by jun | 2018/06/21

作者とタイトルが一致してるパターン。
ヤニック・クレティアン、と読むらしいです。
デビッドストーンの「REAL SECRET OF MAGIC」にこのPVが付いてるので買った人も多いんじゃないでしょうか。

PVだしビジュアルなやつが多いですけども、ちゃんとお客さんいてこそ成立する手順もあって面白いです。
ビジュアルなやつでも賢さを感じますし、ビジュアル全盛の今見ても楽しめるDVDだと思います。

MISHAND

セレクトカード1枚でやるキックバック現象です。
お客さんに1枚カードを裏向きのまま持ってもらって、ほかのお客さんにカードを選んでもらいます。
そのカードを当てようとするけど間違ってて、手に持ってもらってたカードを見るとその間違ったカードになってて、間違ったカードが正しいカードに変わるみたいな感じです。

この手のマジックは概念を知ってしまうとお客さんにどう見えるのかというのがとても不安になるのですが、これは結構キックバック力強めだと思います。
理由はキックバックするカードで、たまにジョーカーでやってる人いますけど適当なカードにすることでいきなり入れ替わった感は強まる気がします。

OPENPREDICTION

オープンプリディクションというタイトルですが、予言ではなくお客さんが言ったカードをお客さん自身が探す系のやつ。
一枚ずつ表向きに配ってもらって、好きなとこで止めてそこのカードを裏向きにしてもらいます。
それが最初に言ってもらったカードと一致します。

マルローの”Olram’s Open Prediction”的なやつですが、ヤニック版はテーブルにスプレッドして裏向きのカードが1枚であることを示せます。
めちゃくちゃ賢いです。
動きもスムーズなので、すぐ表にしたらええやんとも思われにくそうですが、一旦揃えてすぐスプレッドするのが気にならなくもないので、普通に予言のカードを用意して、揃えて予言出して広げて一致を示す、みたいな感じでもいいかなと思いました。
カードマジック入門事典に載ってる”Olram’s Open Prediction”の演出でもいいかも。

REFLiPPED

4Aと4Kのトランスポジションです。

フレンチの説明文で「ハイパーウルトラビジュアルトランスポジション」と紹介されたのが記憶に新しいですね。
PVでも一番強烈なやつです。

ちょっとカウントのとこでKを置きます感が弱い気はしますが、その後残ったカードがAであることと枚数を示すので、ハイパーウルトラビジュアルに入れ替わったように見えます。
ただやっぱり置きました部分が気になるので、ダニエルガルシアの”44.”のようにビジュアルじゃない入れ替わりと2段構成にした方がハイパーウルトラビジュアルっぽさが際立つんじゃないかと思ったりもします。

RED//BLACK//ACE

フラリッシュ的なAプロダクション。
なんかパケットだと思ってたら1枚のAだった!みたいな感触が良いです。
一瞬で同時に現れず、とはいえ1枚ずつ出すもさもさ感もなく、とてもリズム良く出てきます。
それでいてフォールスなのですが、普通にフォールスカットするよりAが出てきた方がなんとなく混ぜてる感は強まる気もしますので、レコードエーセス的なあれに使えんもんでしょうか。

COiNTROL

コイン消してコインがデックの中から出てきて、そこに選んだカードがあるというやつです。
コインはめっちゃ綺麗に消えます。

バニッシュのフェアさと難易度を自分の中で区別してて、簡単に両手見せれるのがクリーンで、難しいけど無駄な動きなく見せれるのがハードコアなんですが、これはゴリンゴリンのハードコアです。
カードは難しいやつでも頑張れば100パーに近付くんですけども、コインは手のコンディションとかもあるしハードコアなやつは80とかぐらいまでが限界で、この手のは中々手が出ません。
上手い人からしたらどうなんでしょ。

WHOOPER

2枚のカードを選んでもらって、1枚目あたり、もう一枚見つけてきたら1枚目、1枚目だと思ってたカードが2枚目のあたり、をサンドイッチカードでやるやつです。
現象はクラブサンドイッチですね。

