかなり厳しいとこもありますが、手を広げて見せれるとこが多く、オチも綺麗で良い手順だと思います。
The General Card
ジェネラルカードです。
1枚のジョーカーが選ばれたカード3枚に変化していきます。
派手にすることなく淡々と変わります。
生で見たら不思議だろうなと思いつつ、この本で多様されるセッティングのところはこのトリックで必要なのかどうかは疑問。
現象が起こる前にちょっと怪しくてもだいたい準備しちゃうのは特色でしょうか。
The Lie Detector
覚えたカードについて質問していって、その答えの通りにカードを配っていくとそこからカードが出てくるというやつ。
ノーフォースで出来ますが、ちょっと質問に入るまでの操作に理由を付け辛い感じはあります。
これ日本語でやる場合はかなり簡略化できますけど、日本語だとあんま不思議じゃなくなる悲しみ。
The Skip Tracers – Collector IV
コレクターです。
ファローシャッフルを使うものですが、Aパケットは別に置いておくので、選んでもらってちょっと混ぜてA乗せてドーンという感じで見せられます。
コレクターはなんだかんだファローシャッフル使うのがいいんじゃないかと思っていて、このコントロールからのスピード感も良いですね。
Aをあれするところにタイトルにちなんだちょっとしたセリフがついてます。
Spectator’s Choice
3人の観客がそれぞれ自分の選んだカードを探し出します。
ちょっと変わったフォース集みたいなもんではありますが、最後はサンドイッチ風の見せ方で面白いです。
まあこういうのってなんでそれぞれ別の探し方させんのかってとこがあるんですけど、フェア度はどんどん上がってるので綺麗かなと。
Twist’ In / Twist’ In Ⅱ
ツイスティングエーセス。
Twist’ Inのは結構微妙な感じではあるんですが、Ⅱはツイストの後デックに戻して全部のAが表向きになるおまけ付きでいい感じです。
なんか原案と比べてマイナスになる部分がある時は、その弱点をどうプラスに活かすかってとこが大事ですね。
ツイストする現象はブレてないからデックに戻しても処理感は薄いですし。
King’s Triumph
4枚のKでトライアンフ。
Kはそれぞれ別の場所に散らばってる状態で出せます。
いくらでもやりようありそうですが、変に凝ってて良い感じです。
K中入れる、混ぜる、表裏混ぜるという流れなので、1枚じゃなく4枚であることの不思議さが出てて割と追いにくいはず。
The Observation Test
デビリッシュミラクルのバリエーション。
2枚選んでもらって、5枚を抜き出すと片方のカードだけがあり、そのカードがひっくり返ったりしてるうちにもう一枚のカードに変わります。
入門に「オブザベーションインカラー」というのが載ってて現象は似てます。技法は本作の方が複雑で難しいですが、パケットのリバース現象にはスムーズに行けるようになってます。
デビリッシュミラクル自体がちょっと重たい手順なわけですが、リバース現象が強調されるのでデックの中から表向きで現れるオチをやる場合のインパクトは増すはずです。
Collectors II
コレクターです。
大まかな流れはⅣと同じで、処理の部分が異なっています。
あー確かにそういう方法もあるかーという感じではありますが、別に同じ本に分けて載せるほどのことかという感じです。
Reaping the Aces I & II
出ました名作。
入門のあれにも載ってるスペクテイターカットエーセスです。
2つハンドリングが載ってて、Ⅰが入門に載ってる方。
ちょっと矛盾を減らそうという気が見えるⅡも悪くはないですが、Ⅰの巧妙さからはやや落ちます。
Standing Three Eagles
スタンディングのウイングドシルバー的なやつ。
テーブルないので移動した後にカチャカチャと両手で扱うことになるわけですが、一応移動しましたよーみたいな説明の流れではできるようになってるはず。
Departure From A Point
ポイントオブデパーチャー。
犯罪者と探偵のストーリー仕立てになっていて、小道具として財布を使ったりするのですが、どうもこねくり回しすぎな感じがあります。
原案が現象示すとこがクリーンなだけに後半に負担が集中してるのも移動した感を減じてるような。
