2002年にリリースされたMarc Desouzaの作品集。
本に実演と技法の解説があるDVDがくっついた形で、文はDavide Acerが書いてます。
カード、コイン、指輪、スポンジ、シェルゲームなどなどバランス良く入っており、名人芸の演技が見られるお得なセットになってます。
Miniature Bowling Ball From Briefcase
ボーリング球が出る手品のミニチュア版。
手のひらサイズのアタッシュケース(名刺入れとして売られているようなもの)の中からスポンジボールが2つ出てきて、更に鉄球が出てくるという手品です。
あースポンジだから入ったのねからボロンと出てくる感じで、変なセットもなくスタンディングでも出来るのでつかみに丁度いい手品になってます。
欲を言うと鉄球を絡めたスポンジの手順などもあると良かったとは思いますが、出すもの含めて応用は色々考えられそうです。
スライディーニの理論に沿ったロードの解説も読み応えあります。
Picasso’s Bill
お札が変なことになるビルチェンジ。
白紙からお札とか別のお札への変化より、すり替えたという感じがしないのでストレス低く演じることができそうです。
更に一工夫されていて、かなり説得力ある見せ方だと思います。
あれが不要なハンドリングもいいですし、日本円でやると怒られるやつですが、この変化なら外国のお金でやってもそんなにマイナスにならないんじゃないかと。
Twin Transpo X 2
2枚のカードが入れ替わるルーティンです。
オチを書くとあれなので伏せますが、財布の中に移動したり楽しい手順です。
説得力の高い移動で、やや何かを疑われるリスクもあるのでオチはなくても良いんじゃないかとは思います。
はじめはあれを使わずに、途中でサインさせるとかにしてとか色々考えたくなりますね。
Collection Agency
少し変わったコレクター。
変わってるのはカードの選ばせ方で、そこさえ気にならなければバラバラのカードを集めた印象強くて普通に良い手順だと思います。
コレクターだと思って読むから変わってるように見えるだけで、実際の演技ではほとんど気にならないはず。
Copper/Silver My Way
カッパーシルバーです。
観客の手を使ったシンプルな手順で、技法の解説がメインになってます。
Snowflake
シガレットペーパーを丸めてハサミでチョキチョキやったふりをすると紙に穴ぼこが空いてます。
地味すぎず派手すぎず、合間にやるとちょうどいいリアクションが得れそうな手品です。
Quad-Ringle Plus
リングアンドストリングスの手順で、最後は指輪が消えて机の上に置いてあったカードケースの中から出てきます。
抜けるパートはあれとかこれの組み合わせですが、手堅い構成で実演のハンドリングもとても良いです。
カードケースの使い方は知らなかったので勉強になりました。
Shapeshifter
シェイプシフターを使った手順です。
トラブルシューティングとして、あのチェンジを安定して行う方法の解説があります。
I’d Give My Right Arm To Be Ambidextrous
ポケットに通う方のトラベラー。
2段回になっていて、2回目はよりフェアによりスピーディに別々のポケットから取り出せるという見せ方。
なるほどーと思いつつも、1回目にやたら負担が寄るので実演までの道は遠そうです。
練習用手順としてはとても良く、DVDの演技見ると腕の動かし方とかも参考にななります。
Die of Destiny
カード選んでもらって好きな場所に返してもらい、6つの山にわけてサイコロを振ってもらいます。その目の位置の山を残しというのを繰り返して最後に選ばれたカードが選ばれたカードでしたという手品。
デックはあれなのですが、自然なサトルティでとても良い手順だと思います。
観客の選択を強調しつつ選ばれなかったカードをさりげなく示し、クライマックスの盛り上げの中で色々処理する演技も見事でした。
Social Climbing
アンビシャスカードの手順です。
テクニックをお持ちの方ですが、序盤はコントロール技法は使わず、後半にビジュアルな見せ方をする構成になってます。
そう聞くとちょっとストレスを感じますが、繰り返しの現象を実際演じるとなると序盤にフェアさを強調できた方が後々楽だったりするので、こういう組み立ては結構ありなのではないでしょうか。
Shell Act
シェルゲームの手順で、最後にショットグラスに道具を入れてそれがショットグラスごと全部綺麗に消えます。
シェルゲームの解説はあっさり目ですが、ちょっとずつ不可能性が高まってるように見える素敵なルーティンでした。
ショットグラスの消し方は中に飲み物入っててもできて楽しいです。
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