1985年のLouis Falangaさんの作品集で書いてるのはMike Maxwellさん。
セクション4は丸々ラリージェニングスのトリックが解説されてます。
レギュラーデックのみで演技できないのも多いんですが、ちょっと足すだけでインパクトがかなり強くなる好例のような手品もあっておもろいです。
SECTION ONE
セクション分けはどういうことなのかよーわからんのですが、印刷ネタが多いです。5つのトリックが解説されてます。
オープニングの”Squaw Valley Twist”は有名なやつですね。
ツイスティングエーセスからのスペード以外のカードの裏が全部変わるやつ。
デックからスタートするけど完全パケット化も可能です。
オープントラベラー的な移動パートがあって、あれはどうも気になるのでポケットに処理でもいいかなと。
色変わった後デックがあると、一般の人ほどもにょもにょしそうな気もします。
ハンドリング的に2/4 Countが必要なのできっちり解説されていて、最近ハラパンさんのとか見て憧れ技法となったのでじっくり練習中。
でもこの手順だと使い所がちょっと難しいところにあってきつさはありますね。
“Jim Bob Poker”はパケット内オールバックからのロイヤルストレート印刷落ち。
これはデックからスタートするのが効いていて、プリントされていくとこも気持ちいいですね。
ゴミ処理しつつ綺麗にディスプレイするとこも良いです。
Sidewalk Shuffleの改案”Virginia City Shuffle”も有名ですね。
3枚のブランクカードとエースを使ったモンテで、テーブルに置いたブランクカードが何度もエースに変わり、最後はエース3枚とブランク1枚になります。
観客はエースを2枚使ってると思うのでこのオチはかなり強力。
エンドクリーンだし途中も極めてフェアで、とても良い手順です。
マニア相手にはカウントパートは省略した方が良いかもしれません。
ブランクフェイスに印刷していく”The Tahoe Deck”は観客が言ったカードに印刷するもので、ブランクフェイスネタ定番のギャグを使ったりしますが、安定感ある手順で間違いない感じ。
変にビジュアルなプリントから入るのもったいないですし、徐々に盛り上げる構成は参考になりますね。
“Fleur-Du-Lac Aces”はマクドナルドエーセスのブランク版。
マスターパケットにブランクを置いて、エースは消えてブランクになって集まっていきます。
消えました!出ました!がわかりやすくて良いですね。
どうせあれ使うしやるならこういうバリエーションかなと思います。
一部カウントで重くなる気もしますが、全部ブランクを見せるのはなんとなくクリーンに見えるので大丈夫な感じです。
SECTION TWO
第2章。
レギュラー寄りの作品が増えてきます。
“The Feud”はカラーチェンジングパケットもの。
赤4枚青4枚を混ぜて4枚ずつに分けると片方か全部赤、もう片方は全部緑ということになってます。
Sadowitzの元ネタはレギュラーデックで表やるやつでしたよね。
裏で見せることによって矛盾のなさと派手さは増してます。
カード構成見るとまんまやんって感じなんですが、ちょっとした工夫がありちょっとだけまんま感なくなってます。
デビルズエレベーターのバリエーション”Elevation 8200″はカード構成とカードを入れる位置が変わってる感じですかね。
セリフもそれっぽくなってます。
レギュラーデックから作れるパケットものの”Odd Man Out”はさくっとカードが変わる感じが楽しいです。
スタート時のカードの構成から意外性も生まれると思いますが、エンドクリーンではないしセリフも他よりちゃんと書かれてないのでどう演じればいいかは難しそう。
“Bottom Double Drop Applications”は4枚のカードのスイッチ手順。
ルーティンが3つ解説されていて、相性の良いマジシャンvsギャンブラー手順が良かったです。
通常のM v G手順よりは直接的でなく、技法んとこがスムーズに行けばすっきり見せられそう。でもボトムからあれするとこがどうしても重たく見えますね。
現象として面白いのは”Casino Kings”でした。
2枚のキングを使って移動現象を起こした後、どこどこ的な現象が起きて変化してまた移動してひっくり返ってデックの真ん中へみたいなやつ。
そんな難しい技法も使わないしスムーズに見せれたら楽しそう。
SECTION THREE
カードケースを使ったギミックの解説。
“The Cellophane Connection”はちょっとの工夫でかなり便利にカードを消したり出したりできる箱の作り方。
工作しないやり方もありますが、こんぐらいの手間なら絶対かけた方がいいですね。
空の箱改めてからの出現ならサインカード手順にも組み込みやすいはず。
“Home Is Where The Heart Is”はMaxwellの手順。サインカードのカードトゥケースです。
1段階ですが複数のサトルティを組み合わせていてインパクト十分な手順になってます。
ラストの”The Box Trot”は箱を使ってサインカードと4枚のジョーカーと1枚のジャックのトランスポジションとサンドイッチを見せます。
三店方式で割とややこしい現象ですが、いちいち起こったことと状況を確認しながら進めるので大丈夫そう。
途中はともかく最後のミステリーカード的なとこにだけ重点置くもわかりやすいかもしれません。
構造上4枚のジョーカーじゃないとダメなのはあれですが、気にならないなら絵札でもギリいけます。見てる人が気にならないかどうかはわかりませんけども。
SECTION FOUR
ここからラリージェニングスのターン。
“Memoreverse”はタイトル通り記憶術とリバース現象を組み合わせたようなもの。
観客がカードを言った後に何枚目かを言って、数えるとそこにひっくり返ってカードがあります。
カードの選ばせ方も引いたカードではなく観客の頭の中にしかないように見せる方法で、エニーナンバー系の現象とも相性が良く、カードを聞いてから操作しなくていいので中々巧妙です。
途中ちょっとややこしすぎんかと思ったりもしますが、即興で出来る記憶術としては優れてるんじゃないでしょうか。リバースするからガチすぎ感もないですし。
4-4の3段階オイルアンドウォーター”Oil & Perrier”もジェニングス感ある変な方法で面白いです。
1段目がフェアに広げて見せれて2段目かカウントだったから前読んだ時はここで読むのやめてたんですが、3段目は表裏に混ぜるやつでちょっと良いです。表裏にするならもうちょい表裏なりのアイデアが欲しいところではありますが…
オールバックの”Larry Jennings All Backs Routine”はレギュラーノーセットからスタートする手順。
おおまかな流れは普通ですが、演出と技法の参考にはなります。
ラストの処理はもうちょいどうにかならなかったのかという感じ。
デビリッシュミラクルの改案”The Devilish Miracle”はマルロー自身のバリエーションに似たようなのがあった気がしますが、コントロールから5枚見せるところに説得力があって、パケットからカードが消えるところの技法が変わってます。消した流れでひっくり返すのでいいっすね。スイッチがちょっとまどろっこしくはなってます。
ラストの”The Close-Up Illusion”は3枚のカードでやるビジュアルなライジング。
これは最高のやつですね。
一番上まで来ないのは残念ですが、なんとなくどこにでも移動するようなルーティンになってます。にゅるにゅる溶け込んでいくような見た目マジきもいです。
そういえば紀良京佑さんがこれ的なやつを最近発売されたようなんですが、これ的なやつかと思ったらこれではなくてあれでもなさそうで一体なんでしょう。不思議。
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