Ambitious Classic Variation
アンビシャスクラシックを4枚でやってます。
やってることはそんな変わらないので、繰り返しすぎが嫌な人はこっちの方がいいかもしれません。
どうせなら一枚ひっくり返るとこをなくしてほしかったりしますがそこは残ったままです。
なんかうまいこと理由と話付けて4枚のAでやれば綺麗に収まると思います。
Any Ace Called For
エースプロダクション。
観客にシャッフルしてもらったあと、観客が言ったマークの順番で出していく手順です。
どんな順番でもそんなにシャコシャコせずに済むハンドリングになっていて、カード出すとこも観客参加型だったりするので楽しい感じあります。
4枚目は特に良い感じですね。
どれも派手な感じではなくしっとりと不思議な出し方なので、ギャンブリング風になりすぎるのがちょっとって時に覚えておきたいです。
Open Travellers
オープントラベラーです。
ジェニングスさん自身が色々とハードコアなバリエーションを発表されていますが、これは比較的穏当なやり方です。
The Travelling Expert
こっちがエキストラを使わない少しハードなバージョン。
ちょっとコインマジックの移動現象っぽい感じですかね。
3枚とも別の方法で移動させるので観客の予想を潰していけるとも言えますが、やはり演出上最後の1枚があれというのは説得力に欠けます。
One To Five
スペードのA〜5をテーブルに並べていきますが、順番が変わります。
2段階になっていて、後の方がちょっとややこいのですが、カウントを使わないのでフェアには見えるはずです。
オイルアンドウォーターの見せれないカードの時の振る舞いにも通じる難しさがあり、そこをいかにさらっと流せるかが勝負です。
Prefiguration
名作プリフィギュレーション。
ノーセットからスタートできる予言現象です。
最終的にフォーオブアカインドが揃うけど全然予定調和な感じしないのがいいですね。
入門のやつにも載ってるし、いくつか改案作品もありますが、ビルグッドウィンのあれたかラモンリオボーのあれが好きです。
The Visitor
ビジターです。
ここらへんは有名なやつが続きますね。
入門のやつに載ってるのと、最後のあれするところの向きが微妙に違っていたりしました。
試してみると入門に書いてるやり方の方が自然な気がします。
Triple Discovery
3枚のカードを選んでもらって元に戻し、2枚のカードの間に一枚サンドイッチされ、2枚のカードを見ると残りの選ばれたカードに変わっています。
素敵な現象ですね。
最近だとサンドイッチのエースプロダクションでそういうの見ることもありますが、選ばれたカードでやる方が意外性は高まりそうです。
ハンドリングはちょっとジェニングスタッチで好き嫌いは分かれそう。
Last Minute Visitor
ビジター的なサンドイッチ間のカードの移動ですが、手法的にはビジターっぽさはなくややゴリついています。
移動するまではビジターより楽で、その後ちょっと大変な感じ。
移動現象ではこういう考え方念頭においておきたいもんですね。
Impromptu Wildcard
レギュラーデックでやるワイルドカード。
ジョーカーがキングとエースに変わります。
まあ今読むと最初の方で先読む気なくなる感じはあるのですが、当時からしてどうだったんでしょうね。
同じカードがたくさんあるって状態がそもそも変だから、そこはちゃんと示せないとちょっとあれな気がします。
特にワイルドカードは長いので、どんどん意外性は落ちてくるの思うのですよね。
The Homing Card
何回も手元にカードが戻ってくるタイプのホーミングカード。
カウント使うので垂直に見せれないですが、戻ってくるカードは表向きに出てくるのでわかりやすいです。
最後の処理を見越した演出も含めてとても良い手順だと思います。
あれ、また元に戻っちゃったよーみたいな感じじゃなくて見せやすいし、ラストはちょっと違う印象を持たせる見せ方をしてて綺麗。
The Wave Vanish
フェイクトスしないコインバニッシュ。
ひらひらひらーって手をかざすと消えますが、ひらひらひらーの中であれしやすくなる工夫みたいなやつです。
Homing Card Variation