レギュラーでやるキックバック系の現象としては一番無理がなく、カード2枚覚えさせてるのが嫌じゃなければ理想的なプロットだと思います。

HCDS HiRO SAKAi

ハート、クラブ、ダイヤ、スペードの順でエースが変化します。
ダックチェンジ使うのでヒロサカイさんリスペクトなタイトルになってる感じです。

結構3連続で別のカードに変化させるのって無駄な動きなく自然にやるのが難しくて、その辺はうまくやってます。
ビジュアルにカラーチェンジさせる方法って大きく分けて4種類ぐらいで、アードネスチェンジのように乗せる系と、カーディニチェンジのように消す系と、ダックチェンジのようなクルン系と、ミッドナイトシフトみたいなパス系となので(例外はありますが)、それさえわかってればこのマジックも他の好きなチェンジで演じることができます。

ただまあ普通の人が見たら何回も変わるのが1回変わるより不思議に見えるかどうかってのは微妙なところです。

アルスさんの”Introduction”とかは話がついてて最後に全部出るというオチでこういうオサレ演出を思いついてオサレ演出に負けない雰囲気を醸し出せるかが勝負ではないでしょうか。

AUTO CHANGE

出てきたハーフダラー2枚が1ドル札に変わります。
これもハードコアです。

ところでお札から両替されるのとコインがお札になるのとどっちが不思議なのでしょう。
一般の人から見ればちゃりちゃり出てくるから前者、マニア的に見れば複数コインをあれしなきゃいけないので後者みたいな感じでしょうか。

この手順はコインはプロダクションするのでどちらの不思議さも満たしているような気もしますが、プロダクションしちゃうとどっかに隠してる可能性というのも持たせてしまいますし、両替のプロット的にも入りは財布から2枚出すので良いかなと思いました。

TWO BACK

カラーチェンジングデックです。
カラーチェンジング前に、選ばれたカード以外が表向きになる現象から入るので、裏の色に対する説得力も強く、カードを広げた印象も持たせることができるので強いと思います。

BETCHA

ポケットに通うカードです。
DVDの中で唯一ピンと来なかったのですが、理由はポケット2つしか使わないからだったりします。
かといって楽になってるかというとそうでもない感じですし、負担と現象のバランスは良くない気がします。

RUBBER RETRO

リセットで、片方に輪ゴムをかけて行います。
1枚ずつAを見せてやるのではなく、テンポよく全部Kになったことを示します。
ヘルダーのやつみたいな感じですかね。

まあマニアからしたら輪ゴムしてても関係ないやんという感じかもしれませんが、輪ゴムすることでリセットで気になるあの動作がちょっと自然になります。

Aに戻った時にカウントしなくていいので個人的には好きなやり方ですが、結構犠牲もでかくて、そこも少し輪ゴムでカバーされるような気がしないでもないものの、まあ厳しいです。

OPEN TRAVELERS

デビッドストーンのDVDにも解説されてるやつ。
ヤニックが考案者だったのですね。

オチにカードが変わるマジックは結構危険だと思ってて、「じゃあ最初から別のカードだったということ?」と思われてしまって、メインパートの不思議さが減るものもあると思うのですよ。
ただ、オープントラベラーに関してはすり替えてようが移動したものは移動してるってはっきりわかるので全然ありだと思ってます。
まあなんにしても演じ方示し方次第なのですが。

ALLERGY

トーンアンドレストアーカードですが、少し変わってます。
破って破片をポケットに入れて、デックの中から7を4枚出して、それが1枚になって破ったカードが復活!ポケットからは4枚の7が出てくるみたいな感じです。

サインカードでやってますし、解決法としては面白いですが、この手の他の現象足して色々誤魔化す系は、見た目的には単純な足し算にはならないあたりが難しいところで。
あとやっぱり一枚一枚復活させるにしろ、一瞬でくっつくにしろ、破れたカードが復活した感としては弱いです。
不思議さをうまく説明できない面白さという文学的なやつは好きなんですが、なんだかんだで人に見せるテンションになりにくいです。

んなわけで、全体的に面白さはあるものの、かなり見せ方に工夫が必要な手順も多いです。

個人的ベストはOPENPREDICTION、REFLiPPEDあたり。
REFLiPPEDはお客さんの手の上でやると動画みたいに真上から見てもらえてハイパーウルトラビジュアルクリエイター感が出て良いと思います。

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