ホーミングカードの別案。
というかカードを1枚減らしたバージョン。
ハンドリングも違っていますが、個人的には表向きに帰ってくる元のバージョンの方が好きですね。
なんとなくカード重ねてる感が見えやすくなってる手順のように思いました。
戻ってくるカードを目的の位置に配置するのはスマートで良いのですけども。
Wallet Deck Switch
財布を使ったデックスイッチと手順。
カード覚えもらって戻して箱に入れて、選ばれたカード以外が財布の中にインして箱の中が選ばれたカードだけになってるという面白移動現象です。
大胆ですが何重にもミスディレクションがかかっているので強いですね。
あとこれ軽くやろうとしたら52on1カード使えばいいんでは。
Uni-flection
なんかボールペンみたいなタイトル。
なんていうんでしょう、現象的にはジャンピングジェミニ的なパケットのカードが全部変わる感じ。
それをセレクトカード2枚混ぜてやります。
デックからパケットのカード抜き出すとこから始まるから、不自然なカウントでもそれなりの説得力があります。
Jennings On Vernon’s Triumph
ジェニングス版バーノントライアンフ。
ディスプレイのとこがちょっと違います。
ディングルのあれ的なイメージです。
Collectors III
コレクターです。
最初に4枚あれするところがちょっと変わった方法ですが、結果的には別によくあるコレクターのあれと同じです。
肝の部分は今までと違っていて、選ばれた3枚のコントロールをなくしています。
まあコレクターはバラバラに入れたのがバサって挟まるのがいいとこなんで、そこ省くと割と現象小さく見える気もしますが、後半は何もやってない感で進めるのでこれもいいんでしょうか。
Fan-Stab-Stic
観客がファンの中にカードを差して、そこに選んだカードがあるというフォース。
プロフェシームーブじゃなく、あまり大きい動きで誤魔化すこともしなくて良いです。
ファンにしたとこに差し込むってのが巧妙ですね。
メイトマッチルーティンとかで使いたい感。
L.J. On Leipzig’s Sympathetic Cards
Sympathetic 13のバリエーション。
レギュラーデックのみでの解決で、パケットを完全にシャッフルしてもらえます。
まあギャフ使うやつでもデックとパケットの接近あるやつもあるし、これもうまくできれば全然いいんじゃないかと思いますね。
カード選ばせるタイミングが巧妙。
ちょっと色々考えてみたくなるやり方です。
The Visiting Expert
これもビジターのバリエーション。
ただ、サンドイッチされたカードが出たり消えたりという件は有耶無耶になって、なんか普通にサンドイッチからだして消えたり、手法的にもパワフル目な感じになっています。
ジェニングスのセルフ改案でなければ、お前ビジターの何が好きなの??ってなりそうな手順。
Dice-O-Matic
サイコロを使ったカードアットエニーナンバー。
サイコロの使い方が面白くて、振るんじゃなくて好きなように積んでもらって、そこからフェアを装って数字が決定されますが、ちゃんとその合計数の枚数目からカードが出てきます。
まあサイコロのサイコロ性によるあれなのですが、その枚数目にカードがあるってのは不思議だし結構好き。
Distributraction – Collectors V
なんで順番バラバラなのかわかんないですけどコレクターはこれが最後。
難しいけどこれが一番面白いですね。
似たような手法のコレクターの中でも結構良い方だと思います。
The Jennings Bill Switch
ジェニングス流ビルスイッチ。
ノーTCです。
折りたたんでいきまーすみたいな感じじゃなく、さっと変えます。
ビジュアルに変化したようにも見せれますが、観客から借りたお札の番号を使う手品の時とかに使う方が有用そうな感じです。
Clink-A-Clink Coins Across
チンカチンクつってもテーブルに4つ並べるわけじゃなくて、2枚のアクロスです。
Out-Standing Triumph
スタンディングで出来るトライアンフ。
ここで解説されてるのは例のディスプレイじゃなく、なんか手の上でくるくるする感じ。
これはこれで強いです。スタンディングだからテーブルに広げなくて良い理由もありますし。
混ぜた後の状態もあれとは違うので、比較的楽に操作できますが、スタンディングで両手近い時にこのやり方はちょっと怖いなーて感じです。
Cut Reverse I / Cut Reverse Ⅱ
カットの流れでカードをリバースする方法。
Ⅰはボトムカード、Ⅱは真ん中のカードをリバースさせます。
Ⅰはまあなんとか、Ⅱは音させずにするのがむずい。
カットの動きで誤魔化してもカットであの音はしないからなー。
Instant Aces
4枚のエースをデックにバラバラに戻すと、表向きになります。
即興で超シンプル操作でサトルティも強め。
エース戻してプロダクション系の手順の後にやるともうちょい強くなりそう。
Slap Me Again (I Needed That)
カードアットエニーナンバーです。
力技系で、都合いいとこにあれする方法が解説されてます。
それならもっと都合いい位置あるのではと思いますし、力を発揮する場面にももう一工夫欲しい感じです。
Ambidextrous Travellers
4枚のカードがポケットに飛ぶ方のトラベラー。
2回連続でできます。
うまく分散してはいますが、ややデックをあっち持ったりこっちもったりとが忙しく見えるイメージ。
ポケットのカードを取るのに片手を空ける動機があるのでうまくやれば自然になるのでしょうけども難しい…。
ジェニングス流のワンハンドボトムパームも解説されてまして、エアリック流とは逆みたいな感じです。
Double Your Pleasure
ダブルのやり方が二つ解説されてます。
一個があれでもう一個があれ。
今でもオシャレ界隈で使われてるやつですね。
The L.J. Toss
投げて渡したように見えるシャトルパス。
できたらかっこよさそう。
こういうちょっと指動かすけど動かしてないように見せるの難しい。
明らかに投げただけでそうはならんだろという指の動きになってしまいます。
Double Think
2人の観客にデックの中からカードを見て覚えてもらい、その2枚がリバースするという現象。
なかなかの厳しさがありますが賢さもあります。
いやしかしひっくり返るところに強さがいるのでなかなか成功のイメージができません。
Spectator’s Triumph
観客に表裏シャッフルさせられるトライアンフ。
ぼんやり混ぜたように思わせるんじゃなく確実に混ぜてもらえて、サトルティやあまり使われてない手法もあって面白い手順です。
ただ最近のデックだとちょっと厳しい。
まあなんか他の観客シャッフル型のトライアンフと組み合わせたりしても楽しい感じなのでしばらくいじくりたいと思います。
Bonus Routine – Single Cup & Balls Routine
カップとボールの出現から始まって最後はまたどっちも消える綺麗な手順。
特に出現のとこは超綺麗です。
好みとしてはこれならボール3つじゃなくて1個の方がまとまるんじゃないかとか思ったりしますが、出たり消えたり感があった方が良いのですかね。
カップアンドボールは永遠の憧れ手品なのですけど、これはちょっと練習してみようかなという感じあります。
好きなの10個、入門に載ってるプリフィギュレーションのリーピングジエーセスを除くと
The Optical Prediction
The Courting Queen
Triple Discovery
The Homing Card
Wallet Deck Switch
L.J. On Leipzig’s Sympathetic Cards
Dice-O-Matic
Collectors Ⅴ – Distributraction
Spectator’s Triumph
Single Cup & Balls Routine
こんな感じです。
他もそのままやるかどうかは別にしてアプローチとして面白いみたいなのは結構あるし通して読んでよかったですね。
ファッションも音楽も映画もゲームも80sリバイバル的なもんが溢れてる昨今ですが、80年代風のものを今の技術とセンスでやるといきなり跳ねるというのがあって、ジェニングス作品ってそういう意味で結構いじり甲斐あるのが多い気がします。